- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532199944
作品紹介・あらすじ
スタンフォードやハーバードで「今までの延長線上にはない新しい商品やサービスを創る問題解決の方法」として注目が集まっている「デザイン思考」。イリノイ工科大学デザインスクールに留学した第一人者による、デザイナーではないビジネスパーソンが、デザイン思考を実践するノウハウが詰まった一冊。
感想・レビュー・書評
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「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」の文庫版。
ソフトカバーも読みましたが、ちょっと仕事で使いそうだったので、改めてナナメ読み。
※21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4844374214#comment
ソフトカバーが別のところにあったので、ちゃんと読み比べているわけではありませんが、
結構新しい情報が入っている感じがしました。
分量は少ないですが最後に山口周さんとの対談なども新しく加えられており、
ソフトカバーを読んだ人も改めて読んでみると復習になる気がします。
当時は、デザインスクールへの留学を検討するかどうか迷っていて、
その参考のために読んだんだっけな…詳しくは覚えていませんが、
デザイン思考の流れが分かりやすく書いてあった印象を持っていましたが、
改めて読んでみて、有名なIDEO(かd.schoolか忘れたけど)のデザイン思考のフロートはちょっと異なりますが、
それでも本質は同じで分かりやすく書かれています。
分かりやすさと内容の深さと網羅性のバランスがちょうどよい感じ。
コロナ含めた変化の激しい時代に順応するため
新しいチャレンジをどんどんしていこうとしている組織と
現状維持(生き残ること)で精いっぱいな組織の二極化しているような気がしますが、
前者に該当する組織や個人の人は読んでみる価値のある本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内容について、新しい概念として、複雑で全体の理解をするのが難しかった。
デザイン 思考とは、図表、写真などをもっとビジネスに活用しましょうというのが主旨とうけとめました。
云いたいことがたくさんあるのかなとは思いましたが、あまり理解できていない読者には、明確な一つの軸で説明をいただきたかったです。
ちなみに、目次は以下になっています。
はじめに
思考法
マインドセット
プロセス
ツールと環境
キャリア
経営戦略
幸福
おわりに
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デザイン思考というのがどういうことなのか全くわからない状態で本書を手に取ってみて3週間くらいかけてとりあえず一周ゆっくり読み終えました。
最初はなかなか頭に入ってこなくてすぐ眠くなっちゃったりした反面、何かに行き詰まりを感じるときに読書を再開して興奮して読み進んだりしました。
多分、左脳がびっくりしてスリープしちゃったり右脳で理解したイメージが左脳と繋がって興奮したりみたいなことを繰り返してたと思うのですが、読み終えてデザイン思考というものの全体像をとりあえず受け入れられたという感じです。
実際にデザイン思考を使いこなして活動できるようになりたいですが、今はまだ脳が追いついて来ずシューシューなってる感じがするのでじっくりとインストールされるのを待って見ようと思います。かなり脳がアップデートされたような感覚があり調整中って感じがします。
本書に紹介されていた本や動画、他のデザイナーの人が書いた本など併読して学んだりしてて、ワークをやってみたり、絵を描いてみたり、必要なツール(ポストイットなど)を活用して実際に思考してみたりして、ちょっとづつ理解を深め実装していきたいです。
どうだろう。1年くらいは脳に負荷がかかるんじゃないかなという気がしますが、その先はもっと自由に思考できるようになることを願い、ちょこちょこ休みつつ、粘り強くインストールしていくつもりです。 -
デザイン、というと美大とかの芸術的な方を想像してしまいがちだが、ビジネスににおけるクリエイティブさの話、と思います。
デザイン、エンジニアリング、ビジネスの3つの役割をそれぞれがこなし、新しいものを生み出したり、既存のものをブラッシュアップしていく。
アイディアを出すのにリサーチが大切だが、写真や画像など、視覚的なものを使うとまとまりやすい。
などなど…
イリノイ工業大学でのデザインコースの体験をもとに、筆者が行なっているビジネスにおけるデザインを語っている。
全く触れてこなかった分野なので、理解するためには関連する分野をもっと読まないと、知識不足でした。
カタカナの用語が多くて、読んでいてもあまり頭に入ってこなかったです… -
世の中のあらゆるところから自分の五感を通して得た着想を、くっつけたり離したり、こねたり伸ばしたり。思考をもビジュアル化してまた五感を活かす。
「デザイン思考」ー。
結構得意かも?と思ったし、ワクワクする。
よし。
スケッチブックとポストイット買ってこよう。
知的生産性=インプット×ジャンプ×アウトプット/時間
・インプット
ビジュアルのイメージや動画を集めることや現場を訪問するなど、五感を刺激する。
自分の世界と違う幅の世界に触れる
→人間、分野、地理、時間、価値を横断する
メモをビジュアル化してみる
→ビジュアルシンキングで「ざっくり」把握する
・ジャンプ
レッツ掛け算
アナロジー思考
→全く違うものに共通点を見つける
あえて常識を壊す軸を考える
(例)教育には優秀な先生が必要→先生がいなくても成立する教育サービスは?
