- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532191412
感想・レビュー・書評
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「論理的思考を身につける本」3
著者 鷲田小彌太
出版 日経ビジネス人文庫
p157より引用
“でも、独創的なことは、新奇なことに含まれているよりは、
ずーっと多く歴史の蓄積の中に埋もれているのです。”
哲学者である著者による、
タイトル通り論理力を身につける為の一冊。
論理についての説明からその実用と鍛え方まで、
理路整然とわかりやすく書かれています。
上記の引用は、
創造力を高める論理を書いた章のまとめの一文。
温故知新という言葉がぴったりくる、
そんな一文ではないでしょうか。
何かを身に付けるには、
まずその事をしている人の真似をする事。
しかしどんなに真似ても真似しきれない所、
また真似をした人より上手く出来る所、
そこに個性が表れるとは、
養老孟司先生の著作に書かれていたように思います。
まず過去の独創を真似出来るようになれば、
そのうち自分のオリジナルが出来上がるのでしょう。
私もいつか自分のオリジナルの何かが身に付くように、
毎日を過ごしたいと思います。
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予約本
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若いころ、推理小説を読んでは友達と感想を話し合った。ここがおもしろいとか、ここはずるいとか、たわいもない話だった。そんな調子で書いた学校の読書感想文への、先生の言葉がひとつだけ今も記憶に残っている。「面白かったし、悲しいところもあったのですね。先生も読みたいなぁ。先生はもっとよく知りたいから、今度感想文を書くときは、どんなところが面白いのか、どんなところが悲しいのかも書いてね」たなぞうに感想を書くときも、それが頭にある。面白かったから面白かったと書く。悲しかったから悲しかったと書く。でも、それだけでは確かに味気ない。のちに読み返すと自分の感想文ながら、なにが面白かったのかなにが悲しかったのか、とんと思い出せない。あらすじは、なおさら覚えていない。そんなときにこの本を目にした。「論理的思考」という言葉に、とてもきっちり整理された清潔さを感じた。とてもわかりやすく書かれているので、できそうなことから実践してみようか。好きなミステリの感想を書くときなどは意識してみたい。ミステリはとくに矛盾を感じることも多い。だから、そこに触れるには論拠を持って万人にわかるように書くことが大切だろう。ただ、ここがおかしいと、イチャモンまがいの批判はしたくない。最後に、著者は論理力を身につける方法としての「読書」も提案している。特に歴史小説を、大人の教養ということを含め、推薦している。「古典」は読むな。「良書」は買うな。と過激なことも言っている。マンガはもっとも先端的な表現方法と評価している。
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1月16日読了。タイトルから受ける印象のようなハウツー本ではなく、論理的であるとはどういうことか?何故論理的である必要があるのか?という大本の問いへ答えようとする本。筆者の語り口は最初鼻に付くがわかりやすく、いいことを言っていると思う。論理とは時代とともに変わるもの。また論理的であることが常によいことであるとは限らないし、論理的であっても独りよがりであっては意味がない。ただ終章のあとがきは蛇足な気がする。
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冒頭ではなんだか気に食わないなと思っていたけれど、読み進めていくうちに面白いと思えるようになり、参考になった。