アメーバ経営: ひとりひとりの社員が主役
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2006年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532312954
感想・レビュー・書評
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ひとりひとりの社員が主役
マネジメントや組織づくりに悩んでいるマネージャー、ベンチャーやNPOのリーダーを目指す人、人事や経理の担当者必読!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメーバ経営の考案者である京セラ創業者の稲盛氏が、
アメーバ経営について書いた本。
自身で考え抜いて最適な管理手法を生み出しだけあり、
非常に納得できる内容が多数書かれている。
アメーバ経営とはビジネスとして成り立つ一つの単位を
アメーバとし、一つ一つが採算管理を行う手法である。
その結果、精度の高い収益管理ができるだけでなく、
リーダーや経営者となる人材の育成、帰属意識の向上、
意思決定の迅速化などさまざまな効果が期待できる。
ただし、京セラがこの手法を用いた経営が成功させて
いる背景には創業者稲盛氏の哲学、リーダシップ
があるということを忘れてはならない。
また、アメーバ経営の実装方法についての記載は
乏しく、アメーバ経営の根本にある考え方を学ぶ
ための本ともいえる。
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アメーバ経営とは!?
部門別採算性、部門別企業をとること。
事業部採算とはことなる。社内のアセットセクター、プロフィットセクター関係なく、「売り上げは最大に、経費は最小に」という経営方針の下
必要な部門があれば、組織を形成し、それをアメーバと呼ぶわけである。アメーバ固体でそれぞれ数値目標や理念を持ち、リーダーが経営者として
運営することで、経営者の育成にもつながっていく。
一つ一つの細かい仕組みの積み重ねであり、一夜でできるような経営ではなく、地道な努力の賜物である。
京セラの理念
「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」
http://www.kyocera.co.jp/company/philosophy/index.html -
京セラ、そしてKDDIを創った稲盛さん。 そんな稲盛さんの経営のキモがこの「アメーバ経営」。 書いてる内容としてはいたってシンプルではあるものの、こういったことを真理としてシンプルに言い表せることが稲盛さんのすごさを表している気がします。 もちろんシンプルとは言っても、実践することはかなり難しそうです。社会的善悪の区別や、人に対する誠意を絶対に見失わない稲盛さんの人柄の素晴らしさを垣間見ることができる1冊です。
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京セラ 稲盛
集団を率いていくには、結局、人の心を頼りにする以上に確かなものはない。
アメーバ=小集団組織
会社の目的は夢の実現以上。実際は社員の一生、生活、幸せを守ること
アメーバ経営3つの柱 人間尊重の経営
1-市場に直結した部門別採算制度の確立
2-経営者意識を持つ人材の育成
3-全員参加経営の実現
アメーバ経営
会社の部署感で社内取引するイメージ
それぞれのユニットが売上最大に、経費最小を意識するようになる
経営者はどこの部門に問題があるのかすぐに分かるようになる(1つ目)
従業員としてしてもらう立場から、リーダーとしてしてあげる立場に。
時間割採算なら知識なくてもすぐに実行可能
経営者意識を持たせる(2つ目)
家業を継いだり、金銭目的を理由とする会社の大家族主義化の難しさ
経営の目的、理念が必須(3つ目)
京セラの理念は
全従業員の物心両面の幸福を追求し、人類社会の発展に貢献すること
→自分が先陣を切っていくことで、仲間意識が生まれる
アメーバ経営を行うための組織の3分化条件
1、明確な収入が存在し、その収入を得るために要した費用を算出できること
2、ビジネスとして完結する単位となること
アメーバリーダーが経営者としてやりがいを感じられる単位であること
3、会社の目的、サービス、方針を遂行できる単位であること
アメーバ間の売買取引の価格設定は、最終消費者向け価格から逆算して設定しなければならない
(アメーバ間で利益を取り合うから)
→経営者が、各部署えお理解した上でフェアな値決めを行う
全てのリーダーは、自己研鑽に努め、心を高め、心を磨き、人格を磨く必要がある
プリミティブな価値観を大切に
公平、公正、正義、勇気、誠実、忍耐、努力、博愛
実力主義 年齢差ある人に対する説明
先輩社員はただ怒るだけでなく、冷静になって、俺があいつの代わりに役員になることが会社にとって本当にプラスになるのかを考えてほしい。そうすれば俺がなるより、あいつが今役員になった方が会社にとって大きく貢献してくれると思える節があるのではないか。若い能力のある人材に会社を引っ張ってもらうことは社員の幸せにとってプラスだ。だぁら若手の抜擢を妬んだり、恨んだりするのではなく、心から喜ぼうではないか。
