- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569761572
作品紹介・あらすじ
本所亀沢町の「おけら長屋」の面々による笑いあり涙ありの書き下ろし時代小説第2弾。テンポいい会話、巧みな物語運びがパワーアップ!
感想・レビュー・書評
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また、あのあったかい居心地の良さに惹かれて本所おけら長屋をのぞいてみた
だんだん住人の人となりが分かってきた
仕事も生い立ちもバラバラ個性豊かな面々だが、共通しているのは、みんなとても世話好きで、困っている人を見たら放っておけないこと。今回もそれが第6話まで遺憾無く発揮される
その壱 だいやく / その弍 すていし / その参 まよいご
その四 こくいん / その五 あいおい / その六 つじぎり
「だいやく」 湯屋で襲われ父親の分からぬ子を身ごもったお梅と所帯を持つことになった久蔵。お腹が大きくなるお梅を見て、本当に父親になれるのかと自信をなくす久蔵に対して、長屋の仲間は言う
「久蔵、おめえは大きな勘違えをしてる。人は血でつながってるんじゃねえ。心でつながってるんだ。このおけら長屋の連中を見てみろ。もとはみんな他人じゃねえか。なのにこうして他人のことに必死になってやがる」
「久蔵さん。あんた、重い荷物を一人で背負い込む気なのかい。おけら長屋は何のためにあるんだい。その重い荷物を、みんなで少しずつ分け合うためだろ。この長屋に住む貧乏人はね、そうやって生きていくのさ」
泣かせるじゃないか。こんなあったかい仲間に囲まれていたら、自らも心を開き人間が磨かれていく気がする。甘えたくなる
「つじぎり」の章で酒で喉を湿らせながら万造が独り言を言う場面がある
『おにいさん、今日は帰らなくてもいいんだろう』
『こんな物騒な世の中です。お宅までお送りいたしやしょう』
『まあ、女のあたしに恥をかかせる気かい。意地の悪い兄さんだね・・・』
あれっ、これってどこかで聞いた感じだ。何だろう?と考えるとフーテンの寅さんの言い回しだ。吹き出してしまった
ちょっと難しい問題が生じた時は、大家の徳兵衛や乾物問屋の隠居の与兵衛、浪人の島田鉄斎
子供の世話や衣、食担当のお里、お染、お咲、お奈津
力仕事は、八五郎や佐平
そして、なんてたってフットワークが軽い万松コンビ
ちゃんと長屋の中で、役割分担ができているのも笑える
昭和の時代には、ここまではないが、隣近所のこんなふれあいがあった
プライバシーの侵害や個人情報の漏洩問題やらはなかったが、幸せだった気がする
そんなことも考えさせてくれる話だ -
お江戸・本所亀沢町の「おけら長屋」の界隈じゃ
どんな騒動が起きていますことやら、、
ちょいと覗いて見てみれば....
ありゃりゃ~...のっけから急展開のどんでん返し?!
せっかくいい感じにまとまって、めでたしめでたしだったのに(一巻)
いきなりえ~っ!?.......も~....驚かさないでください~...
久蔵さんはとってもいい人なので
これから先もずっと追いかけていきたいお人です。^^
相変わらずの万松コンビに左官の八五郎、浪人・島田鉄斎。
それぞれの人となりが少しずつ見えてきて、長屋連中の人間模様にも
いっそう深みが増していく。
万造さんはいい奴だなぁ...。
おけら長屋の笑える泣ける心温まる小話六編
よかったのは
・だいやく
・まよいご
・つじぎり -
今回も面白かった!
『こくいん』で登場した殿様が好きです。
『あいおい』『つじぎり』では大家の徳兵衛さんのお人柄も分かってさらにおけら長屋の住人が好きになりました。口うるさく住人にお説教する徳兵衛さんですが、いざという時には出張ってくる姿や住人の夫婦喧嘩におろおろしてしまったり…。
あいおいとは相老いと書くらしい。
『まよいご』は本当に泣きました。親のいない万ちゃんの迷子の勘吉に対する愛情は、本当は自分が欲しかったものなのかもしれません。皆で大切に育てようという長屋文化は心が温まりました。おけら長屋で過ごした記憶がこの先勘吉を助けるのだと思います。 -
あれから2冊目なのか、もうだいぶ読み込んだ気分になるって事。2か月前のトーク&サイン会がものすごい勢いで面白すぎて忘れるもんでもないし、畠山健二さんはもうネタ切れでとか言っていたが、全然消える気配もない。八五郎の江戸っ子気質にお里の啖呵に粋だね最後の為三郎との対決がよかった 同じ勝負とやり返すとか おけら長屋の人物像が分かるのが嬉しい 殿様も長屋で飲み明かして事件も解決出来てとか あー全部良かったです また読みたくなってる
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江戸の人情話『おけら長屋』2巻目。
これまた読後感が良く、シリーズをこれから読み進めるのが楽しみで頁を閉じる。
長屋もの特有の多めの登場人物でも冒頭にチャートがあるので、忘れたらすぐに思い出せる。
人と人の距離がいい。せっかちもいれば、慎重者もいる。お節介もいれば、狡賢い奴もいる。
正しさは1つだけではなく、皆のそれぞれの背景や想いが交錯して、出来事が進んでいく。
こんな時代、自己責任だ何だと世の中から総バッシングもなく、もっと小さなコミュニティの中で完結していたことも多かったんだろうなと羨ましさも。
まあ不便や理不尽が多かった時代のなせる技かもしれない。3巻めもいくぞ! -
おけら長屋の人たちがどんどん好きになる。
人間っていいな、と思える。
シリーズなのも嬉しい。出会えてよかった。 -
これぞ、江戸っ子の心意気。義理と人情、笑いと涙、全開。
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シリーズ2冊目なので、長屋の人物像なども見えてきたため、日々のドタバタを楽しめることができた。
万松がこれからもどんな騒動を引き起こすのか、楽しみ。