- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562041879
作品紹介・あらすじ
ある素封家一族の、当主の妻が不審死を遂げたが、警察はこれを自殺として捜査を打ち切ってしまう。それが始まりだった。当主の妻の一周忌には「円錐形のモニュメントに真上から突き刺さった少女」、三回忌には「木に括りつけられさらに首を切られた少女」、七回忌には「唇だけ切り取られた少女」…と忌まわしい殺人が続いていく。そして十三回忌を迎える。厳戒態勢のなか、やはり事件は起こった。
感想・レビュー・書評
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田舎の名士の家にて、ある女性の命日ごとに、少女達が不可能犯罪で死んでいくといういかにも本格探偵小説。作者の長編デビュー作。とにかく物理(ぶっとび)トリックの鬼です。小説としてはおかずが多すぎて一品一品が薄味な定食という感じ。フーダニットもホワイダニットもないも同然なのだが、とにかくトリックが楽しい。そしてわかる訳がないので、頭を空にして読める。
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資産家の館で法要のたびに起こる殺人事件
不可能犯罪に密室殺人、鉄道事故に聞こえる死者の声…、たっぷり詰め込んでこれが噂のやりミス(やりすぎミステリ)!
謎はまだまだ残っているのに、どんどん少なくなっていく頁。これは大丈夫なのか?と心配したけど大丈夫でした -
長編デビュー作。
プロローグ
第一章 一周忌
幕間一
第二章 三周忌
幕間二
第三章 七回忌
幕間三
第四章 探偵
幕間四
第五章 十三回忌
第六章 犯人
第七章 対決
エピローグ
静岡の大富豪・宇津城家で、当主の恒蔵の妻・律子が不審死を遂げてから、周忌の度に家族が殺されていく。
密室や不可能な殺害方法、家族全員のアリバイ。
殺人鬼は家族の中にいる。
警察と探偵の双方で事件を解明していく。
正統派のミステリーで、この中の誰かが!!という前提で、少しずつ謎解きが展開されていく。
やや強引さもありましたが、デビュー作ということで他の作品も読んでみようと思います。 -
読了日2013/05
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ある資産家の当主の妻が不審死を遂げ、その法事の度に一族の者が殺されていく。
初読みの作家さん。予備知識なしに読んで、倒叙ものかと思っていたら、バリバリの叙述トリックにやられた。
後で知ったところでは、「やりミス」を自称している作家さんだとか。それも納得できるほど、大がかりな仕掛けやトリックが満載。
地方の資産家一族のお家騒動、殺害状況の異様さ、少し古い時代設定も合わさって、横溝正史のような雰囲気が少し漂う。
そんな中、探偵役の海老原の軽さが際立つ。シリーズ一作目らしく、まだキャラが読みきれないけれど、他の作品も読んでみようかな。 -
2011/11/13
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初めての長編ながら、ベタランの様な筆力があります。
探偵が少し頼り無いのと、刑事のキャラに違和感がある以外は、面白く読めました。
物語もスムーズで、謎解きの面白さも楽しめる佳作です。トリックに無理が見られるのは、犯人が意外な人物だからその辺りが読みどころかな!
次作も読んでみたくなりました。 -
横溝的なシチュエーション。久々にこういう本格モノ(?)を読んだような気がする。
幕間の文章にすっかり騙された。後で読み返すと、確かにミスリードされていることに気付ける。この犯人の意外性にはヤラレた感があった。殺害トリックがかなりの大技なので、評価を二分しそうだが、それが持ち味の作品ならば、私は素直に楽しんでおこうと思う。
ただ、探偵のキャラが微妙。彼の登場で、それまでの淡々とした感じから一気に軽くおちゃらけた雰囲気に様変わりしてしまった。前半の雰囲気の方が、私は好きだったな、、、、。警察の捜査員の雰囲気まで何故か変わり、終盤のよく分からない捜査員同士の確執とその後の大団円は何なんだ??と変に白けてしまった。正直、その辺のサイドストーリーは要らなかったように思う。
全体のストーリー構成は面白くて良かったと思う。文章もそれなりに読みやすい。これが著者の長編デビュー作のようなので、変な粗さはあったけれど、まぁ及第点。この探偵さんでシリーズ化されているみたいだが、そのうち彼のキャラにも慣れるかな?次作も読んでみたい気にはさせられた。