連句遊戯

著者 :
  • 白水社
3.89
  • (2)
  • (4)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 28
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560080795

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 素敵な装丁(もちろん和田誠作)に感動し借りる。連句遊戯って?と思いつつも、笹公人さんのことや連句について和田さんのまえがきから始まり2人の連句と解説を読んだらすっかりはまった。続編あるのかな?

  • #連句 アルバムは聖子の写真ばかりにて #和田誠 スイートピーの栞を挟む #笹公人 #返歌(模擬) 気が弱い四月の雨に泣きそうな心に春が #赤いスイートピー #松本隆 (模写)

  • トンデモ歌人笹公人と万能イラストレーター和田誠による連歌集。普通の連歌ではもっと緩やかなグラデーションで描かれる世界を思考の飛躍で斜めから表現している。
    解説を読むと、なるほどと思ったより、何でそういうこと考えたんだろって首をひねったり。

  •  連句を遊戯として愉しむ、という趣旨で歌人とグラフィックデザイナーという二人の男が、歌仙5巻を巻き上げその面白さを語るという仕組み。

     和田誠が連句にはまったのは『歌仙』という一冊を読んだことがはじめという。同書は1981年青土社発行の歌仙3巻と、その舞台裏を語り合う構成。もともとは「図書」や「ユリイカ」に掲載された作品。
    参加者は小説家石川淳,同じく丸谷才一,詩人大岡信で、これを詩人であり芭蕉七部集評釈を二度にわたって世に問うた、安東次男がまとめる。
     ということでこの『連句遊戯』も構成は『歌仙』と同様,ただ<まえがき>
    として和田誠の連句へのアプローチを付け,読者をその世界に誘う。

     収載歌仙の発句と脇は次のように。
    「ネッシーの巻」 遠ざかるネッシーの尾や春の窓    笹公人
              騒ぐ水あり笑う山あり       和田誠
    「ラム酒の巻」  海賊のラム酒の歌や南風       和
              右手の鈎で食うかき氷       笹
    「座敷わらしの巻」稲妻や座敷わらしの帰り道      笹
              見上げる空に満月ふたつ      和
    「闇汁の巻」   闇汁や三人の魔女かしましく     和
              氷柱のなかのデーモンのため    笹
    「中華まんの巻」 お多福のヘソに置くなり中華まん   笹
              揚子江(ヤンツーコー)をゆく宝船 和 

     連句の面白さを伝える一冊で、92年に筑摩書房発行、矢崎藍の『連句恋々』につぐものかも知れない。

  • 連句とは「こうと」な遊び 真夏の夜に紡ぐ物語……。和田さんと笹さんの二人の間でやりとりされる言葉は、お互いに相手が思い描いたであろうイメージにさらに自分のイメージをかぶせて、物語を作るよう。はぁ、なんとも知的な遊戯でステキ。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1975年東京生まれ。「未来」選者。現代歌人協会理事。大正大学客員准教授。文化学院講師。歌集に『念力家族』『念力図鑑』『抒情の奇妙な冒険』。他に『念力姫』『笹公人の念力短歌トレーニング』、絵本『ヘンなあさ』(本秀康・絵)、和田誠氏と共著『連句遊戯』、朱川湊人氏との共著『遊星ハグルマ装置』などがある。NHK Eテレにて、連続ドラマ「念力家族」が放送中(2015年3月30日~)。

「2015年 『念力ろまん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

笹公人の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
クラフト・エヴィ...
佐藤雅彦
冲方 丁
上橋 菜穂子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×