ぼくたちは大人になる

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 120
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236545

感想・レビュー・書評

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  • 高校生の成長を軸に、友情・家族を描く。

  • 著者の出身地である茅ケ崎を舞台に、受験を控えた高校三年生たちが織りなす一年間の青春グローイング・ストーリー。こういう場所のこういううお話が好きだな。サッカー部のエースにして成績優秀だけれど、家庭生活にはあまり恵まれていない高校三年生・宮本達大(たつひろ)が主人公。それまであまり手痛い失敗をしたことのなかった彼が、怒りのあまり行動を起こすことで陥る窮地。やがて、しくじることを知り、愛に触れ、友を得て、自らの罪を告白できるようになるまでのアップ・ダウンの激しい展開の面白いこと。とにかく、はらはらドキドキ。佐川さんは社会派らしく、社会的弱者に対する目線がいつもながらしっかりしていて、物語の中で挿入されるいくつかのエピソードもいかにもという感じ。ともあれ、ボロボロになりながらも、大人への階段をワンステップ上がった達大の姿が最後に描かれている。

  • 成長する姿が心地良い。

  • 青春小説を読むのは、未だに辛い。
    大人ぶる姿が痛い。
    経験があるから痛い。
    けれど、読み始めたら止められない。
    青春小説。

  • 引き込まれて一気に読めた。
    面白かったけれど、この小説の大なる部分である、主人公が起こした喫煙密告事件の
    動機の書き方が弱いのではないか。
    なぜあんなひどい裏切りを実行したのか(土屋への反感、恋心だとしても)納得できなかった。
    本人が語る動機も、動機として軽すぎると思う。
    もう1点、片岡との別れのシーンでの片岡の突然のぶち切れ、それまでの片岡の書き方に比べて
    唐突な感じを受ける。この部分は全くついていけない。

  • 主人公を裏切った元彼女彼女の数年後の後悔を思うとすごくつらいこの本を見てからスーパーで本くずや和三盆を探してみたりしてます

  • 高校3年生でクラス委員に選ばれてしまった宮本達大。
    担任の清水先生に頼まれた取引は、先生の代わりに朝の出席をとれば、三者面談を免除するいうこと。
    達大は両親の離婚後、母親とうまくいっていなかったので、いい取引だった。
    もう一人のクラス委員の土屋との取引は、先生の使っている小部屋での喫煙だった。

    達大は自分の堅苦しい性格を、清水先生に「もうすこし考え方にあそびをもて」
    と言われたことにムッとした。
    土屋の余裕たっぷりの態度も気に入らなかった。
    母親とケンカしてムシャクシャした気持ちの時に、清水先生と土屋を困らせてやろうと、
    ある計画を思いついて実行する。
    その結果、自分がどんなことに陥るかなんてことには思いもよらなかった。

    現在の医療問題や、福祉問題、市民活動やらと、ちょっとづつ関わりながら達大の1年間の成長を追っていく。
    ハイティーン向けですね。

  • 非常に読後気分のいい小説ですが、出てくる大人が、立派すぎる気がする。主人公も出来過ぎ。でもまあ読んでて不快感がないので、それはそれでいいのかも。

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著者プロフィール

1965年、東京生まれ・茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部出身。在学中は恵迪寮で生活し、現在は埼玉県志木市で暮らす。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。

「2021年 『満天の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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