・アウトプット
引き算によるシンプル化、凝縮
メタファー
→小学生にも分かるように説明するとしたら、何に例えるか
ストーリーテリング
→消費者(ユーザー)が、サービスによる便益を得るために、日々感じている課題に取り組むことで、日々がちょっと幸せになる
※
情報の処理は、ざっくりでいい。no more 厳密。
混沌とした不明瞭な状態でもよしとする。
アイデアを絵に描いてみる。
絵に描いて、あーでもないこーでもないと思考してみる。
良いところを探して、良いところを伸ばす方法を考える。改善すべき点を挙げ続けるのではなく、不完全状態を受け入れる。
No more 完璧主義。
デザイン思考プロセス
1.旅人
非日常の場を訪れ、知的好奇心のままに五感を使って「感じる」&メモや写真に残す。
2.ジャーナリスト
旅をメモや写真で振り返り、分析する。
3.編集者
旅で得た事実や新たな切り口を刺激にしながら、意見やアイデアを生み出す。
4.エンジニア
実在させたいアイデアを、手を動かしてカタチにしてみる。
※
自分がチャレンジしたい課題に捉え直せるか。
ジャーナリストとして分析したことだけだと、現場の焼き直しになりがち。大事なのは、そこから自分の未来ビジョンや想いを育み広げていくこと。
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興味深いが、自分が実践するのはなかなか難しい内容と感じた。
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▫️ホワイトカラーを取り巻く世界的な潮流
1.先進国型グローバル企業のビジネスに求められるイノベーション
2.1億総クリエーターとなれるインフラの整備
3.機械と人間の仕事の奪い合い
4.自分らしい幸せを求める「足るを知る時代」へ
ビジネスの世界でリサーチというと、ウェブサーフィンや記事検索、書籍等で、市場規模が大きくなっているのかどうか、競合の戦略はどうか、ユーザーのニーズの変化などデータ分析をするのが定石です。
デザイナーも同じようにリサーチをするのですが、それ以上に大事にされている習慣は、ビジュアルのイメージや動画を集めることや現場を訪問するなど、五感を刺激するインプットをすることです。
▫️軸の例
・人間横断:自分とはまったく違う環境の人の生活や人生に触れる(共感)
・分野横断:共通項を持ちながらまったく違った分野での例に触れる
・地理横断:世界のまったく違った場所で起こっていることに触れる
・時間横断:歴史的な観点から時代を経て起こっている違いと共通点を知る
・価値横断:上質なモノや体験に触れる
▫️デザイン思考を成り立たせる前提
・全ての情報を厳密に処理しようとしない
・不明確な状態を恐れない
・違いを生み出せる人はデザイン思考を無意識にやっている
プロトタイピングメソッドの授業では、教授のマーティンが、常にニコニコしながらどんなにヘタな作品でも「ここが素晴らしい!」と言ってくれるキャラクターだったことも大きかったですが、どんなリーダーでも率先して作品の良い部分を見つけ、その上で改善する方向を示していけば、作り手がさらに具体的に良いものを作りたいと思うサイクルが回るようになります。
デザインファームIDEOの共同創業者の1人ビル・モーグリッジも、そのような人だったそうです。すでに亡き彼ですが、亡くなる間際に入院した病院の病室が殺風景だったのを、「この景色のあの部分が美しい」といって、どんな場面でも良いところを見出す姿勢を最後まで失わなかったという逸話があります。これは、クリエイティブを引き出すリーダーのあり方として重要なことだと思います。
▫️日本企業の典型的な特徴
・現場主義、現物主義 現場を知っている人が大事という考え
・人の繋がりを大事にした上で仕事をする。いろいろな人を繋げて、ボトムアップで仕事を前に進める
・単独の目標にフォーカスするのではなく、人や環境に合わせていろいろな目的を同時に達成しようとする
▫️外資系メーカーの文化
・マーケットの全体観を知り、データで語れる人が偉いという考え
・組織図を理解した上で、最もパワーがある人を落として仕事を前に進める
・何かのアクションをするときには1つの目標に絞って徹底的にフォーカスすべし
▫️より良い生活を実現するための課題を解決し作る
IDに通う学生のデザイナーの中には、一流のデザインファーム出身の優秀なデザイナーが何人かいました。彼らに共通するポイントは、自分のアイデアをプレゼンするときに、必ずといっていいほど「私が解決したい課題は・・・...(the problem I would like to solve is)」という言葉から話し始めるということです。
