ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569674735

感想・レビュー・書評

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  • 最近はやりの速読の本ではあるが、主旨はまったくことなる。他のフォトリーディングや眼球運動トレーニングを否定し、(完全に否定ではない本の選択の際などには使えるとは言っている)飛ばし読みではない速読テクニック(先読み)を紹介している。
    冒頭に書かれている博士号を取得したものしか、速読術を教える資格がないとうのは納得した。海外の大学の場合、博士号をとるには、年間1000冊といった読書量が必要になるからだ。
    後半になると、単なる読書の話から飛躍し、いつもの苫米地さんの脳活性化、夢実現、メディアリテラシー、世界平和の話になってくる。速読テクニックを期待して読むと、ガッカリするかもしれないが、この値段で、いままでの苫米地著作のダイジェスト的な内容が読めるのは、結構お徳では。
    苫米地さんの著作を読んだことのない人にはかなりおすすめ。

  •  種明かしをしますと、答えはとても簡単。特別な速読術を使ったわけではありません。
     著者のクリス・アンダーソンと同じか、恐らく私のほうがフリー経済について詳しい知識があったから、わずか5分で『FREE』が読めたというだけの話です。
     がっかりしましたか?
     しかし、これが速読術の一つの真実です。
     350ぺージもの本を5分で読みきるには、読者側がもともともっている知識量がなにより大切なのです。

     まず、みなさんは本を読むとき、どんなふうに読んでいますか? たいていの人は1行1行、1文字1文字、目で追って読んでいると思います。「先読み」の方法も基本的にはそれと何ら変わりません。ただ一つだけ違うのが1行1行、目で追うのではなく、「2行目も意識する」ということです。(中略)

     読んでいるのはあくまでも1行です。ただし、隣の行の文字も情報として意識的に見るようにするだけなのです。このとき、決して隣の行を読み始めてはいけません。それをするから、本来の行が読めなくなってしまうのです。読まずに意識的に見ておくだけでも、ちゃんと情報処理はできています。そのためには、読んでいる行の1行先の行に視点をおきながら読むようにします。

     やり方は、読書するときに早口で読み上げるだけです。そのスピードは可能な限り速くです。速くつぷやくことに集中し、もっと速く、もっと速くと、自分の中のトップスピードをどんどん上げていくのです。
     その際に注意してほしいのは、文章はしっかりと理解するということです。素人がお経を読むときのように、ただ文字を言葉にするだけではダメです。それでは訓練にはなりません。
     「言葉を読み上げた瞬間、その意味が脳内でイメージできるようににする」
     これが、この早読みの目的なののです。

    短時間で反論するトレーニングとして私たちが行っていたのがニュースに反論するということでした。キャスターがニュースを読んでいる間に、最低五つの疑問を提示する。これが最初のステップです。(中略)

    テレピを見ている時点では、キャスターがニュースを読んでいる間にできる限り多くの疑問を提示することに集中してください。
     それができるようになったら、次のニュースではまた五つの反論をし、さらにその反論に対する反論を考えてください。これに慣れたら、一つのニュースで肯定と否定を五つずつ提示できるようにするのもいいでしょう。肯定と否定。これを一瞬のうちにできるようにすると、知識量はさらに上がります。

     デュアルインプット。つまり同時にニつの情報を入力することで、神経細胞ネットワークを活性化させる訓練です。これにもっとも適しているのが本の2冊同時読みです。
     用意するのは「写真集」と「絵本」です。これを目の前に2冊とも開いて3秒ほど眺めてください。そしてすぐに2冊同時にぺージをめくってください。(中略)

     慣れてきたら2ぺージ、3ぺージを一気にめくって、各ぺージの映像をイメージしてはしいのです。コツとしては、各写真について一言で言い表してみるのもいいかもしれません。言葉は何でもいいのです。パッグが赤ければ「アカ」でもいいですし、飲み物が映っていれぱ、その飲み物の名前や映像でもいいです。それをタグにして記憶していくのです。

    フォトリーディングであれ、ハイサイクル・リーディングであれ、速読に必要なものはともかく情報量だということです。
     無意識的にいくらでも情報収集できるフォトリーディングであっても、無意識情報を意識に上げるときには、自分で選別した特定の情報を必要とするのです。多くの速読本はそこを暖昧にしています。
     無意識の情報収集能力がどんなに優れていても、本人が「これが大切だ」というカギとなる情報をもたなければ、膨大な無意識情報の扉はロックされたままなのです。

    限定された目的が明確にある場合は別ですが、キーワードリーディングばかりを使って本を読んでいると、せっかく本を読んでいるのに新しい情報がまったく入ってこなくなってしまうのです。
     私の著書をよく読んでいる方ならわかると思いますが、スコトーマの原理というのがあります。スコトーマとは盲点という意味で、キーワードリーディングはそのキーワード以外は目に入らなくなるスコトーマ・リーディングなのです。
     せっかく読書によって新しい知識を得ようと思っているのに、キーワードを使って読むと、スコトーマが余計強くなって、新しい知識が入ってこないのです。

