5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる(「世界の知性」シリーズ) (PHP新書)

制作 : 大野 和基 
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569850504

作品紹介・あらすじ

「ビジョナリー(予見者)」。本書の著者、ケヴィン・ケリーはしばしばこう称される。
テック文化を牽引する雑誌・米『WIRED』の創刊編集長を務めた著者は、GAFAなど巨大企業による「勝者総取り」現象など、テクノロジーによって起こる数多くの事象を予測し、的中させてきた。
著者によれば、インターネットが商用化されてから5000日後(約13年後)にソーシャルメディア(SNS)が勃興を始めた。そして現在は、SNSの始まりからさらに5000日が経ったところだ。いまやインターネットやSNSは、われわれの暮らしに欠かせないものとなっている。
では、次の「これからの5000日」には何が起きるのか。
著者はすべてのものがAI(人工知能)に接続されたAR(拡張現実)の世界「ミラーワールド」が訪れると予測する。各国に住む100万人単位の人がバーチャルな世界で協働することが可能になる世界だ。SNSに続く新たな巨大プラットフォームの誕生である。
新たなプラットフォームは、働き方や政府のあり方にも大きな影響を与える。地球のどこにいても誰とでも仕事ができる世界になれば、会社とは異なる形態の組織が生まれる。また、製造業や金融、流通、交通、観光、農業、教育……といった多くの産業も、大きな変化を余儀なくされるだろう。さらに、新たなプラットフォームは、何万もの新たな勝者の誕生にもつながる。
この巨大潮流を知り、変化が加速する時代をサバイブせよ。

感想・レビュー・書評

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  • ケヴィン・ケリーは、雑誌「WIRED」(デジタルがもたらす経済の変革を追う世界的な著名雑誌)創刊編集長で、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズ、ジェフ・ベゾスなどシリコンバレーで成功した沢山の起業家たちを取材してきた人物。
    彼は「テクノロジーに耳を傾ければ未来がわかる」と言う。

    テクノロジーの進化の未来を、5000日後と日数で考えます。
    10数年というとまだまだ先な感じがしますが、日数で考えると近い将来だなとちょっと不安になりますね。

    スマホの次に来るものは、スマートグラス。
    身につけて画面を表示するウェラブル。
    ミラーワールド=(AR世界)拡張現実の世界。
    AR機能を搭載したスマートグラスを装着して、離れたところにいる人同士がその場で対面しているような状態で共同作業ができるようになる。

    メタバースのような事かな?と思ったが、ちょっと違うみたい。
    ミラーワールドは、スマートグラスを通して現実世界を見ると、現実の風景に重なる形で、バーチャルの映像や文字が出現するらしい。
    どちらに行けばいいか矢印やキャラクターが現れて案内してくれたり。
    ポケモンGOをメガネ通して見てるみたい。
    歴史を遡ってその場所に以前あったものを呼び出せたりもするらしい。
    ミラーワールドは、サブスクで利用できるようになり、リモートで共同作業する人たちが増えていく。
    このようなARの世界を作り出すのは、GAFAのどの会社でもないと言っている。

    フィンテックに関しては、ブロックチェーンが本人であると保証するものになり、顔認証で決済できるようになるので、レジが不要となり、リアルタイムの会計処理が可能になる。

    仕事と遊びが融合し、区別がなくなる。
    退屈な仕事はAIに任せ、クリエイティブな仕事で生きられる時代になる。

    最近は、バイオテックのスタートアップ企業が増えている。
    食物由来の成分や動物の細胞を使ってデスレスミートとも呼ばれている培養肉(クリーンミート)を作っている。
    動物を殺さないでいいなんて、素敵ですね。
    アレルギー体質やベジタリアン、宗教的に禁止されている人もお肉を食べられるようになります。

    10年以内に、iPhoneに相当するような世界中の人が欲しがる中国製の製品が出てくるそうです。
    何だろうか。
    中国人がデザインして創造したブランドだそうです。スマートグラスか電気自動車か何かはわからないそう。
    中国には深圳という、アメリカのシリコンバレーのような都市があり、スタートアップ企業が沢山あるそうです。
    国内移民が沢山深圳に集まり、文化が混ざり合って相乗効果で新しいアイデアを生み出します。

