- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560092682
作品紹介・あらすじ
ボラーニョが愛した初期の中篇
1938年春、パリの病院で死の床につく貧しい南米人のしゃっくりを治してほしいという依頼がピエール・パンの元に持ち込まれる。第一次世界大戦の帰還兵でメスメリスムの信奉者であるパンは施術を行ない、再度患者の病室を訪ねようとするが、謎のスペイン人の2人組にことごとく阻まれ、面会は叶わない……
隣国スペインで勃発した内戦の影、忍び寄る第二次世界大戦の気配、キュリー夫人の研究所といった同時代の社会背景が、作中に漂う不穏な空気を映し出す。巻末には『アメリカ大陸のナチ文学』を彷彿とさせる登場人物一覧と略歴を記したエピローグを収録。彼らの思いがけない人生の後日譚を読者は知ることになる。
「作者による覚書」によると、当初『象の道』と題してスペインの地方文学賞に応募し、書籍化にあたり改稿、『ムッシュー・パン』と改題された本書は、ボラーニョにとって愛着を覚える一冊だったという。ちなみにこの「南米人」はペルー生まれの前衛詩人セサル・バジェホ(1892-1938)。本書はパリで客死したこの詩人に捧げるオマージュとして書かれた。元来詩人として出発したボラーニョの新たな魅力を知ることのできる初期の中篇小説。
感想・レビュー・書評
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文学
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作家の初期の中篇。
主人公ムッシュー・パンの1938年パリでのエピソード。日常の些事が淡々と語られているうちに何とも奇妙な幻想的な世界に迷い込むことになる。
良作。 -
書籍についてこういった公開の場に書くと、身近なところからクレームが入るので、読後記は控えさせていただきます。
http://www.rockfield.net/wordpress/?p=9099