2022――これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569797601

感想・レビュー・書評

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  • 【語りたい! と思わせてくれる本】

    この本を読んでからというものの、何かをせずにはいられない衝動に突き動かされています。

    会社員として、組織の閉塞感をひしひしと感じているまさにそのタイミングで出会った本でした。

    「第5章 イン・フォメーションから、エクス・フォメーションへ」は、多くの識者が指摘している現状の打開策を一歩推し進める内容となっています。


    全体を俯瞰して捉えると、神田さんの「全脳思考」をトレースしています。

    各章の冒頭に織り込まれた「対話」は本書に引き寄せられ手にとった方みなさんとの対話でもあります。

    自分にしっくりとくる対話の相手を、自分と重ね合わせることで神田さんからのメッセージと行動の方向性を感じとっていただきたいと思います。


    何かを始めないといけない
    新しい価値を生み出したい
    日本人として世界のリーダーとなりたい

    では、そのために何をしたらいいのか?

    この質問に対する答えが自分の中から自然にわき上がってきます。
    行動を加速してくれる一冊です。

  • 衝撃的な一冊。これは読んでよかった。

    「10年後―2022年に、改めて本書を開いてみてほしい」(p19)とあるが、本当にそうしてみようと思う。


    「はっきりしているのは、これからの10年で、世界は生まれ変わる。その中で、日本は非常に重要な役割を果たせる立場にあるということだ」(p25)

    「歴史は70年周期で巡っている」(p26)

    「70年前を振り返ることで、いま私たちが生きる時代の流れが見えてくると、その延長線上に、未来が浮かび上がってくる。その未来とは、明治維新、太平洋戦争終結に匹敵する社会変革だ。」(p30)

    「2007年以降の私たちは、2015年からはじまる新しい時代を創るための、対話をすべき時期にいます。この時期には、ひとつの時代を創り上げてきた四世代が、過去を振り返って、今後も引き継ぐ価値観と、もはや手放すべき価値観、そして新たに創るべき価値観について、対話をすべき時期なのです。」(p44)
    「すごい時期に、私たちは生きているんでるよ。」
    「人ごとじゃないんです。あなたたちも、その中に入っています。」

    「欠落を埋めていくために、明治維新以降は、ヨーロッパがモデルになった。終戦以降では、アメリカがモデルになった。ところが、今回の歴史の転機では、日本には、まったくモデルがない。それは、なぜなら―おそらく日本が世界のモデルになるからである。」(p48)


    「今後10年間の、私の予想を要約するなら、次の二語になろう。破壊と創造―私たちは、これから、ひとつの社会体制が壊され、ひとつの社会体制が創られる場面に遭遇する。2015年までに日本は「圧倒的な欠落」を経験。その結果、国民全員を巻き込む新たな価値観が生まれ、新しい日本の70年がスタート。ようやく国内安定化の兆しが見え始めるのは、おそらく2020~2022年頃だ。」(p59)
    「私たちは、まさに稀有な、歴史的な時間を共有することになる。あとから振り返ってみれば、こうした混乱期ほど、人生を彩るチャンスはない。」

    「危機の時代の、乗り越え方―戦争か、祭りか」(p60)

    「私たちは破壊と創造という言葉があることから、必ず破壊されないと創造がないと考えてしまう。だが、実際には、破壊は必要ない。破壊は、古い価値観に基づくシステムや習慣を手放さないから、必然となる。変化のタイミングがきたことに気づいて、自ら手放せば、破壊はいらない。血で血を洗う戦闘をしなくても、「ええじゃないか」と手放せるのだ。つまり破壊は必然ではなく、選択。」(p66)

    「平成ええじゃないか」プロジェクト(p67)

    「祭りは、「優しい情報インフラ」の構築を加速化させる」(p73)

    「現実的な第一歩としては、祭りに関する情報と、防災に関する情報を共有するポータルサイトを創る。」(p73)

    「重要なのは、この活動を通じて知り合う人々のコミュニケーションを深めること、つまり、飲み会を頻繁に開催することだ。祭りや防災を言い訳に、いままであまりつながらなかった、地域の若手人材同士の交流を活性化させるのだ。」(p75)

    「全世界が高齢化に向う、これからの時代―世界に先駆け、日本が未来をカタチにしはじめれば、日本は世界の模範になる。」(p77)


    「実は、調子がいいのは中国だけじゃない。韓国、台湾も同様に、これから上昇基調。2025年までピークが続く。つまり、東アジア全体が、これから10年は大きく成長していくのだ。」(p94)

