英国のダ-ビ-マッチ

  • 白水社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560080245

作品紹介・あらすじ

英国八都市の「熱き戦い」の歴史と今、「街とクラブとサポーター」の深い関係を現地取材した、力作ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 最高かな。
    求めてた本だと思う。
    イギリス行く前に必ず読もう。

  • ダービーという切り口で母国の蹴球にまつわる実情を詳細に書き記した、Football好きにはたまらない一冊。

    13年前、グラスゴーでレンジャーズとセルティックのホームスタジアム巡りをしたのが、つい昨日のことのように思い出された。

  • プレミア好きには堪らない濃密な1冊。
    長い歴史があるからこそサポーターは熱気に溢れている。逆を言えば、人間の愚行を含めた歴史の全てを見ているのはサッカーなんだろうな、と深く考えてしまった。

  • マンチェスター、リバプール、ノースロンドン、グラスゴー…英国のダービーマッチについて、社会的、歴史的、地理的…様々な背景から紐解く。
    サッカー、特にプレミアファンは読みごたえある内容。

    人々のサッカーに対する思いがよくわかる。

  • 4/18:数あるダービーマッチの中でエゲレスのものをピックアップして、その歴史や両者の対立の構図を描く。ワールドワイドの人気になったマンチェスターダービーやマージーサイドダービーより中堅以下のダービーの方が思い入れの強いサポーターが多いので、断然熱い。バーミンガムダービーとかシェフィールドダービーとか超熱いじゃん。知らなかった~

  • プレミアのダービーがいかに熱いかがわかる本。
    テレビの画面から伝わることのない、クラブ同士の対立の根っこは
    長年にわたって作りげられてきたことが、書かれている。
    海外に行ってスタジアムでのゲームだけでなく、
    町のパブにも行ってみたくなります。
    自分にその勇気はないけれども・・・。

  • もちろん決まった定義があるわけではないけれども、訳者があとがきで書いているように、ダービーマッチとは、「サッカーなどのスポーツで、同じ街や同じ地域内にあるクラブが対戦する試合」を一般的には指す。本書「英国のダービーマッチ」はイギリス内の8つの都市を取り上げ、その都市内のサッカーチーム同士のダービーマッチを紹介している。また、前書「ダービー!!」では、イギリスばかりではなく、世界中28のダービーマッチを取り上げている。これもまた一般的に、近隣にあるクラブ同士はライバル関係にあることが多く、必ずしも友好的な関係ではない。というか、むしろ、敵対的な関係にあることの方が多い。従い、ダービーマッチはライバル同士の激しい相手への敵対心に裏付けられた試合となり、ファン同士の暴力的な争いに発展することも以前は少なからず起こっていたし、警備が厳重になった現在でも、皆無になったわけではない。「英国のダービーマッチ」でも紹介されているシェフィールドという街に短期間住んでいた経験があり、地元の一方のサッカークラブであるシェフィールドユナイテッド("一方の"と書いたのは、"他方の"シェフィールドウェンズデイというダービーマッチの対象となるライバルクラブがあるから)の試合を含め、イギリス国内で実際にスタジアムでサッカーを10試合程度観戦した経験がある。ダービーマッチそれ自身は観戦したことはないけれども、この経験から、それがどのようなものか、何となく想像は出来る。シェフィールドユナイテッドの本拠地である、ブランモールレインはシェフィールドの鉄道駅から充分に歩ける距離にある。収容人数は25,000人程度だと記憶している。グラウンドを取り囲む四方のスタンド席の1つ、一方のゴール裏側にアウェイチームのサポーターが陣取り、他の三方はユナイテッドファンが席を占めることとなる。マッチデイの日は、鉄道駅からスタジアムまで、それは大勢の警察官が警備にあたることとなる。鉄道駅から歩いてくるアウェイのサポーターとユナイテッドのサポーターの間でトラブルが起きないように、ということであろう。装備もけっこうものものしく、馬に乗った警官もいれば、警察犬を連れた警官もいる。何人かの警官はカメラを抱え、トラブルが起こった時のために準備をしている(逮捕の際の証拠という意味もあろうが、トラブルを起こした者の写真を登録しておき、次回以降の警備に役立てる意味もあると聞いた)。要するに、これほども装備をした警官を相当数配置しなければ、トラブルを防ぐことが難しいということだ。ユナイテッドのアウェイ席は他の席から隔離された場所にあるので、比較的スタジアム内の警備はしやすいように感じる。もうひとつ試合をよく観戦に行っていたリーズユナイテッドの本拠地であるエランドロードスタジアムはそういう訳にはいかない。アウェイ席の両側がホーム席になっているのだ。そのため、アウェイ席を守るため、アウェイ席の両側数列を空けておき、そこに警官が配置されることになっていた。リーズ対チェルシー戦を僕はアウェイ席に近いホーム側スタンドで見ていたのだけれども、両チームのサポーターの敵意はすさまじかった。試合は1対1の引き分けに終わったと記憶しているが、ゴールが決まった際には、サポーターはまずは喜びを爆発させ、その後、おもむろに相手側サポーターを野次り始めるのだ。スラングだったので、何を言っているのかはさっぱり聞き取れなかったのだけれども、相当に汚い言葉で相手をののしっていただろうことは、言われた側のサポーターの怒りに満ちた顔を見れば想像がついた。警官がいるので、相手側スタンドには行けないが、それでも物を投げたりということはあり、これで警官がいなければ、両チームのサポーターの間で喧嘩が始まっても全く驚かない、という雰囲気だった。日本でもダービーマッチはある。例えばガンバ対セレッソ、浦和対大宮等であるが、暴力的な事件の話は聞いたことがない。何が違うのだろうか、ということを書きたかったのだけれども、ここまでで書きすぎたので、その話は次の機会に。

  • 英国のダービーマッチに絞って書かれています。
    イングランドだけでなく、スコットランドも2つのダービーが取り上げられており、その熱さがイングランド以上であることは、強く伝わってきます。

    特に、スコットランドのほうが宗教や民族の関連性が高く、イギリスという国が多民族国家であり、民族間の遺恨や情念のようなものが根深い事を感じさせます。
    そういった構成はスペインに近いのかもと思いますが、日本に住んでサッカーを見ない人からすると、英国が4つの国で成り立っている事はなかなか感じにくい部分かもしれません。


    筆者はそういった民族や宗教、政治的な問題をダービーの起源と仮定して取材を進めていきますが、簡単には解明できない部分が、ダービー毎に存在していて、その深さがより人を惹きつける魅力なんだと、感じずにはいられません。


    特に、僕はアーセナルファンなので、ノースロンドンダービーの章は読んでいるだけでどんどん引き込まれていき、興奮のあまり、電車の中なのに涙が流れそうになりました。いつか必ず、ホワイトハートレーンとエミレーツスタジアムを訪れなくては、と決意させる一冊となりました。
    プレミアファンにはオススメです!

  • こんな本が出版されている英国のフットボール文化の成熟ぶりには脱帽。
    日本でJリーグを題材にこんな本を出版しても、誰が読むのかという感じだもの。

    中身もそれなりに読みやすいし、訳文もそれなりによく出来ている。
    少なくともサッカーを全く勉強せずに翻訳した訳ではなさそうだ。

    日本でもこんな本が訳される時代になったってのは、素晴らしいと実感。

  • 時々怪しい訳が。「the Arsenal team coach」を「アーセナルの監督」とか。(ホントはチーム・バス)

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