私の行き方 阪急電鉄、宝塚歌劇を創った男 (PHP文庫 こ 48-1)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569666891

作品紹介・あらすじ

「今日の社会はなかなか成功できないと聞くが、成功の道がないとは思われない。例え、無一文でも、事業でも何でも出来る」-小林一三は昭和十年頃にこの言葉を実践し、阪急グループを築き上げた。「大学は出たけれど」就職もままならない一三の生きた時代と、ニートが急増している現代は、はからずも似通った部分が多い。彼が不況の時代をどう読み、どんな行き方をしたか。今に蘇る処世、経営哲学。

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  • 阪急電鉄、阪急百貨店、宝塚歌劇、東宝を創業した小林一三氏。
    鉄道を引き、沿線の宅地を販売して、スーパーを立てて、行楽地を作って、乗客を増やしていく、私鉄の定番のビジネスモデルを作り上げた方。
    自伝というよりも、教訓を混ぜたエッセイといった感じです。

    気になった言葉は以下です。

    ・サラリーマンに限らず、社会生活において成功するには、その道でエキスパートになる事だ。
    ・何かの方面において第一の人物になれば、たとえ無一文でも、事業でも何でも出来る。
    ・本当に優秀な人を採用するには、まだ何も知らない純白な熱心な人を導く方が、好結果を得られるようだ。
    ・平凡な事を課して、それが完全に実行される人ならば、将来見込みがある。
    ・有用に材たらんとする青年は平凡でなければならない。平凡の非凡とは、平凡な事を忠実にまじめに実行する事以外にはない。
    ・信用を得る第一の条件は、正直でなければならない。第二の条件は、礼儀を知る事である。第三の条件は、物事を迅速に正確に運ぶことである。
    ・信用を得る道は誠実にお客本位に行う事である。
    ・人のの特質を発揮できる教育とは、本人が天分を自覚して自分で勉強するより他に道がない
    ・第一に現状を処すという事が一番大切だ。与えられた仕事にベストを尽くすことだ。
    ・たとえつまらぬ仕事でも完全にやり遂げようとベストを尽くすと必ず現在の中に次の仕事の芽が培われるものだ。
    ・事業経営の神髄は予備行為、準備行為に充分の用意をすることである。すなわち基礎に重きを置く事である。馬鹿念を押すに限る。
    ・事業経営について一番大切な事は、良い人を集める事だ。
    ・仕事というものは、右から左へさっさと片づける。思い立った名案でもあったら、すぐに実行に移す。こういう風に、水の流れるように処理してゆけば、いつでも悠々としていられるものだ。
    ・成功の秘訣は、独創と努力にある。
    ・何事にもよらず無理は禁物である。
    ・私どもは常に結果を持ち、いつでも次の準備工作を怠っていないのであって、機が熟した時に初めて仕事を興すのである。
    ・およそ商売は安全に確実に行けば行くほど利が薄くなるのは決まり切っている。

    目次

    使う時・使われる時
    事業・東京型と大阪型
    学生と語る
    演劇経営作戦
    私の経営法
    夫婦問答
    あの頃・この頃
    三つの人生
    あとがき

    ISBN:9784569666891
    出版社:PHP研究所
    判型:文庫
    ページ数:336ページ
    定価:619円(本体)
    発売日:2006年09月19日第1刷

  • 半世紀も前のものです。社内向けの薫陶という感じ。

  • 社会生活において成功するにはその道のエキスパートになることだ。結局は黙って働くことだ。
    出世の道は信用を得ることである。正直でなければならない。礼儀を知ること。物事を迅速に運ぶこと。頼まれた仕事はすぐに行うこと。

  • 誰だったか記録していないのが私の興味の限界だが、日経新聞に掲載される経営者の愛読書コーナーで取り上げられていた一冊。という書き出しもいい加減過ぎるので、改めて調べた所、リーダーの本棚というコーナー、資生堂の魚谷社長の座右の書だった。別に魚谷社長に感じ入るものがあるわけではない。しかし、実業界を走り抜け数々の成功を収めた小林一三の書はいつかは触れたいと思っていたのだった。耄碌したもので、この紹介で思い出したのだった。

    書に、人生行路における人間の勤務との言葉がある。この言葉が響いた。

  • 野中郁次郎『経営は哲学なり』では、阪急、東宝、宝塚歌劇などを牽引した小林一三を論及!!

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著者プロフィール

小林一三(こばやし いちぞう)
明治~昭和期の実業家、政治家(1873~1957)。山梨県北巨摩郡韮崎町(現・韮崎市)に生れる。慶應義塾卒業後、三井銀行入社。箕面有馬電鉄(現・阪急電鉄)創立に参加して専務、のち社長。宝塚少女歌劇、東宝映画などを創設。阪急百貨店、東京電灯(東京電力の前身)社長。第2次近衛内閣の商工相、幣原内閣の国務相、復興院総裁を歴任。戦後、公職追放解除後に東宝社長。逸翁は号。

「2016年 『逸翁自叙伝 阪急創業者・小林一三の回想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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