- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532171360
感想・レビュー・書評
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「お仕事ファンタジー」と呼ばれているようです。芸術選奨新人賞受賞作。
5つの連作短編。医療ソーシャルワーカーとして働いていた30代独身女性がバーンアウトし、職安の紹介で契約社員として赴くのは、どこもちょっと不思議な仕事ばかり。
多分、良い話なんです。でも私には合いませんでした。
何と言えばいいのだろう。
気に入った人から見れば「抑えが効いた表現で、上質のユーモアを醸し出す」という感じなのでしょう。しかし私には、ちょっと変わった仕事にまい進する主人公の感情の「振れ」とか「ざらつき」と言ったものを、押しつぶして擦りあげて妙にのっぺりとヌルヌルに仕上げたように感じるのです。多分津村さんの文体が私に合わないのでしょうね。
ちなみに2017年4月にNHKでドラマ化されたみたいです。 -
仕事を辞めてまた始めるまでの変わったお仕事小説.そのなかで着実に癒され人間的にも成長していく.私は2番目のバスのアナウンスの仕事が面白かった.不思議な先輩江里口さんが最後にも登場してなんだか嬉しかった.
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この世にたやすい仕事はない…もっともだ。
前職で燃え尽きた主人公が、一風変わったお仕事を転々とする話。確かに暇すぎるのは苦痛ですが、3番目のおかき会社の仕事なんかは、そんなことで辞めてしまったらどんな仕事もできないのでは…と思った。自分が主人公の立場だったら、どの仕事も長続きしないという焦りと自己嫌悪がすごいと思うんだけど、この主人公はどこか悠々としている。それは、いつでも前職と同じ業界に戻れるという思いがあったからなのかな。また働き出すためのリハビリと思えばそれでいいのかもしれない。働く元気が沸くような話を期待してたけど、そういう感じじゃなかったので★2。 -
文学
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題名は自己啓発っぽいですが、小説です。ドラマな展開が巻き起こされ、ドキドキします。普段の生活では遭遇できないようなことばかりです。そして、最後にはなんか自己啓発っぽくなりました。
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面白かった!お仕事ファンタジーなんてジャンル作っちゃうのがすごい。
個人的には「おせんべいの袋の裏の小ネタを考える仕事」やってみたい。これだけ聞いたらたいしたことない仕事かもしれないけど、主人公の仕事への姿勢をみてるとすごいやりがいのある仕事に思える。笑
わたしだったら「歴代ノーベル平和賞」「実はこれも心理学」シリーズ作るかな。
「路地を訪ねる仕事」はちょっとミステリー入ってて面白かった!謎の団体「寂しくない」との戦いは続いてるみたいだから続編読んでみたい。「寂しくないことがすべてじゃない」というところがさすが津村さんです。
仕事が好きな人って、どんな仕事をやっててものめりこんじゃうんだな。それは別に悪いことじゃないはずなんだけどそういう自分が嫌になるときもあって、色々逃避してみるけど最後はそれを受け入れるしかないんだなって一周回って落ち着く、みたいなところは共感できた。さすが津村さん。
唯一ミステリー読む気分のときに読んでしまったのが失敗だった、、、。 -
脱力感と生真面目さの絶妙なバランス、コピーのセンスに思わず吹き出してしまうこと多々あり。最近、著者の対談本を読んでいたので、主人公、そして第1話で主人公の監視対象となる作家がほぼ著者自身であることがわかるが、なんともいえず面白い。
特に、2話バスのアナウンスのしごとが秀逸。押し付けがましくないファンタジーが大好きである。 -
新卒から十四年勤めてきた仕事に燃え尽きた三十六歳の私が短期間で五つの仕事をする。モニター越しに作家を監視し、バスのアナウンスの文言を作り、おかきの袋裏の話題を考え、民家のポスターを貼り換え、大きな公園を歩いて地図を作る。どの仕事も物珍しかった。お客の乗っ取りや団体「さびしくない」の胡散臭さが印象的。