油断!

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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本棚登録 : 74
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532193270

作品紹介・あらすじ

ある日、突然、石油が断たれた!そのほとんどを輸入に頼る日本がなすすべもなく麻痺し崩壊してゆく姿を、生々しく描き出した衝撃の予測小説を復刊。原油高、テロ、自然災害が相次ぐ今、30年ぶりに甦える警世の書。

感想・レビュー・書評

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  • フィクションとしての面白さ以上に、はたしてこれを絵空事としておけるのかという恐怖を感じる。
    50年近く前の情報と時代背景に基づいた小説であるため、エネルギー環境は劇的に変化している。
    石油への依存は依然として高いものの、その供給元は中東のみのかつてに比べると、アメリカを含めて多様化している。
    しかし、はたしてその多様化した石油供給に何か安全性を求める根拠があるのだろうか。
    エネルギーの一部を原子力に頼る政策もあったが、そのエネルギー体制は、震災とともに崩壊してしまった。
    地球環境の変化を考えると、化石燃料の利用の再検討が迫られている。
    この10年ほどの間に、私たちは、その経験から私たちの生活を支えるエネルギー供給の脆弱性を思い知らされた。
    あるいは、生活そのものの基盤すら、安泰ではないことも確認した。
    小説の中で起こる生活の混乱、人災をもとにする被害の拡大は、そこまで激しいものではないが、その端緒を実際に見たかもしれないのだ。
    この小説から得られるのは、いくつかの知識ではなく、私たちが向き合わなければならない現実とは何か?という事だろう。
    そして、私たちが現実に目を開いた時、見えてくるであろう現実の一端をここから予習できるのかもしれない。
    問題が大きすぎる。
    しかし、ここで心の準備をすることができる。

  • 子供の頃、読めない漢字を飛ばしながら読んで、それでも凄い面白くて一気に読んだのを未だに覚えている。何度読んでも、読み始めると一気読みしてしまう。

  • 海賊とよばれた男をきっかけに、映画から本へ、そして主人公だった出光さんの本を何冊か読み、石油産業のリスクに興味を持ってたどりついた1冊。もしこの国でいきなり石油供給がとだえたら、どんな混乱が起こるかを物語形式で描かれていてすごくわかりやすく危機的状況を想像でき、だからこその今受けている恩恵も感じることができた1冊でした。時代は変わっているのでそのまま適用はできないだろうけど、起こりうる事態はあまり変わらないのかもしれない。なんにせよ、他の人に、他の地域に、他の国に依存しているものが断たれると自分の生活もいきなり苦境に陥る可能性は常にあるよな、と再確認させられた一冊でした。

  • 人から勧められて読み始めました。なんか今の状況とダブる場面もあってびっくり。

  • 深い

    原油問題の話
    あんまわかんねーけど
    油断すると経済はあっという間に混乱すると

    国会議員の人ってミスできねーよな
    よく考えたらw

    俺は甘いわー

  • 世界初の予測小説

    堺屋太一さんが経産省時代にした経済予測をもとに書かれた小説。

    現在もであるが、日本の石油の中東依存率は世界でもトップクラスに高い。

    中東石油が200日間、供給不能になった場合、日本では300万人が死に、国富が7割減になるという。

    実際にイラク戦争では起きなかったが、中東は非常に緊張した状態にある中で、本当にこのようなことが起こったらどうなるのだろうと息を飲む。

    政治やエネルギー問題に興味がある方、必読です。

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著者プロフィール

堺屋太一

一九三五年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。通商産業省(現経済産業省)に入省し、日本万国博覧会を企画、開催したほか、沖縄海洋博覧会や「サンシャイン計画」を推進した。在職中の七五年、『油断!』で作家デビュー。七八年に退官し、執筆、講演、イベントプロデュースを行う。予測小説の分野を拓き、経済、文明評論、歴史小説など多くの作品を発表。「団塊の世代」という言葉を生んだ同名作をはじめ、『峠の群像』『知価革命』など多くの作品がベストセラーとなった。一九九八年から二〇〇〇年まで小渕恵三、森喜朗内閣で経済企画庁長官、二〇一三年から安倍晋三内閣の内閣官房参与を務めた。一九年、没。

「2022年 『組織の盛衰 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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