食べるとはどういうことか: 世界の見方が変わる三つの質問 (かんがえるタネ)

著者 :
  • 農山漁村文化協会
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本棚登録 : 303
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784540171093

作品紹介・あらすじ

藤原辰史さんは、人間をチューブに見立てたり、台所や畑を含めて食をとらえるなど、「食べる」ということをめぐって斬新な視点を提供している。本書では、「食べる」ということをめぐる3つの問いを軸に、中高生とともにその本質に迫っていく。そのなかで、現代というのは、じつは、食べる場と作物や動物を育てる場(動物を殺す場含む)が切り離された社会であることが浮かび上がってくる。それでは未来の食はどうなっていくのか。藤原さんと中高校生の白熱した議論を臨場感たっぷりに再現する。

感想・レビュー・書評

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  • 他の本で紹介されていた一冊。
    5年前の出版だが、子どもの頃に出会うと良いかと。

    パルシステムの事務所で、12〜18歳の男女と京大人文科学研究所の准教授、藤原辰史ふじはらたつし氏とで座談会をした記録の一冊。
    12歳小学生の意見が鋭く、今までに食べたなかで1番美味しかったものは?から始まり、食べることとはどこまでなのか、噛みごたえのない食品はどうなのか、五感を総動員させて語り合う。
    これぞ哲学。と「一つの本を書こう!」と思考を広げまとめていく。
    面白かった。


    小腸6mに及ぶチューブの旅、消化酵素で炭水化物がブドウ糖や麦芽糖に、脂肪と脂肪酸とグリセリンに分解され、それらが腸に吸収。大腸では、消化酵素はなく、かわりに無数の微生物が住んでいる。
    あなたの中の繊維を発酵させて活性化する。 p. 75

    哲学や歴史の議論では、AとB、違う話が出てきて、簡単に解消されない対立をどういうふうに解決させていくかということが重要に目標になる。p. 88

    プロテインバーなどの携帯食の発達は… アメリカの軍人のために開発されたもので、戦争すると密接に関わっている食品であることを補足しておくp. 121

    2016年、飢餓状態にある人は、8億1500万人、地球上の11% その半分以上は紛争地帯。戦争を止めることが、飢えをなくすために必要。 p. 127

  • 偶然ヤング図書のところで見つけた本。タイトルに惹かれた。食べることは生きること。だから歴史とも関係してて関連書などの紹介もあって読んでみたいと思う。色んな世代の人の考えを聞ける機会も少なくなってるのでこのような企画はとても楽しかった。当たり前と思ってることをどういうこと?って改めて考えてみんなで話すワークショップってやっぱりいいなぁ。

  • NDC分類 383.8

    「「食べる」ということを深く考えれば考えるほど、「人間とは何か」が見えてくる。京大のフジハラ先生と12歳~18歳の中高生による、白熱の「食と農の哲学」ゼミナール。」

    「食べるとは単に栄養を摂り入れることだけを指すのではありません。それは人間にとってどういった意味をもつのか。「食」を哲学することは、生きる意味を考えることにもつながります。」
    (大居雄一『身になる読書術!』の紹介より)

    目次
    第1の質問 いままで食べたなかで一番おいしかったものは?(“解説”なかなか言葉にならない「あの時のおいしさ」のこと;“対話”自分たちのあたりまえを考える「哲学」について)
    第2の質問 「食べる」とはどこまで「食べる」なのか?(“解説”食べられる側の気持ちになってみること;“対話”『食の哲学』という本をみんなで書くとしたら?)
    お昼休憩のコラム 「くさいこと」と「おいしいこと」
    第3の質問 「食べること」はこれからどうなるのか?(“解説”食べものから噛みごたえがなくなっていく未来のこと;“対話”答えを探すのではなく、みんなの「考える種をまく」)
    アフタートーク からだに耳を澄ます

    著者等紹介
    藤原辰史[フジハラタツシ]
    1976年、北海道旭川市生まれ。島根県横田町(現・奥出雲町)出身。2002年、京都大学人間・環境学研究科中途退学。京都大学人文科学研究所助手、東京大学農学生命科学研究科講師を経て、京都大学人文科学研究所准教授。専門は農業史。第1回日本ドイツ学会奨励賞、第1回河合隼雄学芸賞、第15回日本学術振興会賞を受賞

  • 食べるという誰でも無数に行ってきた生理現象を哲学的切り口で、子供たちと語り合う本です。

  • 食べることの本質とは。子どもたちの素直思いが食について深く考えさせられる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/756561

  • 先生おすすめ本('22.12 図書室通信掲載)

  • とても良い取組み。
    小学生たちの素朴な問いに真正面から答えられる大人になりたいなと思った。
    その為には知識を身に付けるだけではなくて、知行合一な大人でありたいと思った。

    本書で紹介されていた、藤原さん曰くとても面白いらしいモンゴメリーの『土と内臓』は途中で読むのをやめてしまった一冊なので、こちらも再開しようと思う。

  • 人間生活を維持するためには食べることは必須。では、食べるとは果たしてどういうことか。を著者と学生がやりとりしたものをまとめたもの。

  • 『食べるとはどういうことか』
    今年の共通テストの国語に出た藤原辰史さんの本

    深く考えることが案外ない「食べる」について、藤原さんと中高生たちが考え、対話の渦ができていく様子がとても心地よい。
    「いままで食べた中で一番おいしかったもの」を答えるのは本当に難しい。
    #読了 #君羅文庫

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著者プロフィール

1976年生まれ。京都大学人文科学研究所准教授。専門は農業史、食の思想史。2006年、『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房)で日本ドイツ学会奨励賞、2013年、『ナチスのキッチン』(水声社/決定版:共和国)で河合隼雄学芸賞、2019年、日本学術振興会賞、『給食の歴史』(岩波新書)で辻静雄食文化賞、『分解の哲学』(青土社)でサントリー学芸賞を受賞。著書に、『カブラの冬』(人文書院)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館)、『食べること考えること』(共和国)、『トラクターの世界史』(中公新書)、『食べるとはどういうことか』(農山漁村文化協会)、『縁食論』(ミシマ社)、『農の原理の史的研究』(創元社)、『歴史の屑拾い』(講談社)ほか。共著に『農学と戦争』、『言葉をもみほぐす』(共に岩波書店)、『中学生から知りたいウクライナのこと』(ミシマ社)などがある。

「2022年 『植物考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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