遊牧民から見た世界史: 民族も国境もこえて
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (1997年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532162290
作品紹介・あらすじ
中央ユーラシアは「東西文明の十字路」などではなく、高度な文明を誇る地だった。スキタイ、匈奴から、テュルク、ウイグル、モンゴル帝国まで、草原の民の視点から世界史を描き直す話題作。
感想・レビュー・書評
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単語に使われる文字から対象のイメージが先行してしまうのは分かるが、その部分について触れた文が挟まれる所が微妙に読みにくかったです。
遊牧民から見ると、今まで持っていた歴史観が如何に欧米や中華視点に染められていたかが分かります。
『書いたもの勝ち』というのもうなずけます。 -
1404夜
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漢族vs遊牧民!
東アジアの歴史は、この両者の対立・抗争の歴史だと言っても過言ではありません。
中国に学ぶところの大きかった日本では、中国(漢族)中心の史観により、「中華の文明人と、それに敵対する草原の野蛮人」という図式が支配的でしたが、本書は逆に遊牧民の視点から見た歴史です。
チンギス・ハーン(成吉思汗)のモンゴル帝国が中心ですが、古代の匈奴から鮮卑・柔然・突厥・沙陀などの遊牧民の歴史も綴っています。
漢語史料に頼る「中国史」としてではなく、ペルシャ語・モンゴル語・パクパ文字史料からも照らした「ユーラシア史」という広い視点は、遊牧民についての従来の評価を改めさせられます。
農耕民より、遊牧民の方が海上に興味を示し、船舶を重視するというのは興味深いです♪
ただし、中華中心史観に一石を投じ、新しい視点を提供するのはいいですが、幾分漢族側を過小評価してるきらいもありますねw
「漢族は、遊牧民にやられっぱなしか、遊牧民の温情で辛うじて生き延びていられるヘタレ民族」
とでも言いたそうな印象を受けますが、逆に漢族の側が遊牧民を圧倒した事実はほとんどスルーしてますwww
著者は京都大学教授で、クビライ・ハーン(忽必烈汗)研究の大家ですが、中国の三国時代の記述では漢族の英雄・曹操の出自などで明らかな事実誤認をしていたのが残念ですね。
ニン、トン♪ -
クビライ帝国の税制:80%は塩引、20%は商税(売却代金の3%)。塩引は銀とリンクされた。