敵を作る文明 和をなす文明

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569622156

作品紹介・あらすじ

正義の戦争が叫ばれるこの時代にこそ我々の底に流れる「森と美の文明」を見直そう。

感想・レビュー・書評

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  • 人類の文明を、「畑作牧畜文明」と「稲作漁撈文明」に二大区分する。畑作(小麦)牧畜文明は敵を作り、力を行使する男性原理であり、稲作(米)漁撈文明は女性原理で和を尊び、美をもとめていくものだとする文明史論を環境考古学者と経済史学者が展望する対論。

    今まですっきりとしなかったブッシュの9.11のときの正義の闘い宣言が、敵をつくる文明論の中ですんなりと腑に落ちた。

    両先生の文明対論は、日本は「和をなす文明」そして「美の文明」を踏襲していく代表なのだと・・・・
    森を砂漠化し、侵略を繰り返す文明は滅びてきた。(だからこそ産業革命が起きてきた文明なのだけれど)
    しかし森・山・川・海と循環する環境保全こそ大切なのだと激論を交わす。
    時間軸と環境軸を踏まえた環境分析に興奮する。

    世界を歴史を俯瞰すること、そして現在と未来を見つめる。
    資本主義の行き詰まりかすまびしい中、よりどころとなる思考概念ではなかろうか。

    ※ 稚拙を恥じる。アマゾンで見たら書籍紹介文が出ていた。納得したのでコピー掲載。これから勉強します。

    出版社/著者からの内容紹介
    正義の戦争が叫ばれる今こそ、我々の底に流れる「森と美の文明」を見直そう。
    日本の進むべき道が鮮やかに浮かび上がる、時代の本質を抉る対論。
    同時多発テロ、イラク戦争という過程の中で見えてきたものこそ、敵を作り、正義を主張しあう「力と闘争の文明」であった。人類も地球環境も悲劇の淵へと落とし込むかのごとき現代文明の論理。我々が、この一連の流れや、この文明に抱いている違和感が何に起因するものなのか、本書を読めば即座に理解できるだろう。

     両著者渾身のエキサイティングな対論の中から浮かび上がるものは、我々日本人の底流に流れる、「森と水の文明」、「美と慈悲の文明」である。日本人は、森と水を守り、自然の美や人と人の間の慈悲の精神を尊重する文明を古来培ってきた。これは西欧や中近東、中国漢民族とは大きく異なるあり方である。
    この文明の本質が、梅棹忠夫の文明の生態史観からの刺激や、日本の稲作文明の源流とも目される長江〜雲南省の文明との対比から、解き明かされてゆく。

     日本の進むべき道を、大きな文明的見地から鮮やかに浮かび上がらせる一冊!


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