今度は俺だ、と年功序列で自己を立てるのではなく、本当に実力のある人物に会社を率いてもらおうと思えるほどの度量を持ってほしい。
実は今度こう言う人物を入社させようと思っている。創業以来のみんなよりも上の役職で。もしみなさんが、何処の馬の骨ともしれない人が上に来てもらっては困る。と言うのであれば採用はやめるが、「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」と言う言葉のように、会社は経営陣の器より大きくはならない。経営理念に心を誓ったのであれば、中途採用の幹部が来ても構わない、と思うのであれば採用しようと思う。
成果主義、短期であまり評価していない=欧米式は熱も冷めやすく、儲かっていない部署には辛い
=みんなのために一生懸命働き、長期にわたり実績を上げた人に対して、その実力を正当に評価し、昇給賞与や昇格を処遇
他社に合わせて部署を設けるのではなく、
必要な部署を洗い出して設ける
例えば、業務負荷が少ない人事経理全てをやる「管理部」とすることで、スリム化
各部門の役割を明確化 京セラの例
製造:顧客を満足させるものづくりを通して付加価値を創出
営業:販売活動を通じて付加価値を創出し、満足度を高める
研究開発:市場ニーズに基づいた製品技術を開発
管理:各アメーバの事業活動を支援し、会社の円滑な運営を推進
事業所において
営業と別の営業を兼業させる
メリット:コスト削減。
デメリット:営業取れない言い訳できてしまう。もしくは、楽な受注をしてしまう
営業と別の営業を別々にするメリット:
言い訳させない。こちらが推奨。
自分が売っているモノに原価を知っているか知らないかは、雲泥の差 アメーバリーダーが
アメーバ同士が競い合うのではなく、菅廉部署との調和を図りながら自発的に力を伸ばしていくことが会社にとって理想的であり、短期の実績のみを考慮した報酬制度は危険
時間当たりで算出することで、各アメーバは1時間にいくら稼いでいるのかを認識できる
労務費を付加価値から除く理由
労務費が各アメーバ責任者で管理できないから。
会社の採用方針、人事総務に関連する方針、
目標は個数や数量ではなく、金額で。
金額はみんなが使っている単位。
京セラの原則
1対1の原則:モノと金はセット。伝票と納品物など
ダブルチェックの原則:
人が数字を改竄することを防ぐ 魔が刺すのを防ぐ
人間の持つ弱さから従業員を守る
完璧主義の原則:
経営目標にしろ販売目標にしろ、完璧を目指すことでミスを減らし目標に到達できる
筋肉質経営の原則:
無駄なコスト(贅肉)を減らす
採算向上の原則:
内部留保を増やし自己資本比率を上げ財務体質強化
キャッシュベース経営の原則:
その月の事業活動によるお金の動きをそのまま採算表に反映させる
値段は客が決める
売値-原価=利益 の考え
営業部門の収入は手数料で計算
受益者負担の原則 -
稲盛和夫の名著。
アメーバ経営の経営管理手法は製造業などには特に馴染むと感じる。内容は難しいが修得すればビジネスマンとしての強みになる。
・売上は最大に、経費を最小にすれば、その差である付加価値も最大になる。経営の原理原則。
・経営者意識を持つ人材の育成。全員参加経営。 -
システム一新すると言った商談でこのワードが出てきたので勉強のため読んでみました。
この経営をするためには社員の理解と経営の人間性/人格に大きく左右されるのかなと思った。どんぶり勘定で経営しているところには見直すという意味で取り入れるのも有効的とも思った。 -
協同による経営,そのための考え方と技法
参加する者が共有できる価値観,個やチームの発展が全体の発展につながり,全体の発展が個やチームの発展につながる。
経費を最低に,売り上げを最大に
独立採算が可能な最小単位⇒コミットしやすい
大家族主義
京セラの経営理念
「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に,人類,社会の進歩発展に貢献すること」
適切な目標を自分で管理する⇒マネジメント -
JALをも再生させた名経営者稲森和夫の経営哲学。凄いなと思うが、会社の中にいる人にとってかなり厳しいだろうなと想像できる。まあその位やらないとダメということ。事業ユニット(アメーバ)に分けて収支を常に意識するというのはとても重要。企業だけでなくNPOにも適応できる。
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すばらしいシステムだが、社員の良識が全ての土台になっているように感じる。みな顔見知りで、お互いのために全身全霊働こうという一体感。
社員が数百人を超えてくると上手く回らないのではないか、つまり一部の利己的な社員に引っぱられて全体がどんどん悪い状態になっていくのではないかというのが疑問。何かそれを防止するシステムがあって、それこそが京セラの門外不出の秘密なのか、それとも本当に”フィロソフィー”という掛け声だけでこのシステムが上手く回っているのか。
いずれにせよこの本だけでは正直よくわからなかった。