伸びない市場で稼ぐ!: 成熟市場の2ケタ成長戦略
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2004年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532311353
作品紹介・あらすじ
「製品イノベーション」だけではゼロ成長市場を打ち破れない。顧客自身も気づかないニーズを予見し、ビジネスの領域を広げ、自分と顧客の利益に結びつける-このディマンド・イノベーションこそが、常識を超えた成長を実現するカギだ。いまある市場を根本から見直せ。
感想・レビュー・書評
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「流通大変動」p.110~
カーディナルヘルス詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
印象深いフレーズ
“成長を目指す道を進むなら、中間管理職に課せられた役割は企業というエンジンの点火プラグとなることだ。そして、点火プラグである以上、摩擦なしで火花を発生させることはできないのだ。”(11章末尾) -
使えそうな考え方
1)会社の実際の成長状況を評価する診断書
2)ポテンシャルの高い成長機会を選り分け、特定するためのワークシート
3)社内の「隠れた資産」を特定し、分類するためのワークシート
4)それぞれの会社の現状にあったバランスの良い成長対策を練り上げる手順
5)成長のための努力を打ち砕く、「隠れた負債」を特定するためのテンプレート -
ゼロ成長が当たり前となった市場において、いかに新たな需要を見出し(生み出し)成長戦略を描くか、事例をもとに解説する。
自社の主力製品・サービスを軸に、自社の既存顧客が抱えるより広範な経済的課題に目を向け、周辺需要を取り込み、一体化して提供しましょう、というのが主な主張のよう。
それによりワンストップでの問題解決ができ、ロイヤルティ(スイッチングコスト)が高まり、企業収益にも貢献するということ。
あくまで事例からの機能的な手法に限られているので、果たしてこれが普遍的な成長原理なのかどうかは腹落ちしないが、優れたビジネスモデル集と捉えれば非常に示唆に富んだ本だと思うし、本書の考え方に則って自社ビジネスモデルを捉えなおすのは有益だと思う。
ただこれらの戦略を有効に機能させるには、企業が既に持つ「隠れた資産」の存在が必要であるらしい。
広範な顧客ネットワークやブランド力、社内向けにしか提供していないが価値の高いシステム・・・等。
また顧客の広範な経済課題に応えたパッケージサービスを提供する手法としては、結局のところM&Aが主要な手法になるようだ(時間的要請からもそれが合理的なのは間違いないと思うが)
確固たる「隠れた資産」の存在と、迅速なM&Aを許す財務力、この二つが前提となっている。大企業向けの本であるという観が強く、★一つマイナスとする。 -
自身の持つ資産に気づくかどうか、これが問題のようだ。近くにあるモノほど見えにくい。
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色んな事例(実際の話)を用いて、非常にわかりやすかった。アメリカのプログレッシブインシュアランス社の話は同じ業界として勉強になったなー(日本に応用できるかどうかは別にして)
枠にはめられた考え方ではなく、ちょいと見方を変えてみるという工夫が必要なんだろうなー -
成熟市場においていかに顧客のニーズを掘り起こすか(この本ではデマンドイノベーションという表現をしている)事例とともにいくつかの戦略、戦術を示している。
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ディマンド・イノベーションという概念を提唱している。
企業が成長するためには、顧客の満たされていないニーズを発見し
自社の強みを活かして、それを提供することが大事、というもの。 -
出版社/著者からの内容紹介
成熟し、競争がますます激化する市場で、どのように高成長を実現するのか──日本企業がいま、もっとも知りたい問いへの答がここにある! 「2ケタ成長企業」の具体例を用いて、ビジネスモデル革新の手法を提言。
目次
第1部 二ケタ成長への新しい道(成長の危機
危機に打ち勝つ―カーディナル・ヘルスの場合 ほか)
第2部 ディマンドの革新者たち(巨大企業症候群は重すぎる―GMオンスターの場合
他社に先駆けて顧客の声を―クラーク・アメリカンの場合 ほか)
第3部 成長を実現する方法(隠れた負債―負の一面
中間管理職の役割―成長の触媒 ほか)
第4部 成長のフロンティア―B2C企業の機会(顧客の経済性を読み解く―プログレッシブ・インシュランス、ドゥウォルフのホームオーナー・サービス、モービルのスピードバス
顧客の感情に訴える―ヴァージン、コダック、インテュイット ほか)
第5部 成長へのスタート(月曜の朝から始めよう
成長のための行動計画の作成)