コミンテルンの謀略と日本の敗戦 (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
3.97
  • (24)
  • (20)
  • (15)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 337
感想 : 33
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569836546

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本の敗戦の陰にコミンテルンのスパイが跳梁跋扈していたと。
    まあ今でも共産主義革命を目指すコミンテルンのDNAは残ってますからね。

    沖縄を見るまでもなく平和主義を訴える人ほどなぜ暴力的なんでしょうね。
    自己の思想と合致しない表現には徹底的に攻撃を加えて言論を封じる。
    それはコミンテルンが共産主義革命のためには資本主義を暴力で滅ぼさなければならないと言っているDNAと変わらないような気がします。

    コミンテルンの情報戦に「日常の宣伝と扇動」があります。
    これは論点を逸らして本当に大事なものから目をそらせる役目を果たします。
    今の政権与党を倒すだけが目的の報道機関がどのような行動をしているかコミンテルンの行動原理と照らし合わせるとよくわかるようです。

    これは戦前の話だけではなく、いまも連綿と続く「平和主義=暴力革命」をつなぐコミンテルンという組織を知るための良本だと思います。
    そういった勢力が戦前だけでなく戦後の今も日本で暗躍してるかと思うとゾッとしますね。

  • 目からウロコが出る内容です。コミンテルン(共産主義インターナショナル)、右翼、左翼、共産主義、社会主義、ソ連、保守自由主義、大東亜戦争。これらの繋がり、過去の事実が明確に理解できるとともに、なにより現代の政治、世界情勢が見えるようになります。
    江崎先生の著書はすばらしい。

  • 2017年に出版ですから、今から(2020年)3年前の本となります。

    帯の中西輝政さん推薦とにひかれて購入も、
    その当時は特に理由はなく流し読みだったのですが、、

    今まさに、この時期に読んでおきたい一冊です。

    事象としては、日本が普遍的価値観を共有できている、
    ないしはできそうな国々で、同時多発的に、、

     一方では綺麗事を唱え、一方では戦争を煽り、
     戦争を起こさせ、それを終わらぬようにする。

     金持ちへの嫉みや不信を煽り立てることで「自由」の基盤となる
     議会や自由主義経済を否定し、全体主義的な統制への道を切り拓く。

     社会を分断し、混乱させ、人々の不信感と憎悪を高める-。
     このようなコミンテルン的手法は、あまりに悪魔的といえる。

    との現象が勃発しているのが見て取れるからです、不思議と、
    日本国内のオールドメディアはあまり伝えてくれませんが、。

    またここ最近、右も左も極点まで行くとどうしてこうも「全体主義化」するのか、と、
    都知事選候補者(2020年7月投票)の方々の在り様等からも、疑問だったのですが、、

     「右翼全体主義者」と「左翼全体主義者」が結びついて、
     大政翼賛会などをつくり、大日本帝国憲法体制を破壊した

    なんてことからも、戦前との類似性が出てきているのかな、と、
    歴史は繰り返す、その面差しを変えて、なんて風にも感じてしまいますね。

     戦前の日本のあり方は、本来、帝国憲法体制であり、
     美濃部達吉が天皇機関説で説明していた立憲君主制であって、
     自由主義に基づく体制であった。

     だが、左右の全体主義たちによって帝国憲法そのものが骨抜きにされ、
     選挙によって示された民意を重んじる憲法習律も否定されていった

    戦後、WGIPからの公職追放などで漁夫の利的に引き上げられた、
    「左翼(敗戦利得者)」によって「右翼全体主義」ばかりに、

    戦前日本の舵取りの誤りの責任を負わされてしまっていますが、、
    戦前での「全体主義」とのくくりには「右翼も左翼」も同じ枠に入るかな、と。

    そういった意味では、、

     明治天皇のもと、欧米の文化を必死で導入し、
     近代産業国家を構築しようとした明治の人々の奮闘も、

     五箇条の御誓文に基づいて自由民権運動を起こし、
     貧富の格差などを解決しようとした大正デモクラシー

    との感覚と、その上での、

     左右の全体主義たちによって帝国憲法そのものが骨抜きにされ、
     選挙によって示された民意を重んじる憲法習律も否定されていった

    とは、一応、大学で近代史に触れていた一人としても、肚落ちします。
    そして、このような経緯を歴史として学んでいくのであれば、

     憲法改正によって取り戻すべきは「保守自由主義」であって、
     「右翼全体主義」でも「左翼全体主義」でもないと
     明確に答えることができるようになっておくべき

    と思いますし、また、敵を知り己を知れば、との視座に立てば、

     報道に対する国民のリテラシーを高めることであって、
     自分が気に入らない新聞の「廃刊」を叫ぶことではない

    も、その通りと思います、自分の軸がしっかりしていれば、
    知識としては知っておくべきなのでしょう。

    あらためて、知識に裏付けされた自分の言葉をもって、
    必要に応じて表現していくことを意識したいな、と。

    3年前の本ですが、先読みのごとくにいろいろと示唆に富んでいて、
    過去の歴史的事実を、自分の言葉で理解することの大切さを感じました。

  • めっちゃ面白かった。レーニンがコミンテルンを作った経緯とか、敗戦革命を目指す理由や、どうして日本がコミンテルンにいいように操られてしまったのかがとてもよく分かった。大切なのは保守自由主義、日本の伝統を守ることと、自分の意見が違うからといって弾圧してはいけないということ。

  •  明治末期、大正、昭和初期の経済状況やマルクス主義の台頭から日本でもエリートを中心に社会主義思想が広がり、コミンテルンの工作をとてもやりやすい環境を作っていった。この大前提を押さえておかないとこの時代は全然理解できないなと感じさせられた。
     そして右か左かではなく、「左翼全体主義者」「右翼全体主義者」「保守自由主義者」と3つに分類するだけでも、相当なパラダイムの変化が起こる。
     社会主義・全体主義思想が蔓延っていた時代に、十七条憲法や五箇条の御誓文の意義を正確に捉えて、保守自由主義を主張した、吉野作造・美濃部達吉・小田村寅二郎や山本勝市には敬意を表するとともに、もっと調べてみたい。

  • 2020/09/28市立図書館

  • ゾルゲ事件だけでなく、共産主義がアジアに広まった背景や現代まで続く影響について、複雑ながらも時系列に綺麗にまとめてあるのでわかりやすい。

    『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』あたりで知った気になっているとイタイ人になるんじゃないのか。

  • 衝撃的な本。日本が戦争に引きずり込まれたのはコミンテルンの謀略だけではなく、内部からの自滅もあったというのは実に納得の出来る説。いまだに総括すら出来ていないのは歯痒くて仕方がない。

著者プロフィール

江崎道朗(えざき みちお)
評論家・情報史学研究家、麗澤大学客員教授。1962(昭和37)年東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務めたのち、現職。安全保障、インテリジェンス、近現代史などに幅広い知見を有する。2019年第20回正論新風賞受賞。オンラインサロン「江崎塾」主宰。
著書に、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』(以上PHP新書)、『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ、第1回アパ日本再興大賞受賞)、編訳書に『米国共産党調書』(育鵬社)など多数。

「2023年 『ルーズヴェルト政権の米国を蝕んだソ連のスパイ工作-ー「米国共産党調書」を読み解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

江崎道朗の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジャレド・ダイア...
百田尚樹
ピーター ナヴァ...
山口 敬之
百田 尚樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×