人間になりたがった猫 (てのり文庫 566B3)

  • 評論社
3.92
  • (15)
  • (16)
  • (19)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 123
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566022515

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ・この本には猫のライオネルという猫が、ステファヌス博士という博士ががライオネルを人間に変えて冒険するお話です。冒険する楽しさがよく分かりました。

  • 猫が人間になりたがるはずないじゃん、逆ならともかく。なんて思ったけど、面白かった。この作者は猫が分かってるね。絶対飼ってたと思う。
    人間になったライオネルに猫の美質がよく現れていてにやにや。身のこなしが素早くて抜群の集中力と瞬発力があり、根に持たず、くよくよしない。好きな人には膝にのって甘えちゃう。茶虎猫のような金髪に暗闇で光る緑色の眼。す、素敵。
    ライオネルが人間になっていく過程がこの本の読みどころ。人間に絶望した厭世的なステファヌス大学士も魅力的。確かにキャラクターはステレオタイプだけど、(ディズニー的な絵にかいたような悪役など)はらはらドキドキたっぷりで、最後はハッピーエンドではあるものの、哲学的な余韻がある。万人(特に猫好き)におすすめ。
    劇団四季のミュージカルもあるけど、(それなりにいいんだろうけど)猫好きには納得できない。だって、猫が三毛なんだもん。猫のこと知らない人が作ったってことは、この本に描かれているライオネルの猫的な素晴らしさは、舞台ではなくなってそうよね。だいたいさ、なんで人間になったライオネルがぶちの服着てんのよ。中世の物語なのに悪者はナチの制服みたいなの着てるし。あのビジュアルを見ただけで、見る気をなくす。本だけでよし。

  • 小学校のときにやった劇の原作。
    懐かしい。
    劇の脚本とは大分違った。
    劇の方がもう少しお気楽だったと思う。

    だんだんと人間らしくなっていく話は多いけれど、ライオネルがだんだんと人間らしい振る舞いをするようになるのは、読んでいて、ああ、だんだんと猫を忘れていく…。
    と実感させられた。

    まだ猫っぽいライオネルが塀を飛び越えたり、スリを思い掛けず捕まえたり、ペテン師のペテンをそうとは知らずに指摘したところは痛快。
    それでいて、スワガートに騙されてお金を取られたり、ジリアンに抱きついてキスをするところは滑稽。


    スワガートは救いようのない本当の悪党だった。

    わしはお前を人間の姿に変えた。本当の人間になったのはお前の力だ。
    というステファヌス大学士の言葉にははっとさせられた。
    魔法は姿を変えることは出来ても心まで変えることは出来ないのだ、と。


    久々にどんどん続きが読みたくなる面白い話を読んだ。

  • 魔法使いのステファヌスの飼い猫だったライオネル。主人に頼み込んで、人間にしてもらい、意気揚々と町へ向かいます。ステファヌスが、愚かな人間にうんざりして離れた町ブライトフォードへ。何しろ、姿は人間ながら、中身は猫のままでの旅でしたから、それはもうおかしなことも…。
    個性的な登場人物たちと、人間より優しい心を持っていたライオネル、やがて、悪政に苦しむブライトフォードの世直しのきっかけとなるのですが…やがて、人間以上に、(素晴らしい)人間らしくなってしまって…。
    お話の展開はとても早く、リズミカルな、ややどたばた劇調というかお芝居にも向きそう、と思っていたら、やはり劇団「四季」によって子どものためのミュージカルとして上演されていたのですね。

    アメリカ生まれの作者、ロイド・アリグザンダーは、イギリスのウェールズの伝説を基に、『プリディン物語』のシリーズを書いて、アメリカの児童文学で本格的なファンタジーを初めてもたらしたと言われています。
    訳者の神宮輝夫氏が、述べられていますが、ユーモアとウィットに富み、面白くて人間性あふれる、優れた作品を生み出しているようで、またいろいろ読んでみたくなります。 

  • 魔法使いの飼い猫ライオネルが、ご主人さまに頼んで人の姿にしてもらい、人間たちの町に出かけて行くという物語。

    個人的にはライオネルのご主人さまで、人間なんかになりたがって、きっと後悔するぞ、と思っている魔法使いがお気に入り♪

    猫という視点から人間を見ることで、人間の強欲さ、思っていることを口にしないという弱さ、他人を利用しても何も感じない心の貧しさが描かれています。

    もちろんロイド・アレグザンダーの魅力の一つでもある、とっても魅力的なキャラクターもたくさん出てきて、ライオネルを助けてくれるあやしい博士や、勝気ではつらつとした若い女性ジリアンなど、彼らがライオネルを助けて町長の理不尽な要求と戦う姿が読みどころ。
    人の姿になっても、あくまで自分は猫ですといい張るライオネルが可笑しいです☆

  • しらんうちになんか変な文庫から出てた。
    じんぐう てるお訳の魅力をかみ締める。ライオネルかわいいよライオネル

  • ライオネルは飼い主ステファヌスの魔法で人間の言葉が話せる猫です。
    そして願いは人間になってブライトフォードの町へ行くこと。
    あまりにしつこく願うので、人間嫌いのステファヌスは罰として、ライオネルを人間の姿に変えました。
    しかしライオネルが大喜びでむかったブライトフォードの人々は悪い町長パースウィグと隊長スワガードの圧政に苦しめられていました。
    そんな町のつぶれそうな宿屋で、ライオネルはおかみのジリアンに出会います。
    ライオネルは気のいい医者タドベリの力をかりながら、宿屋を手に入れようと狙うパースウィグとスワガードからジリアンを助けようとするのです。

    純粋な猫ライオネルが人間の姿になってたくさんの人に出会い、喜び、楽しみ、悲しみ、苦しみ、そして少しの憎しみとそれを抑える強い心を手に入れていき、だんだん人間に近づいていくようすがとてもすばらしいと思いました。
    ひとりひとりのキャラクターもとても魅力的です。

  • n:劇団四季の演目で、観劇の前に購入し、読み聞かせしました。「キャッツ」っぽいお話かしら?と想っていました。見事裏切られて、劇団四季共々大いに感動しました。これは、ゼヒ読んで欲しい1冊です。

  • 子供向けのファンタジーもの、主人公が猫の子ってのが面白いです。

全13件中 1 - 10件を表示

ロイド・アリグザンダーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×