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- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535582927
作品紹介・あらすじ
民主主義とは、競争的選挙システム以上のものである。司法の独立と法の支配、結社の自由と労働・社会運動、社会的公正と連帯などの観点からみれば、東アジアの民主主義とははじまったばかりのプロジェクトである。すり鉢の底から東アジアの民主主義を見上げれば、冷戦構造と独裁政治の後遺症にちがいない歪みと汚物の存在が眼につく。歪みは、福祉国家に対する敵意に起因するものであり、民主主義に社会的成熟がともなっていないことから生じている。汚物は、金権腐敗・マフィア政治・クローニー資本主義など、独裁政治が東アジアに蔓延させた病理である。こうした土着の東アジア民主主義の構造上の弱点あるいは根づきぐあいを解明することも、本書の狙いである。
感想・レビュー・書評
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全体としてよく勉強になりました。が、台湾=弱い国家と強い社会、朝鮮=強い国家と弱い社会という図式を際立たせるためかどうか、気になる箇所が多少。「この結果、この国(朝鮮)では市場経済を始動させる制度とイニシアチブそのものが(朝鮮末期になっても)徹底的に排除されていた」、「日本の植民地支配を許してしまった致命的な内部的原因は宮廷権力を奪うためならば外勢との結託を少しも躊躇しない強烈な権力指向を第二の天性とした腐敗しきった両班貴族という癌腫そのものの存在だった」とか。
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