- Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562039654
作品紹介・あらすじ
アンチエイジング、電車内化粧、メトロセクシャル、美容整形…"顔にあざのあるジャーナリスト"と"化粧文化研究者"が顔から「現代」を読みとく。
感想・レビュー・書評
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自分も身だしなみとして「加齢」を気にせざるを得ない年齢になり、はてさて困ったものだ、と思っていたところにその概念がある種の「社会的病理」である、と指摘されたことはある面とてもスッキリしたものの、別の面では怖くなった。イマドキは「初対面の印象は見た目で8割」というコトバに誘われてか、「嫌われたくない」症候群の現代人はこぞってそれに倣い「小綺麗」を心がけ、本書にもある通り「誰が誰だかわからない」無個性化の中に埋没しているかのようだ。自分が自分でいられない世の中、これはあまり歓迎したくない状況だ。
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必死で、万難を排して、時間と金を無限に注ぎ込んで、あとちょっとだけキレイになる必要があるの?
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「必死で、万難を排して、時間と金を無限に注ぎ込んで」
憎しみを抱いているようなコメントですね。。。
女性が美容やお化粧に、どれ位の時間とコス...「必死で、万難を排して、時間と金を無限に注ぎ込んで」
憎しみを抱いているようなコメントですね。。。
女性が美容やお化粧に、どれ位の時間とコストを掛けているか判りませんが、ホドホドなら良いんじゃないですか?
化粧するって、気持ちを切り替えるのに良さそうな気がします(呑気な野郎でスミマセン)。。。
同列に考えて良いかどうか判らないのですが、若ハゲだった某氏がカツラを始めた時、私を含め周りは「エッ」となってましたが、ご本人は気持ちが軽くなったのか、生き生きと仕事されていました(20年以上前なので、結構なコストだと思うのですが)。。。2013/02/06
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それほど興味があったわけではないけどたまたま読んでみました。
本書でに「現象学」は自分の知っている現象学とは違う気がしてならない。そもそもこのタイトルが自分には意味不明。 -
生々しい本。
現代の日本における美醜感覚、その評価から外れた人たち。若さと老い。社会の構造。
人は見た目が全てと言っても過言ではないと思うし、見た目が少しでも良くなるように努力する。自分の気分がそれで良くなることを通り越して、社会が求める美しさを追って自ら首を絞めていく。 -
思索
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「人を外見で判断してはいけません」というのは、かつて当たり前の価値観としてあった。ところが、現代は「見た目も大事」と言ってはばからない。いやむしろ、「見た目がイケてないやつは、結局ろくなヤツじゃない」というところまで進んでいるのではないか? こうした社会の変化を、化粧、ダイエット、美容整形などを通じて考えていこうというのが本書。
あらゆる手段を使って「美しくありたい」と思うことは、ほんとうに「善」なのか。自らも顔面にアザを持ちNPO法人ユニークフェイス代表として活躍するフリージャーナリスト石井と、化粧文化研究者の石田が、交互に意見を交わす形式で互いの問題意識をぶつけている。
「キレイでいたい」という欲望が「善行」としてはびこる現代社会。そしてそれをサポートする手段は、よりどりみどり。だから、努力しない人は、怠慢怠慢! それが社会の風潮なワケ。では、「キレイじゃない自分」は、自分ではないのか? 「キレイな自分」というイメージを際限なく消費し尽くしていくと、結局は「一部の勝ち組と、その他大勢の負け組」という社会(なんつーか「見た目格差社会」だね、ソレ)ができかねないぞ、と著者2人は警告する。
消費社会の中で、肥大する一方のセルフイメージ。その危険を自覚し、「ありのままの自分」、「ひとそれぞれ・年それぞれの美しさ」を大事に、という結論は、安心できる。反面、なんというか予定調和でちょっとしらける面もある。
「結論ありき」で社会を観察しているかのような石井の論調が、ちょっと気になった。しかし、個人の体験をベースにした部分はかなりの説得力を持っている。
一方、それを受け止める石田のパートは、思想や歴史ベースの教養の深さが感じられ、落ち着いて読めた。が、そのぶん「あたりまえ」感は否めない。
「キレイな人が好き」という感情は、いうなれば遺伝子レベルで組み込まれている感情である。鳥が囀り、蝶が着飾るのと同様、人間も「若く美しい」相手を求め、自分もまた「美しくあろう」とつとめる。この本では、「かつてはそれほどじゃなかったけど、今は外見至上主義だ」という立場をとっている。でも「そんなことない」と思う人だっているはずだ。昔から美人はトクしてたし、カッコイイ男が総取りしてたよ、と。論の射程として、そういう人たちにこの本が届くとは思えないのも、ちょっと残念。次に著者が本を出すとしたら、そういう「本能レベル」の考察も、ぜひ加えてもらいたいと考える。 -
なぜ「美しい=いいこと」なのか。
なぜ「醜い=悪いこと」なのか。
石田かおりが『化粧』の定義を広げすぎていて、しっくりこなかったり。 -
タイトルと表紙のインパクトがすごいんで、手にとってみたけれど、イマイチ本質はよくわからなかった。
いわゆる一般論を肯定するわけでもないし、否定するわけでもないし。
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現代の「外見至上主義」の暴走、
アンチエイジングなどの化粧の変化、
自分の中の美意識など、
「美」に対する現代の志向を考察した本。
どの章も興味深く、面白い。
400ページ近い分厚い本だが
一気に読めた。
ただ難点を挙げるとすれば
ジャーナリストの石井氏と化粧文化論者の石田氏の2名が
章ごとに執筆しており、
時折「石田さんの言われている〇〇は〜」とか
「石井さんの△△について〜」と
双方の主張を引用している箇所があり、
ちょっと混乱しそうになるところか。