魔性 (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569769592

作品紹介・あらすじ

その女はもう逃げられない……。「魔性」を持つサイコパスの男の秘密と、彼に惹かれ転落していく女の運命を描いた、緊迫のサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 「魔性の」に続く言葉はたいてい「女」だと思っていましたが、これは「男」でした。そんな男に引っかかっても全然気の毒に思えないんです、主人公の志穂子のことが。元カレとは今もセフレ、今カレには妻子あり。彼女の実家は大金持ち、でもミスター・クリーンと呼ばれるほど清い父親は厳格。父親の縁故で自ら入社したくせに、会社をとっとと辞める。なんというのか、何もかもが浅い。そして彼女がハマった男とは。

    魔性の男のどこがいいのかもよくわかりません。わからないから魔性なのでしょう(笑)。あちこちに女がいることは明らかだけど、どの女性も自分が騙されているとは思いたがらず、自分こそが彼の本命だと信じて疑わない。

    「落ちる」とか「ただいまぁ」とか「ショーちゃん」とかいう台詞を聞くたびに悪寒に襲われ、こんな女は地の果てまで行けバッドエンドを期待していましたが、え~っ、そうはならないのですね。なんだかんだのハッピーエンドにがっくりする私に気づいて笑ってしまいました。単なるひがみでしょうか。(^^;

  • 著者新作。
    生真面目な父を持つ志穂子は、その反動からか仕事に恋に奔放な日々を送っていた。
    ある日、以前バンドのボーカルをしていて、今は不動産業を営む晃と出会う。この男は危険だと周囲の忠告を受けながらも、晃に惹かれていくことを止められない志穂子。しかし、晃は徐々にその正体を表し始める。

    面白かった!!
    かつての明野照葉さんが帰ってきた感じ。
    よくあるストーリーだが面白い、出来過ぎのラストも今回はとても良かった。

  • 明野照葉さんの文庫書き下ろし作品。

    タイトルから魔性=女性をイメージしていたが本作は魔性の男・永山晃に惹かれ落ちて行く女性・志穂子の物語。

    うーむ。
    元バンドのボーカルで、今は不動産業を営む晃。ちょっとばかり顔と声が良いだけで魔性の要素が全く感じられないのが残念。

    怪し過ぎる言動に加え、どこからどう見てもクズ男。

    周囲の反対を押し切りこんな男に惹かれる志穂子の気持ちが全く理解出来ない。

    プロローグで昭和23年の東京が描かれているのでオチは想像出来たが、ラストでスッキリ繋がった。

    サスペンスから最後は家族小説の様な趣に。

  • この小説を読むことで、反社会的勢力と関わることの危険性をひしひしと感じた。
    どこにでもいそうな普通の女性が堕ちていく過程や、頭では危険信号が鳴っているのに、DVモラハラ男に対する恐怖がそれをかき消してしまって、身動きが取れなくなるのが恐ろしい。

  • 思ってるサイコパスとは違ったし、魔性という感じでもなかった。一昔前の暴君とかヤクザくずれとか外道というのがしっくりくる。
    ちょっと古い本なのかと思いきや令和も出てくる新しい話でビックリした!笑

    レイヴン。。。
    まさかのお父さん!?笑
    展開が凄すぎて逆に面白かった!

  • 宣伝文句には『戦慄のサスペンス』とあったが、果たしてこれはサスペンスなのだろうか、甚だ疑問である。

    とにかく、主人公の志穂子が馬鹿なのだ。
    よく考えもせず、周りの迷惑を省みることなく、会社をころころと辞め、年上の得体の知れない男に外見だけで魅かれてホイホイついていき、どうにもならないところまで堕ちていく。
    志穂子が好きになった晃は、反社会的勢力と繋がりがあり、クスリにも手を染めていて、それを志穂子にも使うような最低な人間。加えて、複数の女性と関係を持ち、その情を利用するような卑怯な男だ。
    半同棲状態になった志穂子はだんだんそれに気づきつつあったが、それでも晃を愛していたため別れることが出来ない。ようやく現実が見えてきたときには、もうどうしようもない状況になっていた。

    彼女は自分の愚かさが故に蟻地獄に堕ちた。
    自らそこに飛び込んだのだ。
    それなのにこのラスト。この話から何を感じればよかったのか。
    散々自分勝手な生き方をしても、自分のやったことに責任を取らずに解決できる方法って。。。

  • 恋愛モノ、男女モノはあまり読みませんが、けっこう怖い話ならいいなぁと思って読んでみました(笑)
    サイコパス男性に見の破滅に追いやられていく女性・・・
    最初の章にぜんぜん違う時代の話があったので、なにかつながっていくんだろうなとは推測がつきますが、それも含めて作品としてまとまっていました。

    男性のサイコパスぶりがこわい。。。。
    まあ本当にヤバい人じゃないと、実際こんなふうにはならないだろうけど、サイコパスは世の中に多いと思うので、気をつけましょう!
    ・・っていってもなかなか難しいだろうけど、、出会っちゃったらね~。
    そんなお話でした!

  • 2020.5.15〜5.19

  • 途中だんだん恐ろしくなってきて、気持ちもどんよりしてきたけど、、まぁ、面白かったです。
    さすがイヤミスです!!

  • 明野照葉作品としては、少し異質と感じたが、最後の最後で家族愛が描かれており、その部分は見事です。

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著者プロフィール

明野照葉

東京都生まれ。一九九八年、「雨女」で第三十七回オール讀物推理小説新人賞を受賞。二〇〇〇年、『輪廻RINKAI』で第七回松本清張賞を受賞、一躍、注目を集める。ホラーやサスペンスタッチの作品を得意とし、女性の心理を描いた独自の作風はファンを魅了してやまない。『汝の名』『骨肉』『聖域』『冷ややかな肌』『廃墟のとき』『禁断』『その妻』『チャコズガーデン』(以上中公文庫)、『女神』『さえずる舌』『愛しいひと』『家族トランプ』『東京ヴィレッジ』『そっと覗いてみてごらん』など著作多数。

「2020年 『新装版 汝の名』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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