- Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575514117
感想・レビュー・書評
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「部活動」というテーマで選択した本でしたが、少し物足りない部分が多かったように感じます。
大学の空手道部を舞台とした作品はあまり多くない印象ですが(漫画の『空手小公子』などはその代表格なのでしょうか)、空手の稽古や試合の描写についてはもう少し細かく描いてほしかったです。拳の動きや体配についての描写はなかったのでリアルな「空手」を求めるとがっかりするかもしれません。
メインテーマは青春キャンパスドラマですから、恋愛の要素もあります。主人公は「モテる」ということを追及する姉に反発して「女らしさ」を捨てるために空手部に入ったトモ。しかし、気になる男性に出会ったことで、決意が揺らぎます。また、所属する動物学科にて屠畜の実際を知ったことなどから、「生き方」について悩む、等身大の大学生の姿が描かれています。高校を卒業し、文字通り「自分探し」をつづける主人公の姿はじれったくもあり、応援したくもなります。
一方で、心理描写の面でも一抹の物足りなさを感じました。恋愛の流れについても、たしかに「わからんではない」というものではあるものの「これじゃない」感が払しょくできず、そこはかとなく不完全燃焼な印象がある読後感でした。
ストーリー的には続編があと2冊出ているようなので、時間があれば読んでみようかなとも思いますが、「面白いよ」と自信をもって他人に推薦できる本ではなかったかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトル通りのお話
空手道部に入った理由は男関係の失敗の反動
ストーリー的にはそんなでもない
最後まで読んで、「あれ?これで終わり?」って思って、あとがきで続編があることを知っても続きを読みたいとは思わない
食肉の屠殺については一部反論があるかな
例えば、一人がビーガン(笑)になったとしても屠殺工場からのの出荷量は変わらないだろうけど
それが万人、百万人、千万人単位になったら需要と供給が崩れるので何らかの影響はあるわな
本気でそう思うんだったらまずは自分から始めるべきだと思うよ
そして僕個人の考えなんだけど
ひとそれぞれ食べたいものを食べればいいじゃんと思う
そもそも命というものを過大に評価しているところもあれば、ものによっては過小に評価しているところがある
食肉用の生を受けた生き物は食肉用の一生しか生きられないんだし、そこに同情しても仕方がない
そこは割り切るしかない
僕は大学のときに実験動物を野外で捕獲して過酷な環境で飼育したり、無慈悲な採血したり、薬殺したりしてたときの妄想だけど
例えば地球に宇宙人が来て、自分が同じような目に遭ったとしても仕方がないんだろうなぁと思ってしまった
なので、既にそんな目にあっている生き物たちも仕方がないから諦めてくれという思い
まぁ、実際に自分がそんな環境に置かれたらそれなりにするんだろうけどね -
タイトルで期待した動物や空手は基本添え物で、部活に夢中な女の子の不器用な恋がメイン。
それはそれで初々しく楽しめましたが、もうちょっと動物学科らしさが欲しかったなぁ。 -
動物とかかわる仕事をしたいと、動物学科に入学した高田トモ。女の子らしさをなくしたい、大学では一つのことをやり通したいと空手道部へ。部活や勉強、恋愛、友達といろいろなことを考え悩みながら、一年を過ごす。銀の匙と似ている部分もあるけれど、もっと人間ぽさが出ているような感じがした。恋愛もいろいろと悩みながら、また、勉強も部活も真剣に考えている姿は可愛いなと思う。思っていた以上に読みやすくて面白かった。続編も楽しみ。
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タイトルがおもしろそうで興味を惹かれる動物学科という言葉。
前半はセンター見学や実習を通して学科について描かれており、勉強にもなるし、色々と刺激になるなと思いました。私は動物学科などではありませんでしたが、「知らないよりも知っているほうが絶対いい」と幾分抑えたトーンである登場人物が実感と確信を持って言う(P24)シーンから主人公も同じように考えるまでの流れは、読者としてですが一緒に考えさせられました。
後半は恋愛に重点が置かれていて、ちょっと期待とは違いましたが、それはそれでキャンパスライフらしくていいのかも。相思相愛の相手と過ごす時間は何よりも幸福で安らげる時間だ。けれども、相手がどう考えているかわからないと不安という気持ちはわからないでもないけども…。主人公側の内面からしか文章化されていなかったのがせめてもの救い。彼がとてもいい人だっただけに切なくなります。 -
大学進学して、
新生活がスタートして、
部活もやって、
恋もして。
ああ、そうだったなぁ〜が詰まってます。
ちょっと甘酸っぱいわぁ。
2年生もたのしみです☆ -
片川さんの作品は、現在の自分と同じ歳の主人公を描くという。「佐藤さん」「ジョナさん」そしてこの作品と、「今の私しか書けないもの」だそう。
年齢が離れ過ぎていて同感はしずらいが、リアルに若者の息吹を感じることはできる。
今でしか出来ない恋はある。トモのこれからも見守りたい。 -
若い作家さん?
文章に若々しさを感じた -
宮尾和孝さんのカバーイラストと帯にかかれた「青春小説」に惹かれ文庫を衝動買い。
ときどき真剣、ときどきゆるゆる。