- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560080795
感想・レビュー・書評
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素敵な装丁(もちろん和田誠作)に感動し借りる。連句遊戯って?と思いつつも、笹公人さんのことや連句について和田さんのまえがきから始まり2人の連句と解説を読んだらすっかりはまった。続編あるのかな?
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#連句 アルバムは聖子の写真ばかりにて #和田誠 スイートピーの栞を挟む #笹公人 #返歌(模擬) 気が弱い四月の雨に泣きそうな心に春が #赤いスイートピー #松本隆 (模写)
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トンデモ歌人笹公人と万能イラストレーター和田誠による連歌集。普通の連歌ではもっと緩やかなグラデーションで描かれる世界を思考の飛躍で斜めから表現している。
解説を読むと、なるほどと思ったより、何でそういうこと考えたんだろって首をひねったり。 -
連句を遊戯として愉しむ、という趣旨で歌人とグラフィックデザイナーという二人の男が、歌仙5巻を巻き上げその面白さを語るという仕組み。
和田誠が連句にはまったのは『歌仙』という一冊を読んだことがはじめという。同書は1981年青土社発行の歌仙3巻と、その舞台裏を語り合う構成。もともとは「図書」や「ユリイカ」に掲載された作品。
参加者は小説家石川淳,同じく丸谷才一,詩人大岡信で、これを詩人であり芭蕉七部集評釈を二度にわたって世に問うた、安東次男がまとめる。
ということでこの『連句遊戯』も構成は『歌仙』と同様,ただ<まえがき>
として和田誠の連句へのアプローチを付け,読者をその世界に誘う。
収載歌仙の発句と脇は次のように。
「ネッシーの巻」 遠ざかるネッシーの尾や春の窓 笹公人
騒ぐ水あり笑う山あり 和田誠
「ラム酒の巻」 海賊のラム酒の歌や南風 和
右手の鈎で食うかき氷 笹
「座敷わらしの巻」稲妻や座敷わらしの帰り道 笹
見上げる空に満月ふたつ 和
「闇汁の巻」 闇汁や三人の魔女かしましく 和
氷柱のなかのデーモンのため 笹
「中華まんの巻」 お多福のヘソに置くなり中華まん 笹
揚子江(ヤンツーコー)をゆく宝船 和
連句の面白さを伝える一冊で、92年に筑摩書房発行、矢崎藍の『連句恋々』につぐものかも知れない。 -
連句とは「こうと」な遊び 真夏の夜に紡ぐ物語……。和田さんと笹さんの二人の間でやりとりされる言葉は、お互いに相手が思い描いたであろうイメージにさらに自分のイメージをかぶせて、物語を作るよう。はぁ、なんとも知的な遊戯でステキ。