扼殺のロンド (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575516685

感想・レビュー・書評

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  • 途中まで雑多なお店くらい殺人事件がばらばら出てきて無理くり話を終わらせるなんて事ないよね?なんて変な疑いを持って読んでしまった。

    少々無理がない訳ではないけど、終盤になって段々整理されてあぁ納得の結末だったので良かった笑
    まさかの動機にまさかの犯人。結構好きかも。

  • 図書館の新着コーナーにあって借りてみたら、2014年でした。

    設定が昭和の終わりくらいなため、やや時代を感じるものの、そんなに昭和である必要もなかったのかな、と思いました。

    探偵が謎解きをしますが、主人公の警察官の視点で話が進むため、急な物語の回収な感じがします。そして、さすがにそのトリックや設定は無理ではないか、という感じがしました。

    事件自体は立て続けに連続殺人が起きていきます。最後も唐突なので、終わりをもう少し丁寧に綴ってほしかったです。

  • これは…あまりにもすごすぎなトリックだなぁ。推理小説さながらのトリック。読み物としては面白い。小沢さんと海老原くんのいがみ合いながらの認め合いも好き。
    読後の哀しい感じがハンパない。

  • 後書きにもあるように島田荘司を彷彿とさせる予想のつかないとんでもトリックでおもしろかった。

    ただ、人物描写が細かいわりに、キャラがあまりたってないように感じた。姉川家や小沢さんはキャラがあったのだが、笠原に関しては存在する必要があるのかというレベル。またラストのエピローグは絶対いらなかった。数行書かれてるが、書く必要があるのかというレベルのありきたりな結末で、もっと深く書かないととってつけた感が否めない。

    謎についてはとても惹きつけられるものでワクワクした。

  • 初めてこの作家に出会った
    「扼殺」手で首を絞め殺す
    中々の言葉
    ちょっとやり過ぎ感がと、できるの感(現実離れ)が残った

  • 筆者の繰り出す奇想天外なトリックを見抜くことはハナから諦めてるのだけれど、今回も無茶。明らかに一般的でない知識に基づくトリックだ、とせいぜい怒った顔でもしておこう。今回の超不可解な二重密室状況を産み出してしまったのは、犯人側のある計算違い、要するに事故なのだが、悲惨で、かつ悽愴な場面であるにも関わらず、想像したら笑ってしまった。
    ラストで明かされる犯行動機と犯人像は実に陰惨なのだが、そこで終わらせず、ちょっとした救いを残すところが筆者らしいかな。

  • 動機も殺害方法もわからないまま連続殺人は続いていく。
    一族の中で次々と殺人が起これば、当然生き残った者の中に犯人がいると見当がつく。
    犯人役を用意周到にあらかじめ決めていた犯人の凍てついた心理が怖ろしい。
    まるで2時間ドラマの脚本を読んでいるようだった。
    意外な人物が犯人…というのはミステリーによくある筋書きだけれど、いつ、どうやって犯行に及んだのか。
    それを考えると、犯人に目星はついていたけれど特定する自信はなかった。
    いつの間にか事件を起こしたそもそもの動機よりも、人を殺すことが目的になっていく犯人の心理変化は怖い。
    殺人の快楽に染まってしまった人間には、何をどう伝えても虚しいような気もしてくる。
    大胆さと遊び心を併せ持つ犯人。
    自称名探偵の海老原にはあまり見せ所はない。
    かえって刑事である小沢のほうが、物語に深く絡んで主人公はこちらでは?と感じた。
    もう一冊、このシリーズを読んでみてもいいなと思わせる物語だった。

  • すごいちゃんとしたミステリーでした。
    謎をしっかり解いていく、
    あまり読まないので
    これはこれで楽しかったです。

  • 同著者の海老原シリーズ前作、『十三回忌』では
    「このトリックは現実では不可能だろう」
    「海老原浩一のキャラが薄く、脇役っぽい」
    といった批判のコメントをよく見かけた。

    しかしこの作品では、現実味のあるアリバイトリック、物理トリックを用いている。それでいて提示される謎の奇怪さは相変わらずトップレベルであり、どんどん引き込まれていく。
    そして例えば斜視を用いたトリックだったらコスモス、包帯密室トリックだったらマネキン、などなど大きな謎に付随する小さな謎も相変わらず上手い。
    "髪の毛を飲む"という行為や名前に込められた意味にもとても驚いた。

    そして名探偵海老原浩一のキャラクターも良い。底に潜む優しさだったり、場にそぐわない明るさだったり、飲まず食わずで推理に熱中したりなどなど...(御手洗潔に似ているような??)

    現実味は増したものの『十三回忌』よりトリックが少しこじんまりとしているようには感じるが、明らかに前作よりも進化している。

  • お勧め度:☆6個(満点10個)やはり、読み終えて感じるのは、あまりにも盛り過ぎ的感は否めない。次々と起きる殺人事件、しかも。奇天烈な殺害状況。最初はこれをどうやって収束していくのだろうと思いながら読み進めていく。たとえば、最初の自動車事故。男女の死因もさることながらその経緯も不自然すぎる。次の密室殺人も包帯のぐるぐる巻きに幽霊騒ぎ、次の扼殺の違和感。それを、探偵役の「海老原浩一」が理路整然と解いていくという展開。一応それぞれ理屈は通っているけど、やはりちょっと無理があるかなあとも思う。でも面白かった。

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著者プロフィール

埼玉県生まれ。2005年、島田荘司氏との共著により『天に還る舟』(南雲堂)を上梓。2008年、『十三回忌』(原書房)で単独デビューを果たす。2015年、『扼殺のロンド』(双葉社)で第6