    「儒教経済圏は、日本、中国、朝鮮で構成される。」(p95)

    各国の趨勢をまとめると、次のとおりだ。
    ・日本は2020年まではまだいいが、その後は一気に下り坂。
    ・中国の勢いは、2020~2025年頃まで続く。
    ・韓国の勢いは、これからますます加速する。2025年頃まで続く。
    ・東南アジア諸国が勢いづくのは、2030年頃から。
    ・インドは2050~2060年には、世界最大のGDP国に。(p102)

    「日本に生まれたからには、日本が沈む時には、日本と沈もう。だが、日本を沈ませてたまるもんか、という覚悟」(p104)

    「年齢がいけばいくほど、消費が伸びる市場を挙げれば、健康、医療、介護、旅行、そしてスポーツ施設の利用、さらには、なんと宗教まである。とくに健康医療産業にとっては、とにかく日本は急成長市場であり、今後、国際的に大きな影響力を持つ産業を創れる素地は極めて大きい。」(p107)

    「いま、新商品を発売するなら、企業規模にかかわらず、儒教経済圏のニーズをすべて束ねて、マーケティング戦略を立案。販促は、アジア対象に一斉にインターネットで行われる。商品の配送は、アジアのヘソと呼ばれる沖縄が中継地点になるだろう。」(p112)


    「そして……、2024年に会社はなくなる!?」(p135)

    「このままいくと、「会社」のコンセプトがほぼ寿命を終えるのは、2024年頃。別の言葉で言えば―いままでの資本主義のカタチが、2024年に終ると考えてもいい。」(p137)

    「会社の未来をはばむ、三つの壁」(p139)
    ①会社では社員が育たない
    ②会社では、無から有を生み出す経験は積めない
    ③一部の仕事をしている社員が抜けると、会社に何も残らない

    「いままでビジネスにおいては、社会性と収益性は矛盾すると思われてきた。つまり、「社会に良いことをやっても、なかなか儲からない」がビジネスの常識だったのだ。しかし、このところ急速に、「社会に良いことをしなければ、儲からない」に変わってきた。」(p148)

    「今後、「非営利法人」が、影響力において「会社」を逆転していく世界がはじまるかもしれない。それが、ドラッカーには見えていた日本の未来なのだ。」(p150)

    「2024年に向けて「会社」という組織がどのような変容を遂げるのか、について考えていくと、それは「会社」という存在が消えてなくなるというよりも、「器」にとらわれない社会がはじまると言ってもいい。企業であろうと、NPOだろうと、行政機関だろうと、もしくはまったく別の、新しい「器」が創られてもいい。要は、緊急性が高まる社会問題に対して、「器」が使われるのではなく、「器」を使いこなす社会ができあがるということなのである。」(p156)

    「一言でこれからの10年を表現するなら、「平成の文明開化」と言えるだろう。」(p157)


    以上、ポイントが多すぎて、長くなった。
    70周期説をひとつの目安にしながら、これから新しい世界を創っていこう。
    これまで良しとされてきたことが、これからも良いかはわからない。
    本書を見返しながら、これからの10年を“優しく”サバイブしていく。

    特に若い人は必読。

  • 今、自分がやっていることが間違えないと確認できた本。
    神田さんは順風満帆というイメージがあったので、意外な体験が載っていた。

    言葉に表せなかった自分の思いが言葉になっていたと感じた。

  • 面白かったー!
    あくまで神田サンがスタートアップや起業支援をだめっていう訳がないっていうのを前提として読んでいても、
    起業・・・というか新しい時代に向けての在り方というか、個人の力を持つことについて興味を持てるようになる内容だった。

    特に今息子がいたらなんていうかーみたいなのが興味深かった。
    「英語」「ボランティア」「優秀な人が集まる場所」
    目を向けてみようと思った!