    産業別に中心となる都市ができ、その分野を目指すならそこに行くという話になっていく。

    「プロトピア」を目指す。
    今日よりほんの少しだけ良い状態を想像する。
    歴史は、世界が良くなっていることを教えてくれる。

    心に残っているのは、「自分を本当に知るには失敗しなくてはならないし、上手くいかないことを経験しなくてはならない。」
    「成功とは何かを知るためには、何か上手くいかないものに挑戦しなくてはなりません。」という言葉。
    イーロン・マスクも同じ事を言っていて、成功者は沢山失敗して今があるんだと感心しました。
    私の失敗とは規模が違いますが笑。チャレンジしないと失敗もできないですもんね。

    企業は、大きくなるほどイノベーションは難しくなるそうです。
    新しい発見のためには最適化されたものと反対のことをしなくてはならない。
    失敗する可能性の高い事をしなくてはならない。

    普段からなるべく小さな失敗を重ねておき、それが溜まって大きな失敗につながらないようにする。アジャイル開発と言うのがある。
    慢性化させずに危機的状況を避けられる。失敗したと責めずに、これでいいと考える。
    ソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法のひとつらしいのですが、これはなるほどと思いました。小単位でテストを重ねる。色んな仕事に応用できますね。

    彼の友人が「ほとんどの計画は思いついてからそれが終わるまでの期間は5年」と言っていたそう。

    5年で、かなり世の中が変わりますよね。
    自分も変わっていないとおかしい。
    というか、まずい気がします。

    私は、少し前に流行った20◯◯年はこうなる!みたいな本がちょっとこわくて避けていました。
    ですがテクノロジーに焦点を当てて想像した未来はとても明るく感じ、それに対する沢山の問題点をこれから改善しつつ毎日少しずつ進化していくんですね。
    幼い頃から想像していたあの未来の姿が5000日後に目の当たりにできるんだ。
    スマートグラスをかければ空飛ぶ車も恐竜も拝めるな。
    雑誌「WIARD」も読んでみたいと思いました。

  • ミラーワールドについてわかり易く説明。
    私の頭では理解し難いが、素晴らしい世界だと実感。
    総じて、楽感的なのは共感できる。

  • 『5000日後の世界』という表題にまず目を惹かれた。10年後とか20年後という表現ではなく、日にちだったこと。日にちで考えることについては、本書6章に答えがある。思考を止めないために日にちを数えるのだそうだ。詳細を知りたい人はぜひ本書を手に取り確認をしてほしい。
    1章から4章で、5000日後の世界を描き、5章から6章では著者の思考をたどることができる。シンプルな言葉で語られているが、真似て実践しようとしても簡単ではない。それでも、著者の思考に近づいて見たいので、『テクニウム』『<インターネット>の次に来るもの』を読み解きたい。
    著者が提唱しているミラーワールドがどのようなものかや、各産業がどのように形態に変わっていくのか(著者の仮設)等が学べる。
    未来のことを知りたいと思う好奇心を刺激され、自分の理解度を検証するために学んだことを書き出してみたくなる。
    私にとっては刺激的な一冊でした。

  • 雑誌『WIRED』創刊編集長による未来予測本。
    これまで何冊かこういう類の本を読んできたので、
    大きな驚きや発見はなかったですが、
    ミラーワールド(AR:Augmented Realityやデジタルツイン的な世界かな)について
    語った本はそう多くはなかったかも。

    未来のテクノロジーや未来予測に関する本なのですが、
    著者の語りを本にしているからか、結構分かりやすく書かれています。
    欧米の知識人でもこのように平易に書くことのできる人がいるんだな、
    というのが新鮮な驚き、笑。

    また著者のテクノロジーに対する楽観的な姿勢に好感を持った。

    新書なので、手軽に読める未来予測本に仕上がっています。
    「テクニウム」や「〈インターネット〉の次に来るもの」も読んでみようかな。。
    (しばらくは時間取れそうにないけれど…。)

    ※テクニウム
    https://booklog.jp/item/1/4622077531

    ※〈インターネット〉の次に来るもの
    https://booklog.jp/item/1/4140817046

  • ケヴィン・ケリー「5000日後の世界」読了。WIREDが好きだ。その創刊編集長である著者の強みは先見性だ。それはテクノロジーに耳を傾ける事から生まれるとの事。また生物の進化ように技術の進歩を捉えるとプロトピアを予測できるとの事。WIREDの根幹を成す著者の壮大な思想がコンパクトにまとまっていた。未来に希望が持てる胸熱の良書。

