なんとか会社を変えてやろう: 実践ガイド 企業風土改革の進め方
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (1999年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532147440
感想・レビュー・書評
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ヒロシ:メーカーさんにいただきました。どこの会社にも当てはまる内容だと思います。参考にもなりまいすが、少々、難しく書きすぎ。
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No.483
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■書名
書名:実践ガイド なんとか会社を変えてやろう―企業風土改革の進め方
著者:柴田 昌治
■概要
成功や失敗の現場体験を基に,企業風土を改革するための実践的考え
方やアプローチのしかたを具体的に解説
99年に出版され,ベストセラーになった『なぜ,会社は変われないのか』
(日本経済新聞社)の第2弾。いまの日本社会に共通して見られる病理は,
「表立っては何も言わず,影で非難しあう」組織であり,「臭いものにフ
タ」をし,根底にある問題に目を向けようとしない体質だ。こうした状
態を放置すれば,近い将来,破局が訪れると指摘する。
「会社を変える」には,企業風土や組織体質などソフトの改革が必要だ。
改革のキーは,問題を見えやすくする,つまり,「おかしいと思うことを
おかしいと言えるようにすること」である。その第一歩として,「気楽
にまじめな話をする場」をつくることを薦める。
具体的には,意欲のある人を10~15人ほど集め,オフサイト・ミーティング
を行う方法だ。その際,互いの信頼関係を築けるよう,「聞き合う」こと
を主眼とすべきだという。また,改革を進める世話人の育成方法などに
ついても触れている。実際にコンサルティングした現場体験に基づいて
解説しているだけに,具体的で説得力がある。
(From amazon)
■感想
概要に書いてることが、ほぼ全ての本です。
『なぜ,会社は変われないのか』を読んだ後、続けて読みました。
基本的には言っている事は、同じです。
企業改革について、こういう順番で、こういう方法でやっていくべき
というのが細かく記載されています。
どの会社でも、全員が理想通りになるわけがないという前提で、やり
方を書いてあり、また、実績に伴って色々と記載されているので、
説得力はあります。
また、基本的に若い人(現場にいる人)ほど、この内容に敏感に反応
すると思います。
(本当に反応するべきは、上のバカな連中なのですが・・・)
上が本当にどうしようもない人間揃いであれば、あきらめるしかあり
ませんが、そうでなければ、少しずつ行動していくの価値はあると
思います。
まあ、後は、どこまで会社に尽くすかだと思いますが・・・
現場の人間って、問題は把握していますが、会社への帰属性が低い
ですからね・・・
面白い一冊ですが、現場の作業者が読んでも結局どうすればいいんだ!?
とな気がします。
実は、ある程度の権力がある人間向けの本です。
そして一番の問題は、こういう人間にこういう本を読む人間が少ない
ことでしょう・・・
■気になった点
・企業改革の中心課題とは「見えにくくなっている問題を見えやす
くする」事が出発点だろうと思っています。
・企業改革をするには、まずは、風土、体質、文化(言っても無駄、
言いだしっぺが損をする)という部分を改革していく必要がある。
・問題のある組織の体質は、以下のようになる。
1)なるべく波風は立てない
※みんなで頑張っているのだから、余計な事は言わない
⇒2)問題を先送りにする(臭いものにはフタをする)
⇒3)信頼しない、お互い隠しあう
※言っても無駄、正直者、言いだしっぺはバカを見る
⇒4)表立って何も言わない。
※陰で批判しあう
⇒5)結果として牽制と足の引っ張りあい
⇒1)に戻る
・多くの関係者が善意で一生懸命やっているにもかかわらず、協力
出来ない理由は「問題の共有が出来ていない(問題が見えていない)」
からです。
これを見つけるには、おかしいことは、素直におかしいと感じる事
が出発点です。
・もぐら叩きの解決では無い、根本的な解決が必要となる。
・「あなたが頑張っている中にこそ、問題がいっぱい隠されている
