- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566014152
感想・レビュー・書評
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雉の密猟〜ダニーは小さなガソリンスタンドを営む父と二人暮らしだが,敷地の周りはヘイゼル氏のものであり,氏は雛の雉を育てて,お偉方を呼んで雉撃ちパーティーを催す,いけ好かない男だ。ダニーが一人で夜留守番が出来るようになると,父は密猟に出掛けていくが,森番の作った落とし穴に落ちて足首を折ってしまった。ダニーはレーズンの中に眠り薬を仕込んで,眠らせた雉を拾い歩く密猟の方法を考え出し,村人が協力して成功を収める〜なかなか,痛快だ。犯罪になりにくい犯罪,忌むべき悪習をうち破る確信犯
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お父さんと二人暮らしのダニーは、
とても幸せに暮らしていた。
しかし、ある日真夜中にお父さんがいないのにきずいたダニーは
そこでお父さんが密猟していることを知った。
お父さんが密猟しているのは、キジ。
そこから、ダニーは密猟を知っていく。
この本は、けして悪い本じゃなくて、
悪者を倒したような感じの本だ。 -
こういうお父さんいいなー。
まさに理想のお父さん!
主人公の男の子も好き。 -
ジプシーの荷馬車を改造した家に住んでいる「ぼく」の父さんは《男の子にとっての最高のわくわくする父親》(p.17)なんだけど、ある秘密の楽しみを持っていいた。
さてさて、ダニーは何の世界チャンピオンになるのでしょう?
【イーノック・デッケノボー】怖そうな巡査さん。密猟のグル。ことばの最初に不要なHをつけたり、存在しているHをはずしたりしてしゃべる。
【田舎の人間】長道を歩きなれているから《大股ですたすたはずむように歩く》らしい。
【馬毛がらめ】祖父の発明した雉密猟技術の第一。
【オーバナ先生】校長先生。赤い鼻だけが目立っていて、いつか破裂して先生を吹き飛ばしそうなほどらしい。奥さんがとんでもなくすごくひどい悪妻らしい。
【雉】密猟の対象になる獲物。法律上では「野鳥」なので雛から育てたとしても自分の地所から離れたら自分のものではなくなる。
【クリップストーン夫人】牧師の奥さん。密猟の戦利品の運び屋さん。
【コックス・オレンジピピン】荷馬車の裏手にあるリンゴの木。秋になって実がなると適当に採って食べることができる。熟すと種がコロコロ鳴る。
【コラード先生】親切な男の教師で六十歳以上と思われるがバーズアイ先生に恋している。
【白尻】密猟者は森番に見つかったら後ろから鉄砲で撃たれる。その銃弾を尻からほじくりだした傷痕が白く残るので当時の村の男たちは皆白い尻をしていたらしい。父さんの父さんはその中でもチャンピオンの白尻だったとか。
【スペンサー先生】四十五年近くこの地域の人を診てきた七十歳を越えている医師。しぼんだリンゴのような感じ。「ぼく」は年寄りのエルフみたいだといつも思う。
【その後は…】《そしてそのあとは? そうさ、またなにか別のことがあるさ》p.291
【チャーリー・キンチ】タクシーの運転手の爺さん。密猟のグル。
【父さん】《男の子にとっての最高のわくわくする父親》で、いろんなわくわくすることを思いついて遊んでくれる。ガソリンスタンドを経営している腕のいい自動車修理工。
【鳥の巣】卵をもった巣は世界で一番美しいもののひとつだというのが父さんや「ぼく」の意見で、卵にさわってはいけない。でも、雉は密猟するのね~。
【鳥もち帽】祖父の発明した雉密猟技術の第二。天才的な発想がとしかいいようがないらしい。
【バーズアイ先生】やさしい女の先生でちゃんと答えるとアニスの実のアメ玉をくれる。それはかみ砕かずに最後にアニスの実が出てくるまで舌で転がしてなめるのがコツ。
