LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
- 日本経済新聞出版 (2013年6月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532318970
作品紹介・あらすじ
新規大卒者の50%が女性となってから30年が経過したにもかかわらず、いまだにアメリカの政府や企業のリーダーの大多数は男性です。つまり、社会生活に大きな影響を与える決定において、女性の声が平等に反映されにくい状況が続いているのです。この問題は、日本ではより顕著です。なぜ女性リーダーが生まれにくいのでしょう?その原因はどこにあるのでしょう?フェイスブックのCOOが書いた全米大ベストセラーの話題作。その「一歩」を踏み出せば、仕事と人生はこんなに楽しい。
感想・レビュー・書評
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「キャリアを左右するような最も重要な決断を1つ挙げろと言われたら、私なら結婚と答えるだろう。結婚すると決めること、そしてそれがどんな相手かということは、決定的に重要だ」
ほんと、それ。現代で女性が楽しく働きつづけようと思ったら、バリキャリじゃなくても、パートナー選びが超重要。「ビジネスゲーム」と同じく、結婚を考える前に読んでほしい良書。現実的で、読んでもムカムカしなくて、明日もがんばろうと思える。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
TEDでの講演の映像を見て、かなり気になる内容だったので、自分自身のキャリアに迷っていることもあり、手に取りました。
この本は女性に向けた、キャリア指南の本だと思いますが、男の自分が読んでも相当に面白く、読む価値のある本だと考えました。ビジネスであっても、半分が女性であることには変わりませんからね。
。未だに多くの職場で蔓延する女性への不当な扱いには、女性自身の問題もある、と述べています。そして時には敵は他の女である、と。
このような事例を見ると、アメリカでも日本と大きな差がない現状があるのだな、と非常に意外に感じました。確かに冒頭で書かれるように、日本での女性トップは非常に稀ですが、アメリカでも極少数であり、日本の女性と同じような、仕事でのキャリアと母親としての生活の両立、という悩みを抱えている、と。
~~自分の成功ががむしゃらにがんばった結果であり、他人に助けてもらったおかげであり、運にも恵まれたことはよく知っている。(中略)自分にチャンスを与えてくれ、支えてくれたたくさんの人たちにはいくら感謝しても足りない。自分の力だけでは何もできない。
だが自分がこれから成長し、可能性を拡げていくためには、自分自身をもっと信じなければならないこともわかっている。~~
この部分が特に印象に残りました。サンドバーグ氏はスーパーウーマンと呼んで違和感ない超人的な女性です。彼女の実体験に基づいたエピソードが多く、「それはあなただからだよ…」と思う部分もありますが、そういった意見にも、理性的に耳を傾けている、と感じます。多様な価値観を認めた上で、それでも女性に一歩進む(LEAN IN)ことを進めています。
サンドバーグ氏は決して女性にお説教を垂れているのではなく、勇気づけようと、この本を書いたのでしょう。
実際に私は就職活動を通し、周りの優秀な女性の多くが、あまり野心的とは言えない仕事を選択したのを不思議に思っていました。しかしその中でも、サンドバーグ氏のように、LEAN INしてほしいと感じましたし、そういった女性を応援する立場でありたいと思います。自分自身のジャングルジムなキャリアも目指しつつ。 -
2013年発売。当時大きな話題になっていたから私も早々に買っていたが、ずっと積読したままだった。会社でエリート女子として有名な先輩が、シェリルさんと一緒に写真を撮ってもらったりしていて、私は僻んでいた。
ムスメが5歳の頃で、まだ保育園に遅れずにお迎えに行くことに毎日必死だった。会社では同期が海外トレーニーに飛び立って行くのをうらやましく思いながら、私はノー残業を第一に定型業務ばかりやっていた。第二子がほしいと明確に伝えたが、元夫から拒否されて拒否されて、一番荒んでいた頃かもしれない。
世界的なエリート女性が書いた売れ筋本げな、とても開く気持ちにはなれなかった。