のではないでしょうか」という問いが自然に行われる必要がある。
・リ・コミュニケーションの基本的なスタイル
- 形式ばらず気楽な雰囲気を作る
- 結論を出すことをノルマにしない(結論が出ても問題はない)
- 人の話をまずは「聞く」という姿勢
- 立場を離れる
- 相手にレッテルを貼らない
- 正しいことを言いすぎない
- 相手をやっけすぎない
- 自分の弱みを素直に見せる
・日ごろから部署に関係なく、必要と思った人同士が密に話し合う
場が形成されていることが重要です。
・「話し合い」というのは結局「上からの命令」でしかない。
なぜならば、既に上が答えを持っていて、それに向かって説明する
だけの場合が圧倒的に多いからです。
・大事なのは「話し合い」ではなく、「聞き合い」です。
・聞きあうことによって一時的に「何とかしないとモード」になって
もそれは一時的でしかありません。これを継続的に耕すために、
世話人が必要となります。
・世話人の資質は以下の通りです。
- 課題達成至上主義で無い
- 変革への思い入れが人一倍強い
※会社の指示ではなく、自分の思いで動く
活動を評価と結びつけない
- 制約条件を絶対視しない柔軟性
- フットワークのよさ
- 人と人の橋渡しをする力
- 起承転結の組み合わせ
・問題提起
・シナリオ作成
・客観性を持って疑問を投げる
・判断を下す
- 違いを認める幅の広さ
・トップが方針として、風土改革をやるという方向性を打ち出して
いうことが最低条件です。
・「おかしいことを当たり前におかしいと思える感性」
「自分の利益以上に優先される思いの強さ」
「人の話を聞き、共感できる能力」
これらを持っている人が感度のいい人となり、リーダーとして
素質のある人です。
・物事を5人で決めれば、責任は分配されてしまいます。
そうすることにより、みんなに当該者という意識がなくなります。 -
この本を読んで、現状をあまりにピタリと言われている気がすることは、あまり幸せではないのかも知れないけれど、日本の会社組織って案外どこもこんなものかなと感じた。村社会の本質を痛いほどズバリとついていると思うし、とても納得感を持って読めた。10年以上前の本だけど、全然価値は色あせていない。
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■概要
意識/風土改革コンサルタントがプロジェクト遂行上のポイントや人材育成の考え方を語る。
■活かせる点
柴田さんはオフサイトミーティングの提唱者として存じ上げていましたが、本を読むのは初めて(たぶん)。
業務を離れた場で盛り上がった感情、意識、思考を現場で展開させるために重要となる「世話人」「プロセスデザイナー」の役割等、
現場を巻き込んだプロジェクトの運営の仕方が書かれていて参考になります。
(さわ) -
会社改革のうち、ソフト面の改革に関する実践ガイド版。なんと言っても気軽に、自分の所属部署を代表するのではなく、思った問題点を議論できるオフサイトミーティングが肝。従来型会議では、建前論、事故所属部署の釈明に終始し、有意義な議論ができなかったが、自分の立場を離れて、思って事を議論できることがポイント。
また、「周知を集めて、一人で決める」という責任明確型の意志決定システムが必要とのこと。従来型の責任曖昧型では、職員個々が動かないし、失敗しても責任が曖昧、結果として反省も生かされないというデメリットがある。
そして組織改革を実行するためには、なんと言ってもキーマンが必要。会社の2割はそうした要素があるという。残りの6割はきっかけがあれば、その変革に協力する。残りの2割は、何が問題かも認識できないそうだ。
「困らせる仕組みづくり」も面白い。問題が発生しても、実際に自分が困らなければ、その問題を封印して、せっかくの改善意志も封殺してします。問題が起きて、それが即困ることとなれば、嫌でも問題解決をせざるを得ない。そうした仕組みも必要とのこと。
こうしたソフト改革無くして、人事システム等のハード面改革は成功しない。
私の会社も、職員個々のやる気が感じられない、末期症状を有する。これを変えられるには、こうした本書のアイデアが必要であると考える。 -
人に対し、「意識を変えろ」といってもなかなか変わるもんじゃない。やはり、自ら「変わらなきゃ」という意識を持たせる環境作りが大事なんだろう。
この本では、まず、問題を見えやすくし、現場感覚系の情報(データ化しづらい情報)を共有し、それらを気軽にまじめに話せる場を作り出そうと説いている。
結構実践的な手順が載っていて分かりやすいと思う。