並のデザイナーは、制作そのものを仕事にしているので「今回僕が作ったのは……(What I worked this time is)」と言いたくなるものですが、優秀なデザイナーは必ず、「課題解決」をデザイナーの仕事として捉えているのです。
デザインは、それだけで世界を良いものに変えることができるような大きな変化をいきなり生み出すことは難しくても、日常の課題を確実に解決することで、世界をちょっと良いものにし続ける。ことなら可能です。
ですから、デザイナーにとっての課題解決とは、ユニークな視点で課題を発見し、具体的に解決策を作りだすことです。つまり言い換えれば、デザイン思考のスキルはあくまで世の中の課題を解決するために使われ、そのために自分が小さな課題を確実に解決していくためのものです。
また、デザイナーは「人類にとってより良い生活は何か?」という視点を常に持って、課題解決にあたることも特徴です。ウェアラブルセンサーや人工知能など、新たなテクノロジーを、ビジネス的な視点でのみ捉えるのではなく、日々の生活を良くするためにどのように使うか、という視点で考えます。
たとえば、テクノロジーをよく知る人であれば、ウェアラブル技術はテクノロジーを「コンピューターが人の体に溶け込むまで日々携帯できるようになる技術である」と認識されていると思いますが、デザイナーの視点では「情報爆発の中で困っている人々の、情報処理のストレスを減らしてあげるためにどのように使うか?」という課題に捉え直して考えます。
デザイン思考はもともと「人間中心デザイン」とも呼ばれていましたが、人間中心という概念に込められた魂とはより人間らしい生活を構想し、それを実現するためにデザインの力を使う」ということです。
特に、テクノロジーやビジネスサイドの市場変化のロジックだけではなく、人々のより良い生き方の姿を提示することで、より一般的に受け入れられやすい解決策に翻訳するのも、デザイン思考の背景にある創造的問題解決をする上の心構えとして大事です。
▫️2つのモード
・具体と抽象の振れ幅
・現在と未来の振れ幅
▫️デザイン思考プロセスに存在する4つのモード
・旅人(リサーチ)
まず、旅人のように非日常の場を訪れ、体全体を使って現場を感じ、好奇心を持ちながら普段自分が知らない世界に徹底的に浸ります。その非日常で感じた興奮を残しておくために、必死でメモを取ったり、写真におさめたりします。旅人といっても、事前にあまり予定を決めすぎず、現地で知らない場所を歩き回ったり、そこで出会った人との語りをブログにアップする旅人のイメージです。
・ジャーナリスト(分析)
旅から帰ってきたら取材後のジャーナリストのようにその旅の内容をメモや写真から振り返り、正しく伝えられる事実と自分なりに感じた解釈を左脳を使って分析し、腹に落として消化します。
・編集者(統合)
自分が旅で得た様々な事実や新たな切り口を刺激にしながら、ユーザーが生活の中で困っていることや価値観を、雑誌編集者のように切れ味鋭いキャッチコピーと、印象的な写真を使って1枚の絵で表現します。『AERA』などの雑誌をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
・エンジニア(プロトタイピング)
最後は、イメージした世界観の中で実在したらいいなと思える商品やサービスなどのアイデアを、クラフトマンのように手を動かしてカタチにして実現するというものです。
工作好きな理系の人のイメージですが、DIY好きなお父さんや、創意工夫のある主婦のようなイメージでもあります。
▫️統合プロセス
1 学んだ様々なデータやアイデアを一度バラバラにして、結びつけなおし、
2 ユーザーのものの見方のモデル化を行い、ストーリーとして語り、
3 新たな世界観における課題の定義を行う
▫️マーケティングとデザイン思考の違い
・共通点
1.ユーザーの理解から課題を抽出する
2.ユーザーインサイトに従い意思決定をする
・違い
マーケティング/デザイン思考
1.リサーチ
「市場の代表的なユーザーを「理解し、量的に満たされていないニーズを特定/
先進的なユーザーの生活に共感し、まだ言葉になっていないニーズを発見
2.分析
定量調査から得られたデータをもとに、共通していえる事実を抽出し、戦略を合意/
印象的な生の声を使ってストーリーを集め、できるだけ生の温度感のままチームやクライアントに伝え一緒に意味合いを考える
3.統合・課題の再定義
リサーチで学んだインサイト「を箇条書きにしてまとめ、「戦略の変更がある場合は明記する/