     別人格で読めば、同じ本でもまったく違った感想になるのです。
     では、それが著者の人格だったらどうでしょうか。
     著者というのはその本を書いた人間です。その本の内容をもっとも理解しているのは著者以外にいないでしょう。どうせ別人格になるなら著者になるのが一番その本の内容を把握できるわけです。そうすることであなたは自分が知らなかった知識を「もっとも見る」ことができるようになるのです。

    秘密は上記で挙げたように、「元々持っている知識量」にあるわけで、これは常々小飼 弾さんが言われている、「0冊から100冊読むのと、1万冊読んでから100冊読むのとでは当然読む速度が違う」というお話と同じです。

  • 初の速読本。ということで一生懸命スピードアップして読んでみたw 非常にロジカルでポンポン頭に入ってくる内容。著者は頭がいいんだろうなと、素直に思う文章

    ゲシュタルトの理論を生かして、同時に2行、3行読んだり、回転数を早めたりと今後に生かせる内容で面白かったです♪
    (2010.09.13読了)

  • 一般の速読本と少し違い、最初に読み飛ばしをする速読を否定しています。

    しかし5分で1冊読むことが可能であるという理由は、やはり圧倒的な知識をつけるということが大前提みたいです。

    そのためには本をたくさん読むのが近道と言っています。

    気になるテクニックに関しては、2行読み、2冊同時読み、抽象的な読み方という感じで、本全体の3分の1ほどの量で説明されてます。

    目の練習などと違い、特別な練習がいらないため、好きな本を読みながら練習ができるので継続しやすい内容でした。

  • 「速読」のお題で、ここまでユニークな論を展開できるとは。

    「イメージ力の重要性絵を繰り返し訴えるとともに、最終奥義として別人格を獲得。さらには世界を平和にする方法まで」書かれている(笑)。

    「読む本のジャンルは、小説がベスト」と書いてるのが意外だった。立花隆とかは、小説読むのは時間の無駄と言ってたと思う。

    読んでる行の1行先を意識に上げる、というのは、いま読んでる行に集中しないためには有効かもしれない。

  • 私は「速読」についてかなり不信があるというか、そんなことしてなんの意味があるの?というスタンスであり、この本を取った理由が、反骨精神とどんな胡散臭いことが書かれているんだろー?という思いからであるのだが、良い意味で裏切られた。

    この本を要約すると、速読する方法は「頑張って読むこと」と書かれており非常に納得いくものだった。そうだよね、頑張って読むことって大事だよねと常々思っているので、それを推してる筆者とこの本の内容に好感が持てた。

    速読する方法に興味ある方におすすめ

  • 後半、速読の話どこいったー!? いやでもおもしろい本でした。 苫米地さんって恐竜が好きなんですねきっと。 正直言って、今の僕のレベルではまだこの本の内容の半分もわかっていないと思います。 この著者ちょっと頭が良すぎる気がします。 これも多分知ってるか知ってないかだとは思うんですけど…そう考えるとなんだかワクワクします。 コーチングに繋がる話(というかむしろコーチングから繋がってきてる話)もたくさんあってもっともっと知りたいと感じました。 また読み返します。

  • 速読から「豊かな人生の送り方」に話がつかながっていったのには驚いた。しかし、著者人格になりきって読むことや、二足のわらじで豊かな人生を構築することには、大きく頷ける内容でした。

  • 帯表
    あなたの知らない世界が待っている!
    ドクター苫米地発の文庫書き下ろし!
    一字一句飛ばさず読める
    思考が加速化する
    夢が実現する
    帯裏
    私は本書で、速く読んで内容を理解できる速読術のテクニックを公開しました。
    それはこれからの日本は知識の差で、幸不幸が決まってくると思うからです。
    世の中で成功するか、しないかは誰にもわかりません。
    しかし、知識がなければ絶対に成功しないということはいえるのです。
    今回紹介したハイサイクル・リーディングは、そのあなたの成功に役に立つこととなるでしょう。
    (「おわりに」)より
    見返し
    ◎「速読」は、幸せな人生へのパスポート!
    ・本気で速読術を必要とする人たち
    ・内容を素早く理解する速読術
    ・変わる情報収集法
    ・速読術と脳機能活性化の関係
    ・二つの人格で見る新しい世界

  • 2010年発売の速読本です。
    この本を読んでからしばらく速読の事を考えた事は無かったがいつのまにか自分の読むスピードが上がってることに気がついた。
    これは著者が言っているゲシュタルトが構築されてきたのか単純にボキャブラリーが増えて知識が上り、論理性が上がったのかは定かではない。
    この本が様々な速読のための技術が解説されていて抽象化が苦手な方とか情報処理が得意でない方のための役に立てる書籍だと思います。
    文庫なので価格も安くコストパフォーマンスに優れています

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著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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