- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569663920
感想・レビュー・書評
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この本は、東海・東南海連鎖地震に伴う大津波が発生したという想定に基づきかかれた「小説」で、東日本大震災前の2005年に刊行されたものです。
読んで一番残念に思ったことは、あとがきや参考資料等の記載がなく、この小説にあるようなことが実際に起きる可能性があるのか、それともまったくの作り話で起きる可能性はまったくないのかを判断することができないことです。特に、作者が地震や災害の学者等ではないというのもあります。
ストーリー的には、東京・名古屋・大阪・高知に住む秋川家を中心に、春分の日の午後6時30分頃に地震が発生したという前提で、大津波が押し寄せ、人々が困惑しつつも被災していきます。
そして、そこで描かれているのは、
・空港や地下鉄の津波に対する弱さ
・避難訓練等が大切とわかっていても喉元すぎればすぐ忘れてしまう市民
・野次馬根性で海を見に行く若者
・お役所仕事で当てにならない国や自治体
・新幹線・高速道路・国道の大動脈を抱えながら被害を想像していない状況
である。
ただ「今だからこそ」なのであるが、これだけ悲観的に物を見ることができる著者であっても、原発に関する記載は1ページに満たず、当時の原発に対する安全神話の根深さを感じずにはいられない。
【なるほどな点】
・原子力発電所は建物自体が堅牢なので、地震によって破壊されることはなかった。また津波への対策も十二分に講じられている。だから安全の証明を残しておく必要があった。 (P157)
・「役人は前例で判断する。だから前例のないことはどうしても遅れがち、となるんですよ。困ったことだが」 (P168)
・「あまりに海岸近くを走る道路は、いったん何かが起こるとこれです」
「現実を目にするまで、誰もこれを想像しないわけか!」
そう羽島は呆れて言った。ついそんな皮肉も口にしたくなったのだ。当事者たちは口を揃えて、未曾有の災害で予測の外、と言い訳するのも判り切っていた。 (P179) -
言わずもがなシュミレーション小説。 スラスラと読みながら、TVドラマみたいだなと思った。 登場人物たちが話す内容から得られた事はあったものの、残念なことに物足りなさを感じた。
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本当にあったら…と思うと恐ろしい想定の本ですが自分ならどうするかを考えさせられたので良かったです。
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途中で嫌になってやめました。
失礼ながら、酷い文章です。 -
東海・東南海地震が発生。 東京に押し寄せる津波。
これまでも地震に関する小説はたくさんあったが、地震後に襲ってくる津波にスポットを当てた小説は小説はそう多くない。
自分が江東区という、東京・下町の0m地帯に地下鉄を使って通勤していることもあり、ひとたび津波が発生したらどうなってしまうのかというのは、とても気になるところ。
東海・東南海地震が発生するとどんなことになるのかということが、単純に分かった。
単純に分かったというのは、知識として分かったということ。
どういうことかといえば、タイトルは”近未来ノベル” つまり小説であるが、ストーリーもなく、作者自身が調べたことを、とにかく登場人物に何とかしゃべらせようとしているという感じ。
絶対にこんな会話をする人たちが集まることは無いなという、リアリティーの無さが、地震や津波の恐ろしさを伝えるというよりも、作者の研究発表作品になってしまっている。
なによりも津波のことを意識するあまり、大地震が発生したら、確実に止る東京を始めとする大都市圏の地下鉄や新幹線、ローカル線が、すぐに動き出しそこに津波が襲うため、被害が発生するという想定。
最後は地震後のパニックを描きたかったのか、主人公が桃太郎侍のように日本刀を振り回し、暴漢を退治してしまう。
おいおい、一体どうなっちゃうの!? てな感じで、しらけてしまった。 -
道貫さんみたいに行動できるのか。
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震災前に書いた本のよう。全く臨場感が感じられなく、かなりつまらなかった。
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友人より借りる。古本屋でふと見かけて買ったとのこと。
東日本大震災以前に書かれているので、ライフラインの寸断についてや首都圏のもろさなどについてかなり参考にはなるかも。
津波火災や原子力発電所については、事実は小説よりもすさまじい。
外国人に対する描写がやや、排他的でもあり、身内びいきの御都合主義的箇所もあるが、それでもひとつの例としてとりあえず、読了。 -
4569663923 299p 2005・5・23 1版1刷
◎津波のシーンは東日本大震災を思い出す。
小説としては大味な気がしますが著者のライフワークとしてみると各所にサバイバル(生存術)が多く見られる。