カルロス・ゴーンは日産をいかにして変えたか (PHP文庫 た 47-1)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569576381

感想・レビュー・書評

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  • かなり古い本ではあるが、偶然本屋で見つけて最初数行で購入決定。
    読むのが遅い自分にしては超速で読めた。

    内容としては90年代末からの日産の大赤字、
    それを受けてのリバイバルプラン
    それを日産がどう実行していったか、
    そしてゴーンCOOがどういう役割を果たしていたかを
    取材を通して記したもの。

    時折筆者はゴーンCOOに対して感情的には否定的な見方を示すも、
    それでもその手腕については絶賛している。

    ・解決策は常に内部にある
    ・トップが責任と期限を明言する

    文中ではこの2点が特に印象に残った。

  • 日産トップについての物語。
    V字回復には痛みのある改革が必要!?

  • 「切る」・・・怖い言葉ですが、成功への鍵でもあります。
    今となっては過去の人かもしれませんが、日産リバイバルを達成した男の考え方に触れられます。

    これも東京駅で購入して、WEDGEとどっち読むか迷って、とりあえずこっち読んだなぁ・・・

  • 飛行機に乗る前,機内でさっと読める本を探していて,搭乗口前の売店でとっさに買った本です。日産車ファンの私はこれを読む前はゴーン氏のことをあまり好きになれなかったのですが,いかにして数々のリバイバルプランを立ち上げ,成功へ導いたのかをを改めて知り,大変ゴーン氏に親近感を持てるようになりました。

  • この本は今日借りたのですが、正直なところ、なぜ日産の本をオススメされたのか考え込んでしまいました。
    いえ、私はゴーン氏は最も優秀な経営者の一人だと思っています。
    数年前、彼を新大阪の駅で見かけたことも、とてもいい思い出です。
    でも、今年は、日産が黒字予想から一転2000億以上の赤字に。しかも、また大幅なリストラ発表。
    ですからねぇ。

    でも、それが読んでみるととても面白く、ためになり、納得できることばかりで、一気に読み終えてしまいました。
    日産リバイバルプランは、その成功によって非常に評価されましたが、仮に、失敗していたとしても、そのプランの中にあった考えや改革へ向かう意思は、あらゆる会社員が胸に刻み込むべき事柄であり、現在の日産の成績に左右されることではない、大企業を復活させるために必要な「真実」であると感じました。

    「それまでできあがったクルマのデザインは、他部門や経営幹部の得手勝手な注文で七変化するのが常だった。そして新しいクルマのデザインが完成したあかつきには、原型はあとかたもなくいじくりまわされ、無個性で、無難で、したがってまったく印象の弱いクルマになっていた」

    この問題はあらゆる会社のものづくりにおいて、カタチを変えて頻出しているケースだと思います。そして、あらゆる製品の性能が同じような品質になりつつある今、この問題を解決できるかどうかは、ヒットする製品を作り出せるか否かの最大要因となっていると感じます。
    いちばん単純でスマートな解決方法は、アップルのジョブスのように、圧倒的な最高責任者が、デザインに関して全権を持つことです。
    そんなことのできるだけの能力を持つ人物が、社会にほとんど存在しないのが、この問題がなかなか解決しない最大の理由なのでしょうけれども…。

    「(成功できなければ)『その時は私以外の人間が失敗の理由を説明しているだろう』」
    「失敗は許されないという緊張感」
    「日産には車好きがいない」
    「部門最適」
    「社員は会社がどうすれば立ち直るのか知っている。しかし、経営者には分からない。正論を正論として受け入れられない。ここに大企業の悲劇がある」
    「サプライヤーの数を半減=残ったサプライヤーは取引量が増加」
    「『日産リバイバルプランに対して明確で信頼できる取り組みを最初に示したサプライヤーが、最初に契約を獲得します』」
    「ブランドアイデンティティ=らしさ」
    「『リバイバルプラン策定にあたっては、成長による業績への貢献は一切、前提にしませんでした』」
    「これまでは取引の方法やサプライヤー自身にまで改革をせまるということを考えていなかった」
    「『会社が変わったからデザインが変わったのです』」



    最後に、最も心に刺さった言葉を。

    「問題の核心からはずれた経費の削減は、社員に対する嫌がらせにすぎず、そんなことではいつまでたっても財政難からは脱出できない」




  • ・誰も責任を取らない人事の仕組みをかれば見逃すはずが無い。責任と権限を明確にすること。社員に対しても実績が上がらない社員は容赦なくきっていくはずですし、社員にもそうした空気が伝わっていると思います
    ・日産の最大の問題は危機感が無いことだ
    ・トヨタ・ホンダと日産の違いはどこにあるかというと、答えはひとつしかありません。販売をベースに生産体制を整えたのがトヨタ、ホンダ。日産は逆に、生産をベースに販売体制を整えた。販売優先か、生産優先か、その違いである
    ・自動車メーカー各社の事情に精通しているアナリストは「日産には車好きがいない」ことが問題の根っこにあると指摘している
    ・ゴーン改革の求心力の核、それは会社をだめにした経営者にたいする社員たちの憎悪で形成されている
    ・ブランド力不足の解消。これこそが、日産復活の最大の鍵となると、ゴーンは実感していた
    ・スピードは最重要です。したがって日産リバイバルプランに対して明確で信頼できる取り組みを最初に示したサプライヤーが、最初に契約を獲得できます、この努力は今日から始まります
    ・アナリストは日産株を推奨したが、理由は、日本の大手上場企業でこれほど短期間に、これほど厳しい変革を実施した例は過去に無い
    ・他人と同じであることに安心感をいだくのではなく、他人と違うことに誇りを持てるかが、経営者・社員に求められている
    ・日本の企業は完全に2極かしている。過去のビジネスモデルがあらゆる場面で役に立っていない現実を改革できない企業と、ばっさり過去を切り捨てることができた企業
    ・経営はSKILLよりもWILLである

  • 今はどうか知りませんが、カルロス・ゴーンがきてから日産がどのように復活していったかを書いてある本。

    ブランドイメージの重要性を結構書いてあった。

    さっと読めるからいいと思います。

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著者プロフィール

1956年東京都生まれ。80年、慶應義塾大学法学部を卒業し、野村證券に入社。その後、出版社勤務を経て、95年に経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を設立。テレビ朝日系「サンデープロジェクト」「報道ステーション」などに長年にわたって出演。金融・経済誌への寄稿も多数。2015年、脳梗塞で倒れるが、リハビリを経て完全復帰。現在、BS11「タカラベnews&talk」に出演中。『京都企業の実力』『ローソンの告白』『農業が日本を救う』『中国ゴールドラッシュを狙え』など、著書多数。

「2020年 『冷徹と誠実 令和の平民宰相 菅義偉論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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