    • Kaniさん
      初めまして。
      生物の進化のように技術の進歩を捉えるとプロトピアを予測できる、、、
      とても興味を持ちました。
      是非読んでみたいと思います。^ ...
      初めまして。
      生物の進化のように技術の進歩を捉えるとプロトピアを予測できる、、、
      とても興味を持ちました。
      是非読んでみたいと思います。^ ^
      2022/01/03
    • TaHiさん
      コメントありがとうございます
      コメントありがとうございます
      2022/01/03
  • 帯に書いてるのは「ビジョナリー(預言者)」。それはそうなんだけど,ケヴィン・ケリーを初めて知ったのは、二十年前に大学のときに課題で与えられた洋書の人。その時から今後の社会がどうなっていくのかという視点を与えて続けてくれていると思っている。本書はそんなケヴィン・ケリーの本書のためのインタビューを一冊にした本。ARの話とかAIの話とかもいろいろ書かれているけれど,ポジティブ過ぎず,ネガティブ過ぎず,それでいて今後の社会に期待をさせてくれる内容に勇気づけられる。そして日本の読者向けの本なので日本の特徴や今後のヒントも書かれていているのもいい。その視点で考えてると,海外では~という論調にはあまり意味がなく,日本は日本の生きる道を探ってほしいと思うし,自分もそうありたいと思う。

  • テクノロジーで変わっていく世界。
    テクノロジーは51%の良い側面と49%の悪い側面を持つという。人は当初の思惑通りに何かを使うわけでなく、人を傷付ける為に使うこともある。それでも、技術の進歩が悪い側面を潰していくという。
    インターネットの発展により、世界は大きく進歩してきた。良い面と悪い面を持ちながら。AIもまた、正しい使われ方がされないかもしれないけど、進化したAIにより正されるということでしょうか。
    ARの話や、教育の話、農業の話など、様々な未来の変化の話が出てきましたが、クリーンミートの話は面白かったです。生き物の命を奪わずにというのは、人が生きていく上で、画期的な出来事のような気もしました。
    テクノロジーによって、人は悪魔にも天使にもなれるんですね。

  • これからの五千日は、いままでの五千日よりもっと大きな変化が起きる。ミラーワールドは静かに動き出している。

    著者のケヴィン・ケリーは、雑誌『WIRED』の創刊編集長。テクノロジーによって引き起こされる数多くの変化を予測し、的中させてきた人物が、未来を語る。

    例えば今後...
    ➤五年以内のうちに新車はほとんど電気自動車になる
    ➤十年以内にiPhoneに相当するような、世界中の人たちが欲しがる中国製の製品が出てくる
    ➤十年ほどのうちに、AR(拡張現実)の機能がついたスマートグラスが仕事の現場で使われるようになる

    といったことを、ケヴィンは予想している。

    五千日といえば、約十三年半。生まれたばかりの赤ちゃんが、中学校の生活に慣れ始めるくらいの時間が経つ。

    あなたは、五千日後の世界が思い浮かぶだろうか?

    ノー?
    それならきっとこの本が、その世界を想像する助けになるだろう。


    p20
    百万人単位の人たちが一つのプロジェクトで同時に働くことが可能になる

    同時に百万人が働くためには、現在はまだない新しいツールが必要になります。例えば、AR(拡張現実)の機能がついたスマートグラスです。ARは、仕事を相互に行う場合に、物理的な交流を容易にするテクノロジーです。

    p23
    ミラーワールドの最も基本的な説明は、「現実世界の上に重なった、その場所に関する情報のレイヤーを通して世界を見る方法」というものです。VR(仮想現実)は外界が見えないゴーグルの中でのバーチャルな世界ですが、ARは、スマートグラスなどを通して現実世界を見ます。すると現実の風景に重なる形で、バーチャルの映像や文字が出現します。

    p27
    (前略)「ポケモンGO」というゲームは、実際の場所にスマホをかざすと仮想的なキャラクターが画面に出てくるもので、ミラーワールド到来の片鱗を示してくれました。ゲームは常に、テクノロジーが培養される場所です。
    なお、コロナ禍によって二十年ほど前にできたビデオ会議システム(Zoomなど)が実用的なものになりました。ビデオ会議システム自体は二十年ほど前からあったテクノロジーでそれほど変化もしていないのですが、それが非常に安価になり、使いやすくなって、誰もが使って慣れてきた。

