- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784494008926
感想・レビュー・書評
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黄色いちょうちょにピンクや赤の花、緑や茶色の草木に青い空、、幼い子供が描く絵はこのようなカラフルなものが多いのではないだろうか。
この絵本は、そんなカラフルなくれよんたちに仲間はずれにされがちな黒色のくれよんがいるからこそ、描ける絵があるのだということを幼い私に印象づけた一冊である。
絵本の特徴は小説などとは違い、情景がそのまま視覚情報として入ってくる点だと私は考えている。この絵本はまさに、くれよんの色をカラフルに用い、読者となるであろう子供たちに起こっていることを理解させやすくしていると思う。
またこの絵本の主人公はくれよんたちであり、彼らが真っ白な紙に自由気ままに絵を描いた結果絵がぐちゃぐちゃになってしまったことは、子供たちがおもちゃや遊具の取り合いをして喧嘩になってしまうことを表しているようにも思える。しかしその後ぐちゃぐちゃになってしまった絵は、黒色のくれよんとシャープペンによって新たなものへと生まれ変わる。生まれ変わった絵を見てカラフルなくれよんたちは、黒色のくれよんに対して「くろくん ごめんよ」「くろって、すごいね」と謝り、存在を認め合うのだ。これは子供たちに発想の転換という考え方を伝え、どんな人とでもお互いの価値を認め合うことの重要性を教えてくれると私は思う。
もしみなさんが子供を育てることになったときや、子供と触れ合うときにこの本を一緒に読むと、「くれよんのくろくん」は後の世代にとっても印象深い一冊になるかもしれない。
蔵書なし
よっぴー -
プレゼントで
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保育園の発表会で年中さんのクラスの子達が劇でやっていて知ったお話。
お話を知ってる上で読んで、なーるほどな〜!素敵な絵だなぁと思った。
クレヨンたち、自由でいいわぁ。
嫌いになる理由も、仲良くなる理由も、子どもって単純だったりするんだよね。
保育園の劇が素晴らしく良くて、更に生き生きとした印象です。 -
このシリーズはいいと思う。(2日くらい経って内容忘れてしまった)
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イジメをテーマにした本のなかでは読みやすい。
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かわいらしい絵とことばで何度も読んだ本です。
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2歳1ヶ月の娘
こちらも気に入ってる様子 -
出てくるクレヨンが結構身勝手。
大人の世界にもくろくんのような「劣等生」はいる。
機械化が進む現代では、人である必要性がなくなった仕事が多くある。多くの人は人でないと出来ないことは何か探り、自分でないと出来ないことを探している。
その人にしか出来ないことを見つけるのは、その人が他の人より劣っている部分を見つけるのに比べて、とても難しい。特に効率化を求める現代では、代替可能な人間社会が形成される。使えないと判断されると解雇され、発揮できるはずだったその人らしい力はそのまま眠ってしまう。くろくんは捨てられなかったから謝られ、認められた。もとの社会に意味なる存在として戻ることができた。
人がモノに変わりつつある現代において、人と向き合うことの大切さっを教えてくれる、そんな絵本のように感じられた。
pizaman