- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562023790
作品紹介・あらすじ
当時の社会派ジャーナリストの雄ヘンリー・メイヒューが、繁栄のさなかに巣食う貧困や喧騒に満たち市場、はたまた悪臭ふんぷんたる排水溝の中など、ロンドンの路地という路地へ誘う。
感想・レビュー・書評
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確かに埋もれていた当時の下町の様子。
著者が直接会って話を聞いてまとめたもの。
身分差があった場合なかなか正直な感想が手に入ることはほとんどなかった範囲ではあると思う。
あのロンドンで冬場裸足とか普通に死ねると思う、そして結構ちゃんとプライドを持って救貧院には行かないとか独自の考え方があったのだなと。
そして拾えるものは何でも拾ったみたいだからある意味街はきれいだったんじゃないかなリサイクルすごかったと思う。
意図はしていなかったと思うけれど詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
十九世紀ロンドンの貧民層を描き出すドキュメント。インタビューや解説から、そうした生活の辛さ、先の見えなさ、出口のなさなどが伝わってくるようだ。一括りにしがちだが、「貧民層」にも様々な人がいるようだ。
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下と合わせ多分1992年か1993年読了。
ロンドン下町の生活が盛りだくさんの本。大変緻密かつ膨大な情報が分かりやすく描かれている。
この著書で150年前のロンドン下町をあざやかにイメージすることが出来る。資料として一級。 -
ヘンリー・メイヒューは、19世紀当時としては、著述家の中でも大変、稀有な存在ではなかったのか。
階級意識の非常に強い時代にあって、決して上階級からの目線ではなく、机上の分析ではなく、路上を住処とした人々への徹底したインタビューによって、労働者階級の人々の暮らしを映し出した。
人の声によって紡ぎだされる歴史の断片は、有機的で決して色あせない。
路上の呼売商人、花売りの少女、売春婦、大道芸人。
劣悪な安宿。一ポンド劇場。人々で溢れかえる古着市場。
日々の生活にあくせくしながらも、懸命に生きる商人たちの一抹の誇りは、彼らにしか理解できない訛りの中に映し出される。
裸足で物を売る少年たちは、警官に殴りかかることで、その勇気が称えられる。
決して這い上がることのできない少女たちは、望んでいない生活の中で、身を売る日々から抜け出せずにいる。
メイヒューの視点には、路上の人々への温もりがある。
また、無教養な人々への絶望がある。
食材・衣服が色とりどりと溢れかえる一本の路上には、昼時の熱狂と、平日の惨憺たる静けさがある。 -
2009年12月11日 創作の資料に借りる。大英帝国は暗いところはとことんくらいから悲しい
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大英帝国の19世紀頃の雰囲気を知りたいのなら、この本が一番読み物として面白かったと思います。というか、これしかなかったというか…(笑)今はもっと面白い本が増えてるのかなぁ?