戦略の本質: 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2005年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532165291
感想・レビュー・書評
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失敗の本質はおもしろかったけど、こっちは二匹目のドジョウを狙いに行って失敗。
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『ポリティックス(政治)と軍事、中央と現場との間に横たわるより本質的な問題の存在を確認することができる。
すなわち、何かをなすことによって生じた失敗と、何もしないことによって生じた失敗をどのように識別するかということである。
何かをなして失敗した場合は検証されるが、何かをさせなかった場合の結果はどのように検証されるのであろうか。実行されなかったことの誤りを実証するのは難しい。
成功したかもしれないことをやらせなかった場合の機会損失は、誰が責めを負うべきなのだろうか。』
戦略の本質は、結局のところそれを実行する責任を背負ったリーダーの存在が欠かせないことがよく分かった。
浮き彫りになるのは、日本の『失敗の本質』であって、つまりはリーダーの不在、不明確な責任の所在、不明瞭な意思決定にあるのだとよく分かる。 -
副題にある、戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ、が本書の内容をよく示している。この戦史は、毛沢東の戦い、バトルオブブリテン、スターリングラード、朝鮮戦争、中東戦争、ベトナム戦争で、第二次大戦とそれ以降である。
各戦いがどのように行われたかを知るだけでも読む価値はある。これが8割を占め、残りでこれらの勝利を導いた戦略を考察している。
あとからは何とでも言えるけれど、勝者には敗者にはない一貫性のようなものがあるようだ。 -
数年ぶりに読み直しました。戦史を題材にして、フレームワークを抽出した作品は、結構増えたように感じますが、その中でも本書のレベルは高く分かりやすいと思います。ケースの抽出もさすがだなと思います。
ただし、3つほど不満な点がありました。
1)勝因をリーダーシップやリーダーとしてふれていた節が随所に見られた。リーダーシップやリーダーのどこが凄かったのかを抽出する必要が出てしまう。しかし、最後に「賢慮」というキーワードを使い、その要求を5つに整理してあったが、浮いているというか宙ぶらりんな感じがした。リーダーシップやリーダーを属人化しないで理論で説明できないものかなあと思いました。
2)8章で勝者のみをフレームワーク化していたが、敗者の敗因もあわせて分析してみる必要があったのではないか。
3)同じ8章でベトナム戦争ではなぜ米国側を表にまとめたのか?他のケースと同列に勝者を取り上げるのであれば、北ベトナムを採用すべきだったのではないかと思う。
本書の内容をどう自分の組織の戦略に活かすか考えようと改めて感じたことと、まだまだ世界史では知らないことが多すぎるなと感じました。 -
乱読の一冊として、図書館で何も考えずに手にとった一冊。
毛沢東の包囲討伐、バトル・オブ・ブリテン、スターリングラードの戦い、朝鮮戦争、第四次中東戦争、ベトナム戦争を通じ、戦略とは何かを解説してくれる。
私も含めて、軍事マニアではない人にとっては、怒涛のごとく書かれる兵器の名前にややアレルギー反応はありそう。それを乗り越えることができれば、それぞれの戦争に関して、少なからず理解は深くなるものと思います。 -
戦略の本質とは?
→有用な知識は実践から離れて存在せず、知行統一されてはじめて獲得される
戦略の基本原則は、制約のある資源をいかに有効に集中的に活用し、優位性を確保するか
戦略には、技術、戦術、作戦戦略、軍事戦略、大戦略の5つのレベルがあり、そのメカニズムとして、1.構造の重層性つまり各レベルの相互作用が隣接するレベルの相互作用から影響を受ける、2.逆説的因果連鎖の垂直的展開つまり主体間の相互作用は、各レベルの間で垂直的にも展開する
戦略はテーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼのプロセスで生成発展しているため、弁証法とも言える -
チャーチルの演説が印象に残った