この本に手が伸びるまで、8年かかった。離婚して1年が経ち、前向きな年下の同僚に刺激を受けたが彼がすぐ異動してしまい、でもそれはきっと彼のキャリアにとっていいことだと素直に喜ぶことができた時、やっとこの本に手が伸びた。
成長可能性が高い方を選ぶとか、シェリルさんの言葉を肝に銘じ、これからも働き続けていこうと思う。もし私が部下を持つような立場になれたら、また読み返したいと思う。 -
数多くの調査や経験談を用いて、ジェンダー・バイアス(性差に関する偏見や固定観念)の存在について疑問、解決案を挙げている。
年代・既婚未婚を問わず、女性なら首が痛くなるほど頷けることがたくさんあると思う。
自分では気付いていなかった(目を逸らしていた)事実も多かった。
これらは、既に子どもを持ち家庭と仕事の両立に悩む人も、どちらかを諦めてしまった人も、これから社会に出るティーンにもヒントを与えてくれると感じた。 -
二十代の頃に、まだボーイフレンドさえいなかったにも関わらず、結婚する前に仕事で早く結果を出さなくては、とひどく焦って働いていたことや、
職場のオジさんにかわいいコとして扱われることに憤慨し、傷ついていたこと、
立場として当たり前の意見を年上の男性に言ったら、気分を害されてその後冷たく当たられたことなどを思い出しました。
こんなことは、もう古い日本企業でしか経験しえない事だと思っていたのに、アメリカのエリートである著者が近しい経験をし、また、同じように感じてもいたことに驚きました。そしてそれを乗り越えて、自分らしくキャリアを築いていることに尊敬の念を抱きました。
古い世代からの女性差別に傷ついているなんてバカらしい、「気持ちを切り替えて」「一歩踏み出す」勇気をもらいました。
著者がパートナーと築いている関係も本当に羨ましいと思います。日本で彼のような男性を見つけることはかなり難しいいのではないでしょうか。
文中に、世界の現状を表すデータが数多く出てきましたが、その際の日本の数字は大体悪いことや最低レベルを表すものとして取り上げてあります。
そんな日本での女性が働く環境は推して知るべし、です。
私自身にも言えることですが、女性はまだ起きてもいないことを心配して取越し苦労をしたあげくに自分で自身喪失してしまったり、自分で範囲を限定してしまうことが多いのだと改めて気づかされました。
自分で自分を強く勇気づけていこう、自分で自分の可能性をせばめないようにしようと思います。
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女性は成果をあげることができたとき、運が良かったと思ってしまう。あるいは周りの援助があったから、と。自分にはそんな力はないと思い込み、リーダーになることに積極的になれない。
はっとした。そうやって、自分でブレーキをかけているのだ。自分自身もそうだし、周りを見てもその通り。昇進のチャンスがあっても自分から降りてしまう。
やってみたらいいんだ、一歩踏み出さなきゃと気づいた本。女の子を育てている母としても学ぶことが多い本です。
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先日、NHKで著者・サンドバーグさんのプレゼンテーションが放送されていたのだが、うっかり観るのを忘れていた。それもあって、手に取った本。奥付けをみると、6月初版、8月で7刷と、結構なスピードで売れている。
現在、フェイスブックの最高執行責任者(COO)を務めるサンドバーグさんの、「仕事を持つ女性」としての経験と考えをまとめた本。仕事が好きで、家族も大事にしたいものの、そこにはさまざまな障壁があって、七転八倒し、問題解決に東奔西走するさまが率直に描かれている。
実はアメリカは日本や欧州よりも労働法制が遅れており、不備に対して率直な声を上げないと、それをカバーする方法は出てこない。しかもアメリカの企業社会にも、マッチョな男性優位社会の面がまだまだある。そのうえ、「よき母親>>>よきキャリアウーマン」の考えは男女問わず根強いし、「女性らしく」、自分の意見を引っ込めてしまう女性も少なくない。このような、さまざまな局面で女性が出会う困難を分析し、データや研究によって、あらゆる角度から丁寧に説明し、そこから踏み出すにはどうすればよいかが穏やかで朗らかに示されている。理想と現実、傾向と対策を、共感を呼ぶ形で明晰に書かせるとアメリカ人は本当に上手い。フェイスブックという、ジェンダー的にカーストのできていない新しい会社だから、そのあたりの対応が素早くて、サンドバーグさんにとってはとても面白いのだろうと思う。