【ビッグ・フレンドリー・ジャイアント(どでかい優しい巨人)】父さんが幾夜もかけて聞かせてくれたお話。ダールさんのこの作品集に「オ・ヤサシ巨人」という巻があるけど、ほぼそれと同じ。子どもに夢をプレゼントして歩く巨人。
【プラチェットさん】ベビー・オースティンの持ち主。
【ヘイゼル氏】ヴィクター・ヘイゼル氏。近隣の金持ちで、鼻持ちならないとってもイヤ~な男。「ヘイゼルの森」の地主で、密猟されても気の毒でもなんでもない。
【ベビー・オースティン】オースティン・セヴンの愛称で一九百三十三年製でもう四十年以上経つのに快適に走る奇跡のような小型車としては初めて成功した車。プラチェットさんの愛車。
【密猟】最高にわくわくするスポーツ。
【わくわく】《世の中でほんとうにわくわくさせるものは、たいてい、死ぬほど怖い気持ちにさせる。そうでなければ、わくわく興奮しない》p.80
【ラベッツ】森番のリーダー。こすっからい男。
【ランカスター大尉】「ぼく」のいるクラスを受け持っている厳しい先生であだ名は鬼軍曹。戦争時代のことが忘れられず自分をいまだに大尉と呼ばせている。体罰も平気。
【レーズン】雉はなぜかレーズンが大好物らしい。
【笑い】《父が目で笑う人なのが、ぼくはうれしい。つまり、ぼくに作り笑いをしないということだからだ。気持ちがきらきらしていなければ、目をきらきら輝かすことなんてできやしない》p.18
(2006-11-12読了) -
ガソリンスタンドを営む父親とともに箱馬車で暮らすダニー。ふたりは、近所に住む傲慢な領主に一泡ふかせる作戦を思いつく。
このお父さんが素晴らしい。ダニーとお父さんの暮らしがまるで追憶の日々のようにきらきらと輝いているので、てっきりこのあとなにか破局が待っているのだと思ってしまったくらいだ。この作戦を通してダニーは大人たちの秘密を知り、ダニーの世界は少し広がる。個人的に好き嫌いの幅が激しいダール作品の中で、けっこう好きな一冊だ。ただ、体罰教師のエピソードは余計。あれを入れるなら、何らかの仕返しをしなければ収まりが悪い。 -
指折り数えられるほどまで、読んだダール作品の中で、大好きな作品です。
表紙の青色のように、月光を浴びる銀色の夜の世界が魅惑的なほどに、記憶にあつく残りました。
柳瀬尚紀の訳が好きだな。
児童文学にしては、と眉根を寄せる方がいらっしゃるやもしれませんがね?
これは愉快な犯罪小説です。
悪を悪で成敗するような、愉快さがある。
アフリカの自然界をドラマチックに描い時、
人間が鑑賞する場合、その視点が大事。
チーターを応援するか、水牛を応援するか、
この児童小説だってそうなのです。
意地悪な領地主を笑い物にして、
犯罪者が集まる悪がきばかりのような村の人たちの側で
犯罪に笑い転げて、わくわくしたり、冷や汗をかいて手をこまねいたり。
読者は頁を開いたその瞬間、すでに犯罪者となりえているのです。 -
最高にはじけた父親と、その息子のワクワクする犯罪小説。
貧しいながらも父親と2人で慎ましく楽しい生活を送っていたダール。ところが、ある日父親の秘密を知ることになります。そして、ワクワクハラハラの一夜がやってくるのです。
ダニーと父親がやることは犯罪といえば犯罪なんだけど、スカッとするし先が読めないワクワクも感じられました。
ロアルド・ダールの作品といえば、独特なリズムの歌や皮肉な展開が有名ですが、今作はそれらがないかな。
でも訳者のあとがきを読むと、ちゃんと言葉遊びが含まれていたことがわかります。ロアルドダール好きな人でも、そうでない人でも楽しめる1冊だと思います。 -
特に面白さは無かった。嫌われ者をやっつけたいという考えは昔の自分に似ていた。
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親子の冒険にワクワクできちゃう!お父さん最高!
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