五胡十六国: 中国史上の民族大移動 (東方選書 36)

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  • 東方書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784497202017

作品紹介・あらすじ

華北に侵入、定住し、自立政権を建てた周辺諸民族が割拠する3世紀末〜5世紀中葉の中国。漢族と諸民族が葛藤・融合する激動の時代を描く。

感想・レビュー・書評

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  •  劉淵の漢(前趙)から拓跋珪の北魏に至るまで、五胡(匈奴、羯、鮮卑、氐、羌)と称される少数民族が中国で王朝の興亡を繰り返した"五胡十六国時代"の概説書。

     一般向けの内容になっているので、五胡十六国時代の入門書として最適です。特に五胡の移動を、ローマ帝国におけるゲルマン民族大移動と同列に位置付けている点は、一般向けの本としては画期的。

  • ハッキリ言って、この時代を時系列に沿ってすべて暗記するのは不可能ですw
    中国史上、群雄割拠の大乱世は幾度もありましたが、この五胡十六国時代だけは明らかに異質です。
    漢族だけでなく、周辺の諸民族が一斉に華北に乱入し、それぞれが自己を主張して暴れ回りましたw
    かつて「征服王朝」と呼ばれた遼・金・元・清などは本拠地を維持したまま中華をも征服しましたが、この時代の異民族王朝は民族それ自体が本拠地を離れて華北へ移動し、そこにドカンと自分たちの国を作っていましたので、この時代は諸民族の大移動の時代でもあります。
    ある地域に住んでいた民族が丸ごとゴッソリ入れ替わったりしてましたからね。
    本書はこの時代に乱立した諸国を、比較的効率よくまとめて紹介しています。
    実際には五胡(匈奴・鮮卑・羯・羌・氐)だけでなく、更に慮水胡や高句麗、高車、そして当然もともとの居住者である漢族。
    それら諸民族が建国した全ての国を、建国から滅亡まで纏めています。
    といっても、どの国も短命だったので、記述は長くならずに済んでますw
    また各民族の移動の過程や、仏教の普及についても述べられ、のちの隋唐世界帝国の勃興の理解へとつながります。
    慕容廆・沮渠蒙遜・赫連勃勃など、群雄の名前も漢族風ばかりでなく個性的なのも多くて魅力的ですw
    本書でも触れられていますが、この時代の通史であった崔浩の『十六国春秋』が焼失したのは甚だ惜しいですね(汗

  • 何しろこの辺の時代は複雑怪奇なので、親切に書かれてあっても飲み込むのにとても骨が折れるが、そんな説明するのはもっと難しそうな内容を、とっても折り目正しく書いてあってありがたい本。
    3回ぐらい読めばこの時代の流れが頭に入るんだろうか…。

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