- Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560070666
感想・レビュー・書評
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雨で立ち往生する新感線の中で読む。
なんでこの本をもって乗ったんだっけ??
馬鹿ミスとか馬鹿SFというのがあるように、
馬鹿官能小説というのがある。
これとか「一万一千本の鞭」とか。「眼球譚」もかな?
変態的な行為をつきつめていくと、
どうもその行為自体が非常に滑稽になっていくのだ。
この本での、タコの水槽での少女との行為とかそう。
最後の母親の前で赤ん坊の皮をはぐ、というのを、
滑稽というのは不謹慎だが、どうも嘘くさくヘン。
サドや沼昭三、マゾッホと根本的に違うのは、作家自身がその行為に欲情していないこと。
(バタイユはどうなんだろ?)
勃起しなくなくなって城を爆発させる、というのも、なんかねぇ・・・。
変態行為しながらも、結局は勃起した男根主義なのか、と残念。(え?なにに対して残念なの?)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サドよりはサクッと読める。
背徳的な行為と残虐さ、グロを超越している。
どのパーツを掴み連鎖法にて読むと凄く面白い。
エロスのパーツ、美しさのパーツ、奇抜なパーツと彼は沢山拾えるヒントをくれているので掴みやすかった。
城の中の「実験」は残酷を通り越してなんともはや言葉には出来ないが、「ボマルツォの怪物」に途中まで収録されていたので免疫はついていたが、主人公と同じく好奇心が大きくあり手に取った。
主人公の私も好奇心の縛りの刑にされていた。 -
怖いもの見たさで手に取ってみた。180ページちょっとだから最後まで読めたが、これが300ページくらいあったら絶対途中で投げ出していたと思う。小説内における登場人物の性癖にあれこれ文句を言うつもりはないが、エロの描き方が非常に猟奇的かついわゆる男性誌的なので、女性の扱いがかなりひどい。まあ、この手の話に女性の尊厳を求めてもしらけるだけだろうし、文学的価値をまったく感じないというわけでもないが。辟易しながら読み終えたので、二度と似たようなものを手にすることはないという意味では、自分の今後の読書の方向性を定めた本と言えるので、記録には残しておく。
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イギリス人だがフランス風の名を名乗って暮らす紳士
――に招かれた語り手が、
彼の城の中の変態的乱痴気騒ぎの有り様を活写する。
大学生のとき、調子に乗って買ってプチ後悔した。
が、無駄になってはいない。
ささやかな心の財産ではあろう(苦笑)-
最近、私も久しぶりに「ボマルツォの怪物」を読み、若い時にあれほど心酔していたマンディアルグ=澁澤龍彦的美学が全くしっくりこないという経験をし...最近、私も久しぶりに「ボマルツォの怪物」を読み、若い時にあれほど心酔していたマンディアルグ=澁澤龍彦的美学が全くしっくりこないという経験をしました。年をとったという事でしょうか?2013/11/18
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花丸&コメントありがとうございます。
わー、すみません『ボマルツォの怪物』は未読です(汗)
今、チェックしましたが、ウッカリしているうち...花丸&コメントありがとうございます。
わー、すみません『ボマルツォの怪物』は未読です(汗)
今、チェックしましたが、ウッカリしているうちに河出文庫、絶版なんですね。
でも、価格が高騰しているわけではないから古本屋さんで買えばいいかな~(笑)
白水uブックス系列には、一時期、変に熱を上げていました。
今でも再読すれば面白く感じられるはずですが、
のめり込んでいた頃の過去の自分を思い出すと、ちょっとイタイです、トホホ。2013/11/19
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「エロスは黒い神なのです」でお馴染み(?)のマンディアルグ稀代の書でございます。筆舌に尽くし難い展開が続きますが、サドやミルボーのように冗長と哲学が披露されるというよりは、必要な程度の描写とテンポの良さが心地よいと言えば心地よいです。文字通り後半の怒涛の展開はちょっと失笑ものですが、それでもさすがマンディアルグ、読みものとしては非常に読みやすくスラスラと読めてしまいますよね。
若い頃「ぼくは賭博場使用人の隠語で、つまらない話を高尚にしてみせるよ」と悠然に語ったマンディアルグですが、あくまで本作は露悪一筋といった感じがして、うーん高尚とは言い難い…(まぁ最初は匿名だったし…)。けれど、主人公の後ろめたい感じとか、陵辱的なテーマは彼の作品に一貫している要素でもあるので、やはりマンディアルグを語る上では避けては通れない作品でしょうね。
ミシュレットちゃん…好みだ… -
官能と嫌悪。全てにおいて過剰。なかなか骨の折れる読書だった。
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再読してしまった、久々に読んでもやはり「酷い」という表現がしっくりくる。
実験シーンを読みながら、勃起と吐き気を同時に催してしまい盛大に鬱った。
読後の感情を溜めると心の健康に悪そうなので、感想を投稿して逃避。 -
サドとカミュを混ぜたらこんな感じになるのかしら。
一言で言えば、ライチのように子供の頭の皮をつるんと剥いた様な話。
お城って箱庭でありおもちゃ箱何だろうね。思い出の。 -
学生時代の話。
仏文学購読の講義前、教室内で『オートバイ』を読んでゐますと、ゼミのT教授が「ほほう、マンヂアルグですか」と言葉を発したのであります。
続けて「現代フランスの幻想文学における彼の位置付けを、苦心君はどのやうに認識してゐますかな」などとつぶやき、意味もなく「ははは、は」と笑ひました。困るのであります。
より正確な邦題は、『閉ざされた城の中で語るイギリス人』ださうです。一体彼は何を語るのか。
訳者・澁澤龍彦氏の名調子で、異常な性愛体験が語られるのです。あまり善良な読書子向けの話とは申せません。
内容が内容だけに、詳しく述べることを逡巡するものであります。自己責任で読んでみてくださいませ。
まあ面白いんですけどね。人によつては嫌悪感を示す場合もあるかも知れませぬ。
ぢやあ、今夜はこの辺で。眠い。
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