- Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532198503
作品紹介・あらすじ
古代ローマ時代から現在まで、2000年におよぶ歴史をもつキリスト教。
地中海世界の「新興宗教」が、いかにして世界的な宗教になったのか?
なぜ各派にわかれたのか? 世界史にどのような影響を与えたのか?
予備校の元世界史講師が「カノッサ事件」や「宗教戦争」など30のトピックでわかりやすく解説します。
【目次より抜粋】
第1章 キリスト教誕生前夜
第2章 イエスの死と復活
第3章 教えは異邦人へ
第4章 帝国の軍神
第5章 神なのか神の子なのか
第6章 立ち向かう教皇
第7章 帝国の分裂と教会の危機
第8章 教皇権と皇帝権
第9章 修道院と農業改革
第10章 カノッサ事件の勝者とは
第11章 十字軍と東西の交流
ほか
感想・レビュー・書評
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日経ビジネス人文庫の歴史シリーズで、今回はキリスト教の歴史から世界史全体を振り返る内容でした。
世界史を知るうえで、キリスト教の誕生、発展の歴史は避けることができません。本書はその歴史を幅広く知ることができます。内容は難しいものも多いのですが、実際の史実や事件などと関連させながら知ることができるため、とても参考になるものでした。
<目次>
第1章 キリスト教誕生前夜
第2章 イエスの死と復活
第3章 教えは異邦人へ
第4章 帝国の軍神
第5章 神なのか神の子なのか
第6章 立ち向かう教皇
第7章 帝国の分裂と教会の危機
第8章 教皇権と皇帝権
第9章 修道院と農業改革
第10章 カノッサ事件の勝者とは
第11章 十字軍と東西の交流
第12章 失われた過去の発見
第13章 3人の教皇
第14章 長靴を巡る戦争
第15章 パンとワインの否定から始まる
第16章 祈祷から宣教へ
第17章 新興国と新教徒
第18章 布教の新天地
第19章 宗教戦争
第20章 武器を売り福音を伝える
第21章 せめぎあう科学と宗教
第22章 自由の国を求めて
第23章 市民の戦い 英雄の戦い
第24章 教皇領が消えるとき
第25章 近代によみがえる叙任権闘争
第26章 世界大戦と教皇の苦悩
第27章 複雑化する中東
第28章 東の王が求めるものとは
第29章 東欧革命と空飛ぶ教皇
第30章 現代の教会詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「キリスト教の(教義の変遷を含む)歴史」的なものを期待して読んだが、世界史にキリスト教がどのような影響を与えたのか、どのような役割を果たしたのか、という観点の世界史だった。
タイトルが「キリスト教からよむ世界史」なのだから内容とタイトルは一致している。
これは私の早とちり。
でも読んでよかった。わかりやすい解説だった。
とはいえ自分は世界史をまともに学んだのは高校時代が最後で、それもナポレオンの辺り? を駆け足で学んだのが最終盤の記憶、受験では政治経済倫理で挑むというなかなかのチャレンジャーだったもので(いまその選択が可能なのかは知らないが、当時はできた。けど世界史や日本史で受けるのが標準的な受験生だったと思う)、話が飲みこめず置いてけぼりになることも。
章立ては概ね時系列に沿っているが、時々時間が前後すると頭に疑問符が踊りだす。
歴史の知識はあったほうが読みやすそう(そりゃそうだ)。 -
キリスト教の誕生以前から現代(2018年頃)までの歴史を、キリスト教世界を中心に据えて追っている。
イエス・キリスト以降はその弟子達から、皇帝、教皇、政治家、思想家などなど様々な登場人物が出てくる。そして、キリスト教の歴史は権力闘争と覇権、戦争の歴史でもある。
考え方や利害関係の相違から発生する争いは、なにもキリスト教に限ったものではないだろう。宗教が争いを呼ぶのではなく、人間自身が争いが絶えない生き物であり、「宗教」という共通する(あるいは相反する)価値観の人達の集まりがそれに被さっているだけなのか。
本書を表面的に読めば、キリスト教が戦乱を起こし続けたようにも解釈しかねなくなるので、注意しつつそんなことを考えながら読んだ。 -
貸してもらった本だが、とても楽しく読めた。人類史、世界史は広く深い海のようだが、まずは動くこと。