    p38
    今後十年ほどのうちに、仕事の現場で使える何らかのスマートグラスが出てくるでしょう。

    p39
    そして今後約二十五年のうちに、より実用的なスマートグラスができて、一般人も使えるようになると思います。それまでは、家庭ではなく会社での利用や、ゲームでの用途が主となるでしょう。

    p44
    例えばギットハブ(GitHub:プログラムのコードやデザインのデータを世界中の人が保存・共有できるサービス)などでは多くの人がゆるく共同作業をしており、誰か一人が経営しているとか、上司から直接命令されるような形にはなっていません。

    p110
    (前略)中国のような国では独自の暗号通貨を作って全員ち使わせるでしょうね(二〇二一年現在、中国では国家発行のデジタル通貨「デジタル人民元」の運用実験を進めており、南米でもブラジルやエルサルバドルでの採用が報じられている)。こうした国家による暗号通貨は、国民全員が実名で使うよう義務付けられるでしょう。こうしたお金しか使えない時代には、すべての取引が透明化される金融環境が実現し、まるで違う世界になるでしょう。
    現在のビットコインが使っている、外からはアクセスできないダークウェブ方式である必要はなく、完全に公的な暗号通貨も作れます。誰もが自分の名前を明らかにしなければ買うことができないのです。すべての取引が実名で行なわれ記録されるようになるのでしょう。そうなれば、暗号通貨は犯罪者の不正な使い方をするものと、完璧に監視できるものに分かれると思います。
    デジタル化された証券であるセキュリティトークンなどを使い、不動産の共同保有をするなど、ブロックチェーンを用いて何でも商品化しようという動きもあります。

    p115
    例えば、私はいま、娘のために近所に家を建てていますが、その地域では年中暖房の必要があり、天然ガスを使っています。これをヒートポンプにするつもりです。ヒートポンプは主に冷蔵庫で使われているもので、熱を移動させて双方向で冷やしたり温めたりできて冷暖房に使えるものです。それには燃料を燃やす必要はなく、冷蔵庫で使っているような電気モーターやコイルで熱の移動をするだけです。
    現在はあまり普及してはいませんが、非常に効率の良いもので、当分は少々割高かもしれません。しかし燃料を使わないので二酸化炭素は出ません。家では太陽光発電をしているので、ほとんどの電力をそれでまかない、さらにヒートポンプを使うことで、グリーン・エネルギーとしての解決策になっていると思います。

    p116
    五年以内に新車はほとんど電気自動車になると思います。

    p119
    アメリカでは、すでに人種差別を軽減するためにARが使われています。ARで外見を変え、あなたが黒人になって私が日本人になるなどと、まったく自分の素性を変えてしまうんです。そういう状態で他人がどう反応するかを体験すると、理屈ではなくてお互いの見方を感じることができます。

    p131
    (前略)私は十年以内にiPhoneに相当するような、欧米人も含めて世界中の人たちが欲しがる中国製の製品が出てくると予想しています。(中略)例えばある中国企業が、誰もが欲しがる高品質で格安のスマートグラスを開発して、ARやデータを牛耳ることになったら、アップルのような地球規模の企業になるかもしれません。

    p138
    将来は大きな都市が好まれ、その他の地域は食料生産のための平地で、それ以外は自然のままになるでしょう。非常に効率的な都市に暮らし、郊外の自然の中にある農園ではロボットが働いているというイメージです。

    p140
    将来は都市がますます成長し、いっそう都市人口が増加するとされています。現在の都市人口の割合は全世界人口の約50%超ですが、これから75%近くになるでしょう。

    p182
    エルサレムに行ったとき、余命が六カ月しかなかったらどう生きるかという修行をして、その気になっていろいろ考えましたが、それがきっかけで、自分の人生の残り日数を示す時計を使うようになりました。たた、音楽家のブライアン・イーノからも、これからの人生を年単位ではなく日数で考える発想法を教えてもらいました。
    例えば、これから二十年は生きると言うと長く感じますが、日数で考えると七千日余りなんです。生命保険などの資料や政府が出している平均余命の表などから、自分が生まれた一九五二年生まれの人の平均寿命の予測を調べると、例えば七十五歳などと出てきます。そこで私はその七十五歳から現在の年齢を引いて、その長さを日に換算して時計を作るのです。そうするとその日数が毎日減っていき、それをコンピューターで表示しておくと、毎日あと何日生きられるかが表示されます。
    「あと六千二百八十日」と具体的に書かれていると、その間に何をすべきかを具体的に考えるようになります。「あと六千二百日あるから今日は何をしよう」と発想でき、やるべきことが多いと気づき、何をしたいかを選べるようになります。

