妖精作戦 (創元SF文庫) (創元SF文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 720
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488741013

感想・レビュー・書評

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  • 笹本祐一が1984年に発表したデビュー作。アニメ化された"モーレツ宇宙海賊"の原作を書いている人です。昨今、大量生産されているライトノベルの元祖ともいえる本作は、ボーイ・ミーツ・ガール×スターウォーズな作品です。ジュブナイル小説しかなかった時代にこれが出た時は驚いたでしょうね。僕がラノベを読み始めた90年代前半は結構こういうタッチの作品が生き残ってました。残念ながら、ちょっと古びた感じになってしまったので現代の読者には物足りないかもしれないです。出来ればリライトしてもらって、幅広い人に読んで貰いたいです。

  •  お前らのような高校二年生がいるか。もちろんSF作品なのだからあり得ない設定やぶっ飛んだキャラクター能力値は当たり前で、それを楽しむのがフィクションの醍醐味である。しかし、読めば読むほど登場人物の人間臭さが染み出してくるから彼らは普通の人間のように見えてしまう。
     また、彼らは自由だ。縦横無尽に世界を飛び回る。その展開は目まぐるしく、様々なところでドンパチを繰り返す。特につばさは破天荒だ。よくわからない装置のスイッチをめちゃくちゃにいじってみたり、スクーターにオートバイのエンジン積んでみたり。私はバイクには詳しくないから、排気量とか型番を持ち出されてもピンと来なかったが、とにかく荒っぽさが感じられた。
     超能力者の女の子を守る。これだけの話に濃厚なキャラクター陣を擁している。濃すぎて主人公がかすんで見えるくらいだ。この作品は第一部であり、まだまだ続いていく。先の物語で特徴のある人物が増えていくから更に主人公の影が薄くなっていく。

  • 21世紀の今日、我々の世代が享受している諸々のエンターテイメント。
    その、アーキタイプの一つである処の「妖精作戦」であります。

    曰く元祖ライトノベルですが、元祖である本作の構成要素も
    スター・ウォーズEP4(特にデス・スター内での追っかけっこ)に
    インスパイアされているだろうことを考えるに、文化とはこうやって
    世代を越えていくのかと得心する次第。

    個人的に恐ろしいのは、デビュー作である妖精作戦シリーズと、
    ミニスカ宇宙海賊から全く同じ匂いがするあたり。
    夢を燃やして飯食ってる人種は強いなぁ。

    まぁ、デビュー作だけあって、文章は今読むと割としんどいですけどね…

  • 解説・有川浩に惹かれて買ってみた。去年の年末に全4巻揃ったので、一気読み始めました。


    テンション高いね。
    赤城毅の「魔大陸の鷹」読んだときも感じたけど、デビュー作ってこういうテンションになるの?

    主人公よりも、脇役のハイスペックっぷりが半端ない。
    展開も速いし。立ち止まることが、登場人物の間で、ほとんどないし。

    つっこみどころ満載だけど、勢いで読みきらせちゃう。

    榊たちと、同年代で読んでいたら間違いなく、ハマってましたね。
    ライトノベルって、言葉が存在しなかった時代のライトノベル。

    復刻ありがとう。

  • かなりのスピード感。サクサク物語が進行する。置き去りにされてしまった場面もチラホラ。


    やはり考えてしまうのは「この本が約30年も前に描かれた」ということだろう。


    自分は生まれていないが、バブルの少し前だろうか。そんな時代に描かれたのだ。この作品は。


    今でこそ学園SFというおおまかなジャンルは確立しているのだろうが、30年前にはそんなものはなかっただろう。やはり、何事も最初になすというのは、陳腐な言い回しになってしまうが、ものすごいことなのだろう。


    今更思うが、物語が創り出す想像の世界はすごい。言葉だけで、無限に世界を広げてしまう。その世界に浸れることが、今の私の最高の幸せなのだ。

  • サイコーー---!

  • ライトノベル、という言葉すらなかった頃のライトノベル。
    あちこちのレビューでもいわれているが、脇役の万能っぷりが凄まじい。

    高校生スペックを遥かに上回っている。

    展開も色々ぶっ飛んでいるが、話としては面白い方かと思う。

  • 有川浩の解説を読む為だけにもこの本はkindleではなく実本で買う価値があると思う。

    『ラストレター』のラストに関してはブラックラグーンの
    「世界がほんの少しだけ優しければ彼と彼女は幸せに暮らしただろう、でもそうはならなかった、ならかったんだよロック」
    「だからこの話はここでお終いなんだ」
    が見事にハマるなあと。

  • 『妖精作戦』は1984年の作品で、ライトノベルの先駆けとも言われ、有川浩さんなどの多くの作家に影響を与えたという。
    また、4巻あるシリーズのラストは当時読んでいた若者たちの間で物議を醸したそうだ。
    2011年の創元SF文庫復刊版では、有川浩さんが解説を務めた。

    先に、悪かったところを述べておこうと思う。
    この作品は笹本さんのデビュー作であり、加えて、先駆けだろうがなんだろうがラノベはラノベである。
    だから、文章は上手ではない。
    三人称視点と一人称視点が混ざり合っていたり、段落を変えずに違う人物の視点に変わったりするため、読みづらい。
    また、心理描写がとにかく少ない。
    せっかく魅力的なキャラクターたちなのに、何を考えているのかがわからない。
    この点に関しては、今のライトノベルの方が長じていると思う。
    ヒロインが主人公に恋していく様子とか、主人公の青臭い哲学とかが存分に書かれているからだ。
    レビューで評価が高い人の一部は、若い頃に一度読んだことがあって、その時の懐古の思いに引っ張られているように見受けられる。

    次はいいところについて。
    何よりも評価したいのは、物語の密度の濃さだ。
    主人公たちは学校から始まってあちこちを駆け回ることになるが、その展開は早く、寄り道なくとにかく突き進んでいく。
    訪れる場所もわくわくするところばかりで、メインイベントがいくつもあるような感覚だ。
    今のライトノベルであれば、この第1作目だけで4巻分くらいになるのではないだろうか。
    そのくらい密度が濃い。
    キャラクターがかっこいいこともこの本の魅力のひとつだ。
    有川さんの解説のように自分を重ねることはできそうにないが、憧れにはなりうる。
    20代の私でさえ、真田や沖田のようにメカを操り、謎の組織を追いかけたり、逃げ回ったりしてみたいと思う。

    全体的に見ると、シリーズものではあるが、1冊としての出来はいい。
    無理な引き延ばしはなく、読後感もすっきりしていて、第1巻だけでも楽しめる。
    本作と同じ雰囲気を持つのであれば、続編も期待できそうだ。

  • メカの話ばっかりだった印象。
    ラノベの先駆けということで読んだ。いかに画期的だったかはわかったが、私には合わなかった。

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