未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来(「世界の知性」シリーズ) (PHP新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569843728

作品紹介・あらすじ

機械化した経済社会では、働き方はどう変わるのか。ノーベル経済学者他、世界の知の巨人たちによる最先端の論考集。

感想・レビュー・書評

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  • 最悪のシステムの中の最善のシステムである、資本主義について、情報技術によってますます加速し、変容をしていく先に何が待っているのか。2019年の断面で7名の経済学者が未来を予測した書

    キーワードは以下です。

    米中の対立
    資本主義の修正と変容
    富の再配分
    人工知能の発達と普及、そして雇用への影響

    目次

    プロローグ 「未完」のその先を求めて

    Chapter1 ポール・クルグマン 我々は大きな分岐点の前に立っている
    Chapter2 トーマス・フリードマン 雇用の完新世が終わり、人新世がはじまる
    Chapter3 デヴィッド・グレーバー 職業の半分がなくなり、どうでもいい仕事が急増する
    Chapter4 トーマス・セドラチェク 成長を追い求める経済学が世界を破壊する
    Chapter5 タイラー・コーエン テクノロジーは働く人の格差をますます広げていく
    Chapter6 ルトガー・ブレグマン ベーシックインカムと1日3時間労働が社会を救う
    Chapter7 ビクターマイヤー=ショーンベルガー データ資本主義が激変させる未来

    エピローグ 加速する世界の中で

    ISBN:9784569843728
    出版社:PHP研究所
    判型:新書
    ページ数:204ページ
    定価:900円(本体)
    発売日:2019年09月27日

  • 2020-5-24 amazon 340p

  • インタビュー書籍であることに買ってから気づく。主張への根拠が希薄で、、インタビュー書籍だから仕方ないか。

  • クルーグマン、フリードマンなどへのインタビューを本にまとめたものだが、「テクノロジーが変える経済の形と未来」という副題にそって、編者が丁寧な補足説明を加え、鋭い質問をなげかけ、それをこなれた翻訳で紹介する。インタビュー本は、偉い人に喋らせればオッケーとばかりにやっつけ仕事な本が多い中、編集者の技量の重要性を再確認する良書であった。

  • 資本主義の未来について、現代を代表する学者の見解を知ることができました。

    ただ、内容が浅いため、理論的な話が少なかったのご残念です。

  • <目次>
    プロローグ 未完のその先を求めて
    C1ポール・グルーマン
    C2トーマス・フリードマン
    C3デビット・グレーバー
    C4トーマス・セドラチェク
    C5タイラー・コーエン
    C6ルトー・ブレグマン
    C7ビクター・マイヤー・ショーンベルガー
    エピローグ 加速する世界の中で

    P69(フリードマン)このフラットな世界では、だれもが自分
    以外の人の状況を見ることができる。そして人間はおし なべて自分の全能力を発揮しHたいと思っている。

    P172(ブレグマン)人生の意味とは何か、意味のある仕事  は、社会に何か価値を生みだすような仕事です。(略)
     成長するのは、ヘルスケア、教育。

    P178(ブレグマン)ホモサピエンスはホモルーデンスであり
     遊ぶことこそ本質である。そこで物語をつくり、
     文化をつくる。

    P184(ショーンベルガー)自分で収集した情報を元に意思決定
     をする。情報のひとつが価格である。

    このシリーズお難点は、各人のストーリーの短さ。
    倍~3倍くらいのボリュームがあればもっと深く
    知れるのに。
    富の際配分、→データーの再配分

  • #flier

  • 大丈夫、資本主義は終わってない。完成が見えないからこそ、最善のシステムだ。これからはデータを納税だ!!


     「資本主義の終わり」とか「資本主義の限界」とか「ポスト資本主義」とかって言葉が本屋に並ぶけれど、どうもうさん臭くて。で、これを読んで、ほっとした。まだ資本主義は限界なんてほど遠い未完の位置にいる。まだフロンティアがある、というか終わりのない感じが見えてすごくよかった。進化とか成長じゃなくて、変化があり続けるのが資本主義だから。
     近年の資本主義の停滞は、変化の停滞のせいだと分かってとてもよかった。少子化で若者が減ったから、変化も減ったのかな。やーなの。

  • 色んな視点があって面白い。
    現代社会を憂えている点では一緒。
    個人的には、フリードマン、グレーバー、ブレグマン、ショーンベルガーの思想にかなり共感を覚えた。それぞれの著書を読んで、より詳しく勉強しようと思う。

    以下、個人的なメモ(ネタバレ?)

    ポール・クルーグマン
    富の集中は防がなければならない。
    資本主義による経済不平等をどこまで是正するか。政治の話。

    トーマス・フリードマン
    「Average is Over」格差拡大で、平均的では不十分で、常に平均以上になることを志向しなければならない。
    「creativity,collaboration,comunity,coding」が必須スキルになる。
    加速化する時代に生き残るには「生涯学習者」になる能力が、最も重要。

    デヴィッド・グレーバー
    「Bullshit Jobs」意味のない仕事をしていると実感している人が多い。
    仕事が社会に貢献している割合と、貰ってる報酬が逆相関になっている。

    トーマス・セドラチェク
    経済学の誤り。数字で計算出来るものだけを考えていること。
    長期的な成長が前提であること。意思あるものが多くを取り、意志のないものは少なく取る傾向を前提にしていること。

    タイラー・コーエン
    中間層の凋落の原因は孤独。人と触れ合うコミュニティが減っている。

    ルドガー・ブレグマン
    歴史の中で何度もユートピアを現実となっている。奴隷制の廃止、民主主義、男女の権利平等、福祉国家の権利。
    GDPの成長は必ずしも幸福を意味しない。この富をどう活用するか?
    テレビの視聴時間が長いのは労働時間の長い国。本当に疲れてる時に余った時間を使えるのはテレビぐらい。
    より多くの人がボランティア活動に従事し、子供やお年寄りの世話、作曲や芸術活動に携わるのは、労働時間が短い国。
    働く時間を短くするべき=ベーシックインカム。
    高給の仕事は、富を動かしているだけで、新しい価値はほとんど生み出さない。銀行業、シリコンバレー、管理職。

    ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
    データ納税。

  • 東2法経図・6F開架:332.06A/Kr8m//K

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著者プロフィール

NY市立大学教授。2008年、ノーベル経済学賞受賞。
イェール大学で学士号を、MITで博士号を取得。イェール大学、スタンフォード大学、MITで教鞭をとったのち、プリンストン大学経済学部教授。1982~83年には1年間大統領経済諮問委員会(CEA)のスタッフも務めた。主な研究分野は国際貿易。収穫逓増と不完全競争に焦点を置いた「新しい貿易理論」の創始者の1人である。国際金融、特に通貨危機の問題にも取り組む。1991年、アメリカ経済学会のジョンベイツクラーク賞受賞。日本語への翻訳書多数。

「2019年 『未完の資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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