先生がいなくなる (PHP新書)

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569853468

作品紹介・あらすじ

◆教員不足の原因は、長時間労働を生み出す「給特法」にある!
◇教育現場を残業地獄から救う方策を各専門家が徹底議論!

近年、「教員不足」が加速している。
小学校教員採用試験の倍率は過去最低を更新し続けており、
倍率が1倍台、「定員割れ」の地域も出始めている。

その原因は、ブラック職場と指摘される「教師の長時間労働」、そして、
教師の長時間労働を生み出す「給特法」という法律にある。
給特法の下では教師はいくら働いても「4%の固定残業代」しか得られず、
そのために「定額働かせ放題」とも揶揄されている。

この状況を一刻も早く改善するため、
現役教諭、大学教授、学校コンサルタントら専門家が、
「給特法」の問題点の指摘および改善策を提案。
教育現場を残業地獄から救うための方策を考える。

【本書の目次(項目一部抜粋)】

第1章 教師を苦しめる「命令なき超過勤務の強要」 西村祐二
〇採用1年目の教師が自死
〇現場教師の6割が「教師のバトンは渡せない」
〇横たわる「給特法」の問題

第2章 時間管理なき長時間労働――給特法下の「見えない残業時間」 内田良
〇午後3時半に磁場が狂う――究極の労働者から、究極の聖職者へ
〇定額働かせ放題――残業代が合法的に支払われない
〇改正給特法の下での新たな時間管理と「見えない残業時間」

第3章 教育現場から訴える学校改善の方策 西村祐二
〇2022年、「給特法の見直し議論」が始まった
〇成功を収めた韓国の働き方改革
〇コラム――なぜ教員志望の学生は減少しているのか? 室橋祐樹

第4章 学校の働き方改革が「先生以外の人たち」とも無関係でない理由 小室淑恵
〇睡眠不足の上司ほど部下に侮辱的な言葉を使う
〇教員の長時間労働放置が、子どもたちを過酷な状況においつめている
〇経済界からも給特法の廃止に賛同

第5章 学校現場での働き方改革――知られざる「リアル・ノウハウ」 田川拓麿
〇「朝夜メール」「カエル会議」ですべてが変わる
〇3つの「学校での働き方改革」の具体事例
〇子どもたちのために、仕事を「断る・減らす・なくす」勇気を持つ

第6章 給特法の「これまで」と「これから」を考える座談会 金井利之・内田良・小室淑恵
〇教員は「定額働かせ放題」を30〜40年も先取りしていた
〇子どものために「経済的合理性を無視して働く」先生たち
〇「無償の報酬を要求する社会」から脱却せよ

感想・レビュー・書評

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  • 先生って大変。やりたくなるだけ。、

  • 心からの応援の意味も含めて星5つ。

    私が年次研修で保育園と一般企業で実習し、一番驚いたことが、きちんと休憩時間があること。
    普段は、休憩する暇もなく、やらざるをない仕事に追われ、睡眠時間を削って家でも仕事をし、土日も当たり前に出勤。もちろん残業代なし。
    そういうものだと頑張ってきたが、やはりそれでいいはずがない。

    本を読み、司法も守ってくれないことを知った。韓国の事例も興味深い。
    業務量に対する考え方も、図にまとまっていて分かりやすい。給特法をなくすことが業務量削減につながると納得。
    また、給特法のある現在の学校でも、様々な工夫で業務量を減らした事例が紹介されており、それもとても参考になった。

    働かせ放題の教員の職場環境が改善し、健やかに働き続けられることを切に願う。

  • 教員の働き方改革の必要性は理解できるが、制度改革や意識改革の話題が中心で、実際の業務改革やIT活用の視点が弱い。

  • 限界だわ

  • 東2法経図・6F開架:374.3A/U14s//K

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/564796

  • こういった、
    教員界隈の問題点を整理した書籍は
    数多出ているけれども、
    届いてほしい人には届いているのだろうか。
    どうすれば窮状を知ってもらえるだろうか。

  • <目次>
    第1章  教師を苦しめる「命令なき超過勤務の強要」
    第2章  時間管理なき長時間労働~給特法下の「見えない残業時間」
    第3章  教育現場から訴える学校改善の方策
    第4章  学校の働き方改革が「先生以外の人たち」とも無関係でない理由
    第5章  学校現場での働き方改革~知られざる「リアル・ノウハウ」
    第6章  給特法の「これまで」と「これから」を考える座談会

    <内容>
    「ブラック」だと言われて久しい教育現場。自分もそこにいるのが、確かに「働くこと」に関して気にすることはなかった。部活も生徒と一緒に楽しく(保護者などとの軋轢もなかった)やれてたし、授業準備も割と定時内に仕上げていたし、調べ物などは半分趣味のように家でも、読書やネットサーフィンで仕上げてきていた。が、今の若い先生や教育実習生を見ていると、「ブラック」だと感じる。若いときから時間管理ができていないし、授業準備もノウハウを持たないからだ。結果、どこかの指導案をマルパクリをしている。しょうがないところもある。この本では、第5章が最たるところだが、授業準備に時間が割けるように、それ以外の業務の改善策を提案している。部活はまた別の話のようだ。

  • 私は教員をしているが、朝早く出勤して電話番、昼休みは食事をとる5分だけ、保護者対応、平日の夕方と土日のそれぞれ丸一日は部活動や特別授業などなど、今思えばよく死ななかったなというレベルだった。本書のように考えている方が増えているのが非常にうれしい。

  • 背ラベル:373-ウ

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著者プロフィール

名古屋大学教授

「2023年 『これからの教育社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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