異邦の騎士 改訂愛蔵版

著者 :
  • 原書房
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本棚登録 : 138
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562029679

感想・レビュー・書評

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  • あくまで個人的意見だが、本書は今まで読んできたミステリ小説の中の最高傑作である。当然最も好きなミステリ小説でもある。

    御手洗潔を知り、ファンになったのもこの作品。

    島田荘司作品は出版順に読んだ方がよいというファンも多いが、私は好きな順番に読めばいいと思っている。

    なぜなら、順番にこだわり過ぎて、読むこと自体をやめてしまう人が多いようだから。

    島田作品を読まなくなってしまうくらいなら、ファンの方が高評価をつける面白作品を優先して読むに越したことはないとついつい思ってしまうのだが……。

    本書は、まさにそんな作品。ミステリ・ファンなら読まなきゃ!

  • 読み始めは、いったい誰だこいつはと思いつつ、まさかあの人なのかという予感を秘めたまま、ようやく御手洗登場。
    話自体は中盤に本当なのかどうかは置いておき、これでもかと憤るような内容になり、徐々にあれ?という様相に。
    ようやく種明かしがされても、起きてしまった事件は取り戻せず、今一つすっきりしないまま終了。
    こんなふうに出会ったのかとは思うものの、自首も裁かれることも罪の意識もあまりないままだというのが、自分の中で消化しきれていないのかと思う。
    鉄の馬に乗って颯爽と現れる御手洗は、やはりかっこよかった。

  • 意外な展開でおもしろかった。

  • 面白かった。この作品は筆者島田荘司の24作目くらいに発表された作品らしいが、原稿を書いたのはまだ島田荘司がデビューする前であり、これが処女作。よって巨匠・島田荘司の作品としても意義のある異端作となっている。以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou5105.html

  • 御手洗潔シリーズ。

    記憶喪失となった男性からの視点で。途中、あまりにも痛々しくて読み進めるのがちょっと、、、と思いつつ、それでもページを捲らずにはいられない。終盤まで、今回はサスペンスもの?と思って読んでいたら、最後はやっぱり本格ミステリだった。ただ、真相を知って、すっかり騙された感は得られたものの、同時にご都合的と思わないでもないカナ。いつ記憶を取り戻すか、なんて博打も同然だと思うんだけど、、、。
    とは言いつつ、御手洗&石岡コンビにはなくてはならない事件だと思うので、シリーズ読者には必読な回ではありますね。

  • 出だしで引き込まれ、途中で内容の暗さにうんざりして読むのをやめようかと思う。
    あれあれおかしいな、と話の展開にあわてて、
    謎解きの爽快感に安心感。
    その後の悲しさが胸に引っかかったまま読み終わる。

    完全に翻弄させられた。

  • 12/31 再読(前回は文庫版)

    色々と忘れていたので楽しく読めた。

  • なかなか面白かった.

    ひとつはその読みやすさ,全体的に理解しやすく,登場人物もあまりいないため,全体的な関係把握が非常にやりやすい.

    そして,その内容の良さ,記憶喪失から始まる物語は数多くあれど,記憶喪失である人をどのように操っていくか,最後にその過程が明らかになっていくわけだけど,そこに至る過程がすっと胸に入ってくる.

    ただし,問題がないわけでもない.遺産を手に入れるためにせよ,そのためにわざわざ記憶喪失の人を複雑な手順で操るような面倒なことを,果たして選択するだろうか?ということ.

    もちろん,犯罪者の身代わりを作るというのはありだけど,もっと簡単なやり方があったのではないか? 例えば記憶喪失の人を操るために作成したニセの記憶のノート,そこに記載されていた事件なんて,警察で調べればそんな事件はなかったことがすぐに明らかになるわけで,身代わりとしてはすぐに役に立たなくなる.

    こういった無理な点は多少見受けられるが,それでも読み終わったあとには悔しさと悲しさと清々しさが残り,個人的には高評価であった.

  • 御手洗潔シリーズ。
    これは出会い編…なのかな?
    名前による数々の不幸を語る御手洗…けっこう根深かったんだね(゜Д゜)
    記憶をテーマにしたミステリーですな。
    失っていた記憶がこんなだったらイヤだ(T-T)自分で想像してみてハラハラした。
    この頃の御手洗大好きだ☆最後は切ない。

  • 10月24日読了。「このミステリがすごい!」1988年の第5位、国内総合でも第30位の作品。記憶喪失の男が偶然に出会った女性と愛を育む中、過去の記憶に苛まれ下した決断の行方は・・・?作者自身が言うとおり、若さ・荒削りさがあふれる文章だがそこが逆に読み手の感情移入を誘う。御手洗潔の変人ぶりとクライマックスでの颯爽とした登場、終盤で見せる主人公への友情がカッコいいし、泣かせる。謎解き自身に意外性・独創性があるわけではないが、実に読ませる面白い小説だった。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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