サッカーデイズ

著者 :
  • 白水社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560083161

感想・レビュー・書評

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  • 本の雑誌の炎の営業マン・杉江さんのWEB連載「蹴球暮らし」が単行本に。(#^.^#) ブログでも楽しみに読んでいたのだけど、一冊の本として読むとまた違った味わいがあってじわっときてしまう。.



    長年の本の雑誌読者としては、勝手に杉江さんのことをとても近しい人のように感じているので、
    娘さんのサッカーチームの父親コーチとしての日々を語るブログには、妙に肩入れしてしまって冷静に読めないことも。(汗)

    また、我が家は主人も私も娘たちも文化系まっしぐら、だったので、こんな経験は全くしておらず、
    だから、大変だなぁ、と思ったり、同じくらいに、楽しそうだなぁ、と思ったり。(#^.^#)

    元々、あまり運動が得意ではない、と言われる娘さんが徐々にサッカーにのめり込み、試合に出たいなぁ、とつぶやくという展開には、真っ黒に日焼けした横顔まで浮かんできて(お顔は存じ上げないので想像上なんだけど)感動でした。

    勝ち負けのある団体競技って、試合に出れるか、出れないか、ってとても大きなことだと思うのだけど、
    それを決めるのが、先生であるとか、外部から招聘したコーチであるとか、ではなくて、ボランティアでコーチを引き受けているメンバーの父親であるというところが難しいんだろうなぁ、と。
    そして、練習方法や試合へのモチベーション、親とのすったもんだ、などコーチとして、また父親としての苦悩を、杉江さんが自分の気持ちの奥まで覗き込みながら、とてもカッコ悪く(汗)読ませてくれるところがとてもよかった。サッカーのことなんて何も知らない私だけど、あれこれの迷いには、うん、そうですよね、と納得できるものがあったし、また、そんなお父さんを側で見ることができた娘さんも、きっと思うことが多かったんだろうな、と。

    娘さんは中学に入ってもサッカー部に入部。杉江さんの父親コーチはお役御免のようだけど、ホントにお疲れ様でした!
    息子さんは少年団チームで「ロスタイムの男」と呼ばれているんだとか。
    それにはかなり含みのある言い方らしいのだけど、娘さんと過ごした濃い日々の後に、今度は息子さんとのサッカーデイズが始まるんですね。

  • ごちゃごちゃ考えず、さっさと読んだら良かった。杉江さんの本なんだからとりあえず買ってはあったのだけれど、①サッカーはわからない。というより、周辺文化が肌に合わず苦手、②スポーツ熱血ものは(一部の例外を除いて)敬遠したい、③「父と娘」っていうのもなんだかちょっと…、というような諸々の理由で、棚に放置していたのだった。

    やっぱりねえ、たなぞう仲間だった方たちの感想を信用するべきでありました。さっぱりと、生き生きと、サッカーに打ち込む親子の日々が綴られていて、胸に響いたのでありました。

    著者と娘さんの関係にベタベタした感じがなくて、いいなあと思う。そしてそれ以上に強く心に残ったのは、杉江さんが、わが子と関わる中で、自分の両親とのこれまでのあり方を見つめていくところだ。とにかく自由に思った道を突き進みたかった著者は、高校受験や大学進学などの節目節目で、親の願いを蹴散らしてきた。そのことの重みにやっと気づいていく心の動きに共感せずにはいられない。

    娘さんが思いがけずトレセンのメンバーに選出され、試合で活躍した日の帰り道、車で初めての道を通りながら杉江さんは思う。
    「そこは娘がいなければ、おそらく一生通ることのない道だった。(略)もしかするとまだこれからも、知らない場所へ連れて行ってくれるかも知れなかった」
    このことを明日会社で同僚にどんなふうに話そうか、ウキウキと考える。そして…。
    「そこまで考えたとき、まるで後ろから車で追突されたかのような衝撃が頭のなかを走った。 両親は、私のことを誇らしく思ったことがあっただろうか。職場の人たちに自慢気に話したことがあっただろうか」

    じーんとくる。でも、老いてから息子の影響で浦和ファンとなってスタジアムに通い、孫の試合に駆けつけて応援するご両親の姿が、何よりも雄弁に親の思いを語っていると思うよ、杉江さん。