    p191
    一つのやり方としてヒントになるものは、常識とされている、皆が当たり前だと思っていることに疑問を抱く、そしてそれを覆して考えてみるということです。ほとんどの場合、常識と呼ばれているものは正しいのですが、中にはやはり間違っているものも混ざっています。それを発見できれば、新たな洞察になります。ですから、常識に対して疑問を抱くという習慣を持つことが大事です。それが新たなストーリーや仮説を作っていくということにつながります。

    p192
    もう一つは、エビデンスを探すことです。未来のストーリーを考える際に、あるアイデアが浮かんだとしましょう。その後にすべきことは、具体的な裏付けを探すということです。関連する研究論文や証拠があるかどうかということを探していくわけです。もしあるのなら、さらにほかにも裏付けとなるエビデンスがあるかということを、どんどん探索していく。こうしてそのストーリーと裏付けを取りながら、本当の予測に作り上げていきます。

    未来を構想するプロセスの半分はその着想(アイデア)であり、その残りの半分というのはそれを実現していくためのエビデンス、やり方を探すということなのです。

    p193
    インターネットが一般に 使われ始めて約五千日が経った頃、ソーシャルメディアがよちよち歩きを始めました。そして、現在はソーシャルメディアが歩き始めてから約五千日が経ったところです。
    これからの五千日は、いままでの五千日と比べてもっと大きな変化が起こるでしょう。

    p194
    これから起きるほとんどの変化は精神的なもので、われわれ同士の関係性や余暇の過ごし方、自分というものの捉え方や人生観、他人やいろいろな対象とどう関わるかなどの意味を変えていくでしょう。われわれがどういう存在であるか、どうやって物事を理解するのか、科学を変化させどのように真理を追究するかなどの点での変化なのです。そのため、これらの変化は目には見えません。そういう点での変化が五千日の間に起きるのです。

  • 崇める事もできるけど目を凝らすと鰯の頭に見える

  •  テクノロジーによって起こる、様々な事象を予測、的中させてきた彼は、これからの未来をも見通し、見事に当ててみせるのであろう。が、子供を持つ際の遺伝子操作、人間自身を変容させること、クリーンミートを食するようになることなどなど、私には到底、受け入れ難い。きっと、このような世の中が到来するのではなく、彼らのような人間が、自分達が思い描く世の中に誘導していってるのではないかと思う。しかし、「人生を年単位ではなく日数で考える」「他人にはないが自分がより向いている得意な物は何かという疑問に答えることこそ、最も難しい話なんです。それに答えるには非常に深い真剣な自己洞察が必要です」など、これからの自分の人生においての気づきを与えてくれた貴重な一冊でもあった。

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著者プロフィール

現在は雑誌「Wired」の「上級一匹狼」という役職についている。1993年にWiredを共同で設立し、その創刊から1999年まで編集長を務めた。最近の著書としては、バイキング/ペンギン社から“What Technology Wants”という本を2010年10月18日に出版した。また、毎月50万人のユニークビジター(重複を除外した利用者数)があるウェブサイト「Cool Tools」の編集者兼発行人でもある。1984年から1990年まで非正統的技術情報の専門誌「Whole Earth Review」の発行人兼編集者だった。今も続くハッカーズ・カンファレンスの共同創設者であり、また、1985年に始まった先駆的なオンラインサービス 「WELL」 の設立に関与した。ベストセラーとなった書籍“New Rules for the New Economy”(邦訳『ニューエコノミー勝者の条件―ウィナー・テイク・オール時代のマーケティング10則』1999年、ダイヤモンド社)、分散化した創発的システムに関する古典的作品“Out of Control”(邦訳『「複雑系」を超えて―システムを永久進化させる9つの法則』1999年、アスキー)などの著書がある。
※ケヴィン・ケリーのブログ(http://www.kk.org/biography.php)で公開されているプロフィールを堺屋七左衛門が翻訳

「2012年 『ケヴィン・ケリー著作選集 1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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