死者は語らずとも (PHP文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (701ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569765570

作品紹介・あらすじ

ナチス政権下のベルリン。オリンピック開催の陰謀に巻き込まれた元刑事グンターの孤独な闘いを描いた英国推理作家協会賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • ぞっこんフアンがいるようだが、数作読んでいも今一つ好きになれないカー作品とグンター。私が女だから?いや女でも魅力的に映る男はいる。
    ベルリンの夜の一部が7割ほど・・終えてみれば助走⇒キューバ、ハバナでのグンターを取り巻く世界は完璧にアメリカナイズされたノワール一色。
    まぁ、普通に見て 誰しも 元警察官とはおもわないだろう。

    今一つの感想を感じて、巻末にある真山さんの解説で腑に落ちた・・なるほど、ノリーンは「ジュリア」・・ね。
    映画をもう一度見たくなった。
    それにしても最初の登場 シャララビーディスなんて言う姓・・ノリーンの表記になり覚えられたけど。

    繰り返してみる夢―連続して落下してくる砲弾、して爆発。宙高く飛ばされ転げ落ちる・・汗まみれになっての覚醒~はグンター自身の内奥に有る不安定さとごまかすためのセックスと虚勢かと感じる。
    たまにとてつもなく長い文が有って、やたら読点で繋いでいるが、原文は関係代名詞で繋がっているのだろうか・・文意が分かり辛く、訳者の問題かと思ったり。

    ロシア人やフランス人は好かれようともしないし、好かれなくても気にしない~が妙に納得。原爆を落とした後のアメリカが日本にしきりと好意を見せたように、今の時代でも皆に好かれようとしているとは思いたくないけど。

    骨は決して犬のところへ来ないが犬は骨のところへ行く・・ノワールの骨頂か。

  • 本作がこのシリーズ初読。ベルリンとハバナの間の20年間の出来事は他作で書かれているのね。読もうかどうか思案中。ベルリンオリンピック自体はディーヴァーやプリーストで読んだことあるけど、こちらはその前夜。主人公がいきなり心ならずも人を殺しちゃって、それをうまく逃れちゃうのにも驚きだが。後半のハバナ編を合わせて読むと、倒叙ものの変形とも言える気が。アメリカはいつだって完全な正義の側に立ったことはないな。グンターはもう故郷に戻れないのか。

  • シリーズ最新作。
    ハードボイルドで始まったシリーズも、今作ではすっかりノワールに様変わり。しかし雰囲気が殆ど変わらないのは、主人公のキャラクター性がブレていないからだと思う。
    しかし、このシリーズ、どういう結末を迎えるんだろうか……。

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著者プロフィール

フィリップ・カー(Philip Carr)(1953-2020)
フランス、モンペリエ大学名誉教授。著書に Phonology(Macmillan)など。

「2021年 『新版 英語音声学・音韻論入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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