眠れる森の美女にコーヒーを (コージーブックス コ 1-4 コクと深みの名推理 14)
- 原書房 (2016年8月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562060559
作品紹介・あらすじ
秋のおとぎ話フェスティバル〉で、ピンク・プリンセスに扮した女性がまるで眠り姫のように意識不明の状態で、森の中から発見された。続いて、レッド・プリンセスも何者かに命を奪われてしまった! 二人が共通して持っていたのは「金の鍵」のネックレス。これが秘密の高級クラブの通行証だと突き止めたクレアは、おとぎ話よりも不思議で危険な、NYの裏世界に潜入することになり……!?
感想・レビュー・書評
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ミステリーもさることながら、相変わらず香り豊かなコーヒーと、よだれを誘う料理の数々。
童話好きには、少し物足りないかな。 -
久々に満足のいく面白さだった。
シリーズ14巻目。1巻目が翻訳されたのは2006年のことだから、短くない付き合いである。
しかし、いつの頃からか、面白さが落ちてきたように感じていた。
主人公が、スーパー過ぎるのである。
コーヒーショップのマネジャーなのだから、コーヒーに詳しくうるさいのはいい。
けれども、アートに詳しく、料理にも詳しく、恋愛にも一家言あり、ニューヨークの街と歴史を語れ、
人々から一目おかれ、信頼され、人脈に恵まれ、妙にもてて、
コスプレと潜入をし、鋭い直感を元に、毎度毎度殺人事件を解決するというのは、万能すぎやしないかと。
そんな私の疑問煩悶に応えてくれたように、今回、著者は開き直りのような手に出た。
『ニューヨークの街を舞台におとぎ話をテーマとしたおとぎ話仕立てのミステリの構想を練りました。』
まえがきで堂々の宣言である。
なるほどおとぎ話なのだから、主人公がスーパーでちょうどよいのである。
不思議な能力の数々に恵まれていないと、不自然だ。
話自体はミステリである。ちゃんと事件がある。犯人を捜さなくてはならない。
演出はおとぎ話である。ニューヨークという魔法じみた街を、冒険して謎を解いていくのだ。
それにしても、考えてみれば、主人公がスーパーすぎることに、なぜ違和感をおぼえたのだろう?
変装、潜入捜査、心強いサポートたち、いろいろな方面にえらく詳しい、妙にもてる、アマチュア探偵・・・・・・
男性だったら、たくさんいるのだ。
本職は神父、ラビ、心理学者、作家、医者、記者、独身貴族、既婚貴族、執事、給仕 etc.etc.etc......
ここに、コーヒー店のマネジャーがいたって、ちっともおかしくない!
つまりは、スーパーな主人公が女性だから違和感を覚えたということだろう。
ウカツなことだ。
そんな自分に気付かされた1冊だった。
ともあれ話は、いや物語はというべきか、満足いく面白さだった。
シリーズを読み続けたことを悔いることなく、これからも迷いなく続きを読んでいける。
よかった。 -
魔法のコーヒーで不思議なシーンが出てきて、いつもと少し違った雰囲気の今回。
「秋のおとぎ話フェスティバル」という催しが開催される中、森で若い娘が倒れているのが発見される。その後、その娘の友人が遺体となって見つかった。
容疑者として逮捕されたのは、クレアの元夫マテオ。
元夫の容疑を晴らそうとクレアは奔走する。
出てくるお菓子も、コーヒーを飲んで見る夢も、おとぎ話がテーマになっていて面白い。
エスターと共にクレアの恋も新たな段階に進みそうで、それも楽しみです。 -
クレアのシリーズも14作目。
コージーにしては書き込みの多い作品です。
今回はちょっと味わいが変わっている?
クレアはニューヨークの老舗コーヒー店のマネジャー。
元姑がオーナーで元夫がバイヤーという複雑な環境ながら、才能ある店員たちにも恵まれています。
クイン警部との恋も、遠距離になった悩みを抱えつつ、進行していきます。
セントラル・パークでの秋のフェスティバルに参加することになったクレアたち。
おとぎ話がテーマなので、扮装をした人物が公園内にいっぱい。
クインの子供たちの子守をしていた娘も、プリンセス役を演じることになっていました。
ところが‥?
元夫マテオに容疑がかかり、クレアは手がかりを探して奔走することに。
マテオが買い付けた不思議な効能のあるコーヒーを使って、幻夢を見ることまで試み‥?
大学の研究者がデータを取るといった実験になるのが面白いところ。
リアルさと奇想天外な要素、ニューヨークならではの派手さ、ユーモアやロマンスと盛りだくさん。
好奇心は旺盛とはいえ真面目な性格のヒロインで、よくここまで盛り込めるものです☆ -
謎解きに不思議要素はいらない派です。