- Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532317157
作品紹介・あらすじ
立身出世して、人の上に立ち、「権力」を手にするためには、何を、どうすればいいのか?コネの作り方、人脈の開拓法、権力者らしい話し方、周囲の評判を上げる方法、不遇の時代のやり過ごし方…「権力」を握る人の諸法則と、頂点に上り詰める人の「7つの資質」を、スタンフォード大学ビジネススクールの著名教授が長年の調査研究をもとに明らかにする。
感想・レビュー・書評
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タイトル通りの本。非常におもしろい。
はじめに、の中で、「あなたの最大の敵は自分自身である」として、「セルフ•ハンディキャッピング」というコンセプトが説明される。これは、失敗の確率を高める細工をしておけば、実際に失敗しても、自分の能力が低いせいではない、と言い訳できることを指す。(例: 数学の試験の前に、読書に耽る。)
一瞬、「まさか」と思ったが、言われてみれば思い当たることが多いし、研究で繰り返し実証されているのだそう。
「頼みごとは相手への賞賛である」(P99)という指摘も興味深い。頼み事をすることで、良い意味で目立ち、選ばれることが出来る、というのは、逆説的で、勇気付けられる。例え断られても、頼む前に戻るだけ、と考えれば、ゼロリスク•ハイリターンな戦術だ。
P229のナビスコの元CEOロス•ジョンソンが、前任のCEOロバート•シェバーリを追い落とす技が神がかっていた。まず、シェバーリCEOの名前を冠した寄附講座、それから、研究センタービル、を立て続けに作って、本人を気持ちよくさせておきながら、取締役会メンバーに対して、『建物に名前が付けられるような人は、死んだも同然』という印象を巧みに植え付けた、というわけ。怖いな〜。。
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● 立派な業績を上げればご機嫌取りなどしなくても自ずと上に行けると考えるのは、多くの人が犯しがちな思い違いの一つである。
● すなわち、何らかの仕事に必要な専門知識を持っていない人は、自分たちが無能であることを理解するのに必要な情報も持ち合わせていないため、自分を過大評価するのである。
● 頭がいいことは重要な成功要因だと考えられているが、実際にはそれはある水準までに過ぎず、その先は過大評価されている。
● 人間は勝ち馬に乗りたがるものである。あなたが自分から階段を上ろうとしないなら、誰も後押しはしない。始めから降りている人は、負けるに決まっているからだ。
● 「今あるニュースが気にくわないなら、じっとしていないで自分で作ったらどうだ」ウェス・ニスカー -
「権力を握る人の法則」ジェフリー・フェーファー
えーと、組織の中での立ち回り方。そこから外れた方がいい気がするのだが、そこはまあ、実力ということで、それがあった上で、ということなのでしょう。自分でもびっくりするくらい、読んでいて惹かれない本だった。逆に何か自分に屈託があるんじゃないかと思うくらい(笑)。 -
・実績と昇進の相関関係は低い
・有効な情報は、弱い結びつきの人的ネットワークからもたらされれる
・よく怒る人は出世しやすい
など、研究結果を基に、権力が誰にもたらされるかについて書かれている。
最も興味を持ったのは「セルフハンディキャッピング」と呼ばれる行動。失敗すると自尊心が傷付くから意図的に失敗の確率を高めるような行動をすることで、例えば試験前に模様替えを始めてしまうなどが該当する。
自身も心当たりがあるが、この行動が成績や成果に悪影響を与えることが調査で実証されているそうだ。
私は権力から遠のいてるのか…。 -
日本人があまり好まないだろう「権力」や「パワーポリティクス」について書かれた本。
自分も自身も権力闘争や社内政治を嫌悪する傾向にあるが、著者は「人が集まるところには権謀術数の類は避けられない」と言い切り、組織内での立ち振る舞いとルールを説く。
仕事ができるだけでは出世出来ない、というのは同意。
組織で活躍しようと思うなら、目の前の業務だけではなく、周りに与える影響や自身のイメージに気を使わなけばならない。この辺りは確かにその通りで、自分のブランディングや周りへの働きかけや付き合い方はとても重要。
本書を一読してみても組織内の権謀術数に心から共感は出来ないが、現実は現実と理解した上で、自分の立ち振る舞いを判断しなければならないと感じた。 -
単純におもしろかった。
別にわたし自身は権力を持とうと思っているわけではないが、「どうしたら組織人としてうまくやれるのか」という視点で読むだけでもかなりグッときた部分はあった。
自己の振る舞いについて、メタ認知できるといいよなあ。
周囲と軋轢が生まれそうでも、わたし自身を攻撃したわけではないんだ、と思おう。
考えは行動に感化されるし、ハッタリを使っていくのも一つの方法。
「今あるニュースが気にくわないなら、じっとしてないで自分で作ったらどうだ」 -
権力を握ると常に監視され、自由と時間を失い、他人が信用できなくなるらしい。それでも握りたいのか?って話だが。権力についての哲学的考察を期待したのだが、タダの処世術のマニュアル本だった。ただし、「公正世界仮説」というのは興味深いので今後考察を深めていきたいとは思う。
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いや・・・多々agreeできないところがあって、、、それは今や、人生多様な生き方が奨励されるようになって、キャリアで上を目指すことが必ずしも幸せではないし、いろんな生き方がある、という世の中になってきて、私もそう思うからで。時代遅れ、昭和の熱血時代か?と思ってしまう内容かもしれない。ただ、真実でもあり学ぶところもあり。良いところだけ抜き取って参考にしたい。
官民問わず、組織には駆け引きや権力闘争がつきもので、そんなものはなくなれば良いのに、、、と思うが現実はそうでない。ではどうふるまえば生き残り成功に近づくことができるか、を説いた本。
ちょうどこれを読む最中、主人がリストラにあった。まさに、「会社は個人を守ってくれない」。一方で私はどうしようもない上司にいつもイライラ。
ただ、世の中は不公平だとか上司はあほとか、不満を言っても始まらない。私をより良い場所に押し上げるのは私しかいない。上へ行く道を切り開くのは私次第。
・自分の力を自分から放棄してはいけない。
・自信あるようにふるまうくらいはできる。
・頼み事は案外聞き入られる。たとえ断られてもどうってことない、断られる前の状態に戻るだけだ→この考えは目からうろこ!皆断られるという自尊心の傷が怖くて尋ねないだけ。
・出る杭になれ。
部分的に気に入らないのは、
「オフィスの場所でビジネスが上り調子かどうかわかる」これは完全に時代遅れ。オフィスを持たない会社がこんなに増えることを著者は予測しなかっただろう。
「怒りを表す人は能力が高いと思われやすい」いや、感情のコントロールが効かない人と思われ、逆にビジネスマンとしてはレベルが低いと思われるでしょう、ただ、女性が怒ると男性よりも悪い印象を与えるという不公平も書いている。
「パワーを持つ人には従わらざるを得なくなり」一部パワハラセクハラもあるようになった現状。これはいかんでしょう!
最後にあったデータは衝撃的・・・ヒエラルキーの下部にいる人は、頂点にいる人と比べ死亡率が4倍高い、、、何だよそれ、でも皆が権力を目指してきしきし生きる芳も人生に良いのか?権力から降りたとたんに屍になった人のことも本書に出てきたので、ある種矛盾を感じるけど。
たとえそういう生き方の途中で敗者となっても腐らず、向かい風の期間を、本書にあるように耐えて力を付けて上がっていけ、ということなのか。