リサーチで学んだインサイトの関係性をマップ化し、1枚のビジュアルで表現する。チームとして解決したい課題の宣言文を作る
4.プロトタイピング
「商品戦略とコンセプトをまず固め、正式なプロジェクトチームを組んで製品開発「へ移行し、制作会社と本制作に入る/
早い段階で簡単なプロトタイブを作成し、顧客に提示し検証することで、どのアイデアを次のプロトタイプに進めるかを判断する
また、統合/課題の再定義とプロトタイピングの段階は、デザイン思考特行のお論といえるかもしれません。デザイン思考のプロジェクトでは、価値の8割はこの2つのステップで生まれる実感を持ちました。P&Gの時は、ユーザーリサーチを終えたら、その終了時点でサマリーができていて、次のアクションを合意することが「良いリサーチ」でしたが、デザイン思考の視点でいうと、それは多くのインスピレーションのタネを捨てていることになるのです。
それだけ、新たな価値を生む上で重要なプロセスなのですが、過去の自分の仕事を振り返ったときに、このようなことをほとんどやっていなかったことに気づいて愕然とした記憶があります。「普段の仕事では、意図的にこのようなステップに時間を使わないと、新たな切り口を生み出すことはできないのだ」と痛感しました。
このように、それぞれのプロセスにおいてもやり方が異なるのですが、それ以上に違うのが、このプロセスの進め方です。従来型の企画・MBA的なマーケティングが、ベルトコンベア式に「ステップバイステップ」で進められていくのに対し、デザイン思考はそれぞれの一つのモードを都度切り替えて、短いサイクルで進めていくのが特徴です。
▫️デザイン、エンジニアリング、ビジネスを担う人材
・デザイン:人間の生活にとって理想的な姿を描く力(What to Do)
・エンジニアリング:理想的な姿への解決策を実現させる力(How to Make)
・ビジネス:解決策のインパクトを持続可能に最大化する仕組みを作り、人を動かしていく力(How to maximize)
▫️デザイン、エンジニアリング、ビジネスの交差点で生まれる新たな職業の出現
○デザインストラテジスト(リサーチ×デザイナー)
デザインだけではなく、デザインリサーチとユーザー目線の商品やサービス戦略を作れるデザイナーへのキャリアチェンジ
→リサーチャー、デザイナーから移行しやすい
○UI/UXデザイナー(デザイナー×Webもしくはハードウェアエンジニア)
特にウェブやタブレットなど、ハードとソフトが融合したインターラクティブな領域において、コンセプト作りと実装までをできるようなエンジニアの要素も持ったデザイナーへのキャリアチェンジ
→ウェブエンジニア、UIデザイナーから移行しやすい
○ビジネスデザイナー(マーケター×デザイナー)
戦略作りやビジネスモデル作りに強みを持つ企画、戦略コンサルなどのビジネスの人が、人間中心のデザインを学んで、実現力を高めるキャリアチェンジ
→マーケター、戦略コンサルタントから移行しやすい
○UXプランナー(企画×Webエンジニア)
ユーザー理解と、ビジネスモデル作りに強みを持つ企画や、マーケターが、最低限のエンジニアリングの知識を持った上でUX企画をしたり、逆に実現可能性の知識を豊富に持つエンジニアが、ユーザー理解やビジネスモデル作りを学ぶキャリアチェンジ
→商品サービス企画、マーケター、エンジニアから移行しやすい
○デザインエンジニア
エンジニアが自らデザインしてものを作ることはウェブではもはや常識ですし、ハードウェアの世界においてもこのようなことが当たり前になりつつあります。
→エンジニア、デザイナーから移行しやすい
▫️デザイン思考を組織改革に活用する3つの方法
これらの全社でデザイン思考を組織変革として活用する企業は、いくつかの特徴があります。
1つ目は、いずれも「プラットフォームの価値の最大化」のために、全社レベルで顧客体験改善のためにユーザー共創によるデザイン思考を導入し、自社のプラットフォームの価値を高めるために、顧客をはじめ良いパートナーを巻き込んでいく手段として使っています。つまり、プラットフォームに新しい価値をのせていきたい企業が次々と分野を超えた共創環境に取り組んでいると言えます。
2つ目のポイントは、社内のサイロ(組織の壁)を越えたり、社外との共創を促進するファシリテーター的な役割を果たす存在としてデザイナーを再定義している点です。そして、イノベーション戦略を実行する戦略部隊とみなして大規模にデザイナーを採用、育成する動きが見られることです。デザイナーを大規模採用したIBMでは、共創を促進できるデザインシンカーと形に落とし込めるデザイナーの双方を合わせてデザイナーと呼んでいます。