自分の置かれた現状を把握し、いかに克服する道を探るかについてのビジネス本ではあるけれど、ゴリゴリのビジネス本ではないし、かといって単純な素敵生きかたテキストでもない。みながみなキャリア・トラックを突っ走れるわけではないし、マミー・トラックだけに人生を捧げられるわけでもない。どちらか一方だけが人生の目的ではないので、ごり押ししないまでも、「あなたのまわりの状況が不利なら、声を上げて、ちょっと踏み出してみましょうよ」と呼びかける。読んでいるうちに、「暗いと不平を言うよりも進んであかりをつけましょう」という、カトリック教会の番組のモットーを思い出した。それに、しんどい時はザッカーバーグ氏の前で大泣きもアリ。そこは「にんげんだもの」的な感じでお願いします。「女の涙には勝てねえや」ではありませんよ、みなさまがた。
女性の権利と行動範囲の拡大に尽力した先達の言葉が多数引用されていて、そこも知的に刺激的だった。おっさん週刊誌で「近ごろの女子社員はたるんどる!妊娠したら即退職!」などと怪気炎をあげておられるどこぞのサッカセンセイには、オルブライト氏の言葉を献上したい。
「私の周りじゃとてもじゃないけど無理!」とは言わせない、静かな迫力に満ちていないこともないけれど(笑)、基本、「女子、なんとかなるから考えすぎずにゴーアヘッド!」という励ましを振りまいてくれる本だと思う。全世代で読めると思うし、社会人ルーキーには特に指針になる点が多いのではないかと思う。あと、女性とがっちりいい仕事がしたい男性諸氏にもぜひ。原著を読まれてもいいかと思うけれど、邦訳は日本のデータも組み込んだ「日本バージョン」になっているので、どちらかといえばこちらをおすすめいたします。 -
◾️概要
Facebook COOが、プライベートと仕事の両立について記載した一冊。女性だけでなく、男性も一読の価値あり。
◾️所感
パートナーと共にキャリア形成を行う方法を知るため読みました。辞めなければならない時まで辞めないで、を筆頭に、
こと子育てに関する限り、あらゆる要素をコントロールするのは不可能。
完璧を目指すより、まず終わらせろ。
成功とは、自分にできる選択をし、それを受け入れること。
など、人が羨むキャリアを築いてきた方でも、私と同じ悩みもってるのか、こう考えて乗り越えてきたのか、と感銘を受けました。 -
育児との両立でキャリアを諦めないで、というメッセージを自身の実体験をベースに力強く発信している本書。
育休中の今こそ読む時?と思いまして。
もっとフェミニズム推しの本かと思っていたら、大きな間違いでした。
あらゆる角度からの異論反論ご意見ご指摘を考慮し抜いていて、
それでもなお「一歩踏み出そう」と訴えかける勇気に素直にすごいなと感じた。
この本の中で何度も何度も書かれているが、
すべての人には選ぶ権利があり、決して仕事で上を目指すことだけを奨励しているわけではない。
専業主婦も素晴らしい職業だし、ただ自分の好きなように生きることもすべて正しい。
その上で、男女の差で壁にぶつかる同じ境遇の女性に勇気を与えたい、ただその一心で書かれた本だとわかる。
本当にこんなにまっすぐな人見たことないというぐらい。
”Done is better than perfect”
(完璧を目指すより、まず終わらせろ)はFBの名言。
パーフェクトな母親なんていないし、仕事をしながら育児をすることに罪悪感を持ったり、
専業主婦の母親と比較する必要はない。自分のベストを尽くせばいい。
月並みだけど、こんなハイスペックな人でも失敗や葛藤、悩みや心配を抱えながらやってるんだなーと。
とはいえ全然違うステージにいるとは思うので、共感というより、安心に近い気持ちに。
読みながら思わずくすっとするようなエピソードもたくさんで、笑い泣きしながら読了。
この感覚、南波さんの「不格好経営」を読んだ時と同じかもしれない。
途中ちょっと繰り返しがまどろっこしい部分もあったけど、思ったより良いです。 -
仕事でも家庭でも望むもの全てを手に入れようと行動とともに呼びかける筆者の想いがたくさん詰まった1冊。まだ不完全な現状も踏まえながらわかりやすく記載されていて読みやすかった♪♪この本に書かれている理想・目標が現実になったら仕事も家庭も楽しくなること間違いなしだなぁと感じた(^^)自分も今できる最大限をやって前進しようと前向きになれる良書♪