    *高野秀行さんがブログで、杉江さんのお兄さんが「サッカーデイズ」について書かれたものを紹介していた。すごくいいです。 → junsugie.wordpress.com/2013/08/21/

  • サッカーは下手だけどやるのも見るのも大好きで子供は小学生サッカーチームに所属という主人公と似たような状況でもあり、好意的に読み始めたけど、文が下手で素材を生かせてない勿体ない小説でした。子供に対する姿勢やコーチやチームの子供の親などとの関係も違和感や薄さがあって入り込めず。編集者はもう少しなんとかできたでしょ。

  • (縲取悽縺ョ髮題ェ後??201401縲擾シ壽惠譚大?蠖ヲ縺ョ縲檎ァ√?繝吶せ繝?縲?

  • WEB連載で読み、単行本発売すぐに買って読んだのに登録し忘れていたことに3年後気付きあわてて追加。

    全てのスポーツを愛する人へ。そして全ての親へ、オススメ。

  • 少年サッカー、少女サッカーに関わる著者の日常。
    そこにみられるシーンや感情、親子、仲間、様々なものを切りとった一冊。

  • ブログに掲載しました。
    http://boketen.seesaa.net/article/391215263.html
    40代おっさんの、少女サーカーコーチ奮戦記

    小学生の娘の、サッカーチームコーチを引き受けたお父さんの奮闘記。
    熱烈な浦和レッズサポーターであり、40代になっても草サッカーを楽しむほどサッカーは好きだが、中学時代レギュラーになれなかった暗い過去を持ち、教えることに関心も経験もない。
    頼み込まれて、いやいややる羽目になったコーチ稼業のために、終末の休みはすべてささげることになる。

  • 5年後にまた読む。

  • 感動して何度泣いたか。
    サッカーに限らず、スポーツ少年団的なものに参加している親(あるいは参加しようか迷っている人)にオススメ。
    そういう経験のある人は懐かしくて胸がジンとするし、親に感謝すると思う(自分がそうでした)。
    いま剣道少年団に挫折しかけている甥っ子と兄に、この本を読ませたい。

  • ☆ 4つ
    サッカー少年団のコーチ。実はわたしにも同じ経験が有るのです。始まりは現在中学二年の次男がまだ小学校に入る前でした。
    ご多分に漏れずわたし自身も中学/高校とサッカー少年をやってました(一応レギューラーだったぞ。ドダ!あ、まあそれが普通か、すまぬ)
    次男のサッカー少年団入団時、副団長さん曰く「幼稚園児が団に入る場合は保護者の方が原則付き添ってください。まあ、サッカー経験のあるお父さんの場合はそのままコーチになって頂くケースが多いですね。わはは」この言葉が始まりであった。
    で、わたしの場合はこの「サッカデイヅ」の二話目“抗議“に登場するカナエちゃん親子と割と似ている事情でそのサッカー少年団を親子共に退団したのであった。うちの奥さん曰くは「あの○○コーチの息子さんがトレセンに選ばれて、なんでうちの子は選ばれないの」と言った具合の事情である。そして退団する時には次に入るサッカー少年団が奥さん達情報網により既に決まっていた。確か小学3年の事であったと思う。長い様で短いコーチ生活でした。
    そぉして現在息子の所属チームは、秋のU-14地区大会に優勝し西尾張大会への出場が決まっている。その後県大会へと駒を進めてくれることを期待しよう。
    ありゃ、これでは我が次男の自慢話になってしもうとるぢゃないか。すまぬ。
    でわここで心を入れ替えて、こういう短編話の最後の締めの一行に書くとカックイイ文章例を杉江さんの例も引きながらいくつか書いてみます。ほとんど思いつき(瀑)。
    ・ その青い空はどこまでどこまでも続いていた。
    ・ 相手は短く鳴らしたクラクションに驚いたようであった。
    ・ 走りだした娘の後ろ姿をづっとながめていた。
    ・ ふと振り返った窓の外は雨が降り始めていた。
    ・ 堤防を吹き抜ける爽やかな風は秋の到来を感じさせてくれた。
    おそまつでした。すこすこ。

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著者プロフィール

1971年埼玉県生まれ。本の雑誌社勤務。著書に『「本の雑誌」炎の営業日誌』(無明舎出版)があり、同名の連載を「WEB本の雑誌」にて継続中。サッカーボールと友達になりたいが、なかなかなれない二児の父。

「2013年 『サッカーデイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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