こうした動きは、社内外を統合できる共創ファシリテーターとしてのデザイナーをどれだけ揃えられるかが、プラットフォーム企業にとって競争優位性となってきていることを意味しているのではないでしょうか。
3つ目のポイントは「共創による文化をいかに組織に落とし込むか」という点への 独自の取り組みです。デザイン思考による顧客起点のプロセスやプロトタイプ作りと いう原則を共通言語として活用しつつ、自社の事業や組織に合わせて自社流のプロセスやツールをカスタマイズして作っています。
▫️全社にデザイン思考を活用するための5つの戦略
デザイン思考を組織文化の変革に使うためには、5つの取り組みを融合させる必要があります。
①自社の事業領域や事業プロセスに合ったデザインプロセスの整備とデザイン人材(デザイナー/デザインシンカー)の組織作り
②変革媒介者(カタリスト)としてのファシリテーター人材の採用・育成
③変革文化を伝播するための研修プログラム
④全社共通のデジタルツールや可視化・プロトタイピングの支援チーム
⑤顧客とプロトタイプの価値を体現した上で、具体化する展示場・実験スペースのデザイン
▫️創造力と脳科学
ここで書いたことは、私の個人的な体験でしかありません。しかし、今後脳科学が発達すれば、幸せを感じるメカニズムと右脳の関係についても解明されていくのではないかと思っています。
これについて、天才の没頭している創造状態を研究してきたフロー理論で有名なミハイ・チクセントミハイ教授と対談をする機会に恵まれました(この模様はWEBマガジンのBIZ/ZINEでレポートしています)。
ミハイ・チクセントミハイ博士によると、「人生の幸福という感情は、余暇によって起こるのではなく、自分の能力を超えた問題にチャレンジにしているタイミングで起こる積極的なもの」と言います。そして、そのような心理状態、仕事やタスクに集中して、時間も身体感覚もなくなる、たとえるならばマラソンランナーがランナーズハイになるような状態、つまり「没頭」「熱中」している状態をフロー状態』と呼んでいます。
フローを体験している人は、「活動的な」「創造的な」「内容の濃い」「刺激的な」といった形容詞で表される状態を感じています。
では、そのような状態をどうやって作ったらよいかというと、1つの達成困難な目標があり、自分の持っているスキルや課題の難易度のバランスがよいチャレンジであることです。一見不可能な目標を設定した場合、今までの延長上ではできず、不確実で不安になりますが、それはむしろ創造力を押すスイッチになりえます。フローは実際には余暇よりも仕事でより多く起こります。
そして、もう1つ重要なのは、自分でやりたいと思うチャレンジを設定することです。心理学用語でいうと「内発的動機」から始めるということです。
他人に客観的に評価されるものではなく、自分がやりたいこと・楽しそうだと思うものをやることで、困難な目標に取り組む動業に生まれ、自分のスキルにあった難易度のチャレンジにうまくできれば、そのプロセスの中で没頭して、結果的に幸福感を感じられるのです。
日本では「リーダーの率先垂範」とよく言われますが、実は率先しかしていないリーダーは業績上のパフォーマンスが最悪なんです。率先ばかりやっているリーダーは、業績との相関もそうだし、エンゲージメントもすごく低くなるし、あと、離職率 も高くなってしまうんです。どこに向かっているのか、何をしたいのか示さずに、率先だけやって回そうとするリーダーは、日本にすごく多いんです。統計的にいうと、3割から4割はそうなんです。欧米では、こういったリーダーは組織に悪影響をもたらすから、いないほうがマシと言われています。 -
【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/478096 -
20221029読了
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デザイン思考の基本的な内容が知れる好著でした。
・イノベーションを担う三つの輪デザイン(構想)、商売(ビジネス)、実現(エンジニアリング)
・ビジュアルを集め、ビジュアルで考える
・ワクワクするような質問をする「どうやったら…できるだろう」
・統合プロセスの重要性
・自分がチャレンジしたい課題に捉え直せるか
・絵を描く。プロトタイプをつくる、
・問題の希少性。
・事業者が人工的に問題をつくるのがマーケティング、あくまで顧客が抱えている問題からその問題が解消された世界を描くのがデザイン思考
・「早い段階で絵を示して、そこに向かってとにかく前に動かしていく」リーダーシップが組織にポジティブな影響を与える。