  •  読んで衝撃を受けました。著者の熱い思いが紙面からみなぎっています。一読する価値は充分あるはずです。

     「はじめに」の著者自信の癌宣告のエピソードで、完全に惹きこまれました。そして、ただならぬ渾身の思いで著書が書かれていることを感じました。あまりにも著者の思いが強すぎて、過激過ぎてこれはさすがにあり得ないだろうという箇所は出てきます。しかし、それを差し引いてでも著書を読む価値はあると思います。

     内容は非常にスケールが大きいです。歴史の70年周期説を用いて、2012年が時代の大転換にさしかかっていると述べられています。そして、大胆にもあと10年も経てば会社という組織が無くなり、社会を動かすのはNPO(Non Profit Organization 非営利組織)が中心になると著者は主張しています。この考えには当然異論はあるでしょう。会社が無くなるなんてあり得ないと。

     確かに著者の考えには飛躍があるかもしれません。著者もそれを認めています。「会社が無くなる社会」というのは大胆過ぎるかもしれませんが、「会社に面倒をみてもらう社会が無くなる」というのは、可能性としては十分あると思います。これからは、会社という鎧を捨てて、生身の自分で勝負をしないといけない時代と、著者は主張したいのだと思います。

     会社に所属していれば、給料も貰えるし福利厚生もあるし、非常に恵まれています。しかし、自分のいる会社が永久的に存続できる
    保証はどこにもなく、会社の賞味期限はどんどん短くなっています。会社を頼りにして生活する時代から、頼りにできるのは自分自身となる時代に変わりつつあるのかもしれません。

     今は時代の大転換期だから、次の時代に乗り遅れないよう、著者は読者に大声で伝えたいのだと思います。癌を宣告され、死生観を持った著者だからこそ、「今」に敏感なのかもしれません。

     10年後の2022年、著者の予想が当たっているのかどうかは分かりません。ただ、予想が当たっていてもいなくても、2022年の世界は現在とは大きく変わっているのは間違いないと思います。どんな世界に変化しても、その変化に付いていけるかどうかは自分次第だと思います。そう気付かせてくれただけでも著書を読む価値はあったと思います。ぜひ読んでみてください。


    第1章 先が見えない世の中って言うけれど、それは天気予報があるのに知らないようなもんだ
    第2章 平成「ええじゃないか」が、なぜ必要か?
    第3章 踊る中国沈む日本
    第4章 二〇二四年、会社はなくなる!?
    第5章 イン・フォメーションから、エクス・フォメーションへ
    第6章 四〇代が、時代のはざまに架ける橋
    第7章 二〇二二年―再びページを開くとき

  • 経営コンサルタント神田昌典さんの著書。

    とても衝撃を受けました。
    まだ自分の中で整理ができず、何と言ったら良いのか、言葉にできません。
    是非本書の内容について多くの人と語り合いたい。

    他の人はどう思ったのか聞きたい。

    現代を生きる僕たちは必ず読むべき本だと思います。

    • maxwellderさん
      「他の人はどう思ったのか聞きたい。」と僕も思いました。
      友達が「語りたい!と感じさせてくれる本」と評していましたが、まさに適切な評ですよね。...
      「他の人はどう思ったのか聞きたい。」と僕も思いました。
      友達が「語りたい!と感じさせてくれる本」と評していましたが、まさに適切な評ですよね。
      2012/03/12
  • 歴史は70年周期で動いており、また人口ピラミッドの変遷を加味すればそこから未来が見える、という内容です。

    一見トンデモ本のように見えるのですが、読み進めていくと本書に出てくる予測はかなり緻密に計算された予測である事が分かります。
    いずれにしろ、世界がフラット化する事で日本はグローバル化の波に飲まれ、また労働者人口が減ることから、これから身につけるべきスキルや考え方が明確になってきているとおもいます。この本には、2022年に向けてこれからどのように行動すればよいかが書かれています。

  • 読んでいて前向きになれた。

  • だいぶ昔の本。
    2022年の予測は
    半々といった所。

  • やっぱり10年前に書かれた本ということもあって、少し考えが古いと感じる部分もあった。
    全体的には面白い。

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著者プロフィール

経営・マーケティングコンサルタント、作家/アルマ・クリエイション株式会社代表取締役/NPO法人学修デザイナー協会・理事
上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士(MA)、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)取得。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済局に勤務。その後、米国家電メーカー日本代表を経て経営コンサルタントとして独立。多数の成功企業やベストセラー作家を育成し、総合ビジネス誌では「日本のトップマーケター」に選出。2012年、大手ネット書店の年間ビジネス書売上ランキング第1位。18年、マーケティング分野で歴史的権威があるDMA国際ECHO賞の国際審査員に抜擢。2019年・2020年、「社長の成績表」(古田土会計主催)にて、2,400社超中、2年連続No.1に。ビジネス分野のみならず、教育界でも精力的な活動を行っている。

「2022年 『未来実現マーケティング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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