きらきら眼鏡

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239270

感想・レビュー・書評

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  • 飼っていた猫をなくした明海は古本屋で普段買わない自己啓発本を買った。そこに挟まっていた名刺あかねに連絡をとった。あかねは幸せ、明海は優しさの天才。言葉、登場人物もみんな素敵。自分の人生を愛せないと嘆くなら、愛せるように自分が生きるしかない。他に何ができる?つらい経験って、考えようによっては自分磨きの研磨剤。もう一人の自分を頭上に置き、そこから肉体のある自分を眺め下ろしてやればいい。きらきら眼鏡をかけていないと悲しくて淋しくて壊れてしまいそう。出会ったことが奇跡。クローバーの花言葉。わたしを想って。約束。

  • なにげない普通の毎日も、見方をかえれば幸せはたくさんあるんだよ。
    そんなお話しでした。
    それはわかる、わかるけどだよ、余命わずかな彼氏がいるのに、自分に想いを寄せてくれてる人の彼女のふりして家族に会ったり、地元に一泊したりするかなぁ。そんな時間あるなら少しでも一緒にいたいって思わないのか?
    彼氏も行っておいでって言ってたし、楽しそうだから!って、、
    ちょっとここどうなの?と思ったけど、私もきらきら眼鏡かけて毎日を楽しく過ごそうと思える一冊でした。

  • 著者さん、初読みです
    こういうラブストーリー、初めて読んだかもしれない…。勧められなければ読まなかったかな、と思うと勧めて下さった人に感謝です。
    私は誰かといるときとか、職場とかではできるだけ笑顔、を心がけてるけどその分1人になると反動なのか泣きたくなることもあって、あかねさんはどうなのかなって思いながらも読みました。

    自分じゃない、誰かと一緒に居たり、過ごしたり、時間を共有することで世界は輝いていく

  • このお話もよかったです。タイトルにあるように「きら きら」、そんな思いに満たされるよう。

    登場人物がみんな優しい人ばかり、相手のことを大切にしているのが美しい。

    愛猫を亡くしたばかりの明海君が古書店で偶然目にした「死を輝かせる生き方」という本。
    その本に挟まっていた名刺を見つけ、その持ち主にメールをする。
    返事が返ってくる。持ち主はあかねさん。彼女には余命宣告を受けた彼がいて、その本は彼がプレゼントしてくれた。間違って古書店に出してしまっていた。

    この二人と、明海君の同僚の弥生さん、あかねさんの彼の裕二さんを中心に物語は進みます。劇的な何かが起こるわけではないのですが、それぞれのキャラクターがいい。

    「誰かと出会えば、必ずいつかは別れがくる。ならば・・・・・・どうせなら、その別れの瞬間、涙が止まらなくなるくらいに、出会った人とは深く心を通わせておきたい。そうしなければ、もったいない――」

     この明海君の言葉の通り。心を通わせていきたい。
     そして、それは何か特別なことをするというのではなくて、「何も無い坦々とした日々」が「穏やかな日々」なのだと、それは本当は奇跡で、幸せなことだと思えることから始まっていく。そんなことを再認識できました。

     この本を読む前に、『虹の岬の喫茶店』と『水曜日の手紙』を読んでいると、尚楽しめると思います。

     ドラマ化か映画化になればいいのになって思いました。

  • 森沢さんの小説はいつもキラキラしている。
    それは全てがハッピーではないが故、
    自ら努力しているキラキラ。

    心をコーラでザッと洗い流されたような読後感だった。
    秘密のメッセージはコーラに書くといいね。

  • 大好きな作家さん。

    自分が投げかけたものと同じものを受け取るようになってるんだよ。だからまずはこっちから優しくしてあげるの。➡︎ユング的考え

    きらきら眼鏡について。人生の価値を決めるのは、その人に起こった事象ではなく、その人が抱いた感情なのだ。この世のきらきらした部分にフォーカスしたら限りなく幸福になれる。➡︎アドラー的考え。

    毎日清潔な布団で寝られてエアコンが効いてて、あかねもメールをくれる。そういう幸せに気づいたら俺はその瞬間あら感謝の人生を送れるわけでしょ

  • 素敵なラブストーリーでした。

  • 人が死ぬお話は狡い。もうどう頑張ってもその人を超えることは無理じゃないか。

    虹の岬の喫茶店が出てきたり、ケラさんがいたり、ほんとこの人のお話に出てきた人たちは生きてるんだよなあ。

    全体を通して死と生に向き合う雰囲気がけっこうしんどかった。それだけでなく、恋愛がそれぞれ一方通行なのがさらにしんどい。

  • たっぷりのやさしい好きが詰まった恋愛小説。相変わらず登場人物みんないい人だけれど、明海くんは黒い気持ちも持って自己嫌悪したりもする。でもこんなに素敵な女性二人の間で悩むなんて、ちょっと贅沢だよなぁ。
    コーラのメッセージが好きだったな。思春期に差しかかる娘とのコミュニケーションに使ってみようか。

  • 久しぶりに余韻の残るお話に出会えました。

    『きらきら眼鏡』をかけて物事を見る
    私もやっているつもりだったけど、あかねを見てるともっときらきら捉えることができるのかも。
    そんな気持ちになりました。きらきら眼鏡って言葉もステキ♪ 心に刻んでおこうと思った♪

    本の表紙の裏、コカコーラのくだりでは涙がとまらなかった~(泣)
    ただひとつ、気になったのはペロのお墓。
    私なら離れたくないし、ずっと住み続けるならいいんだけど・・とそれだけが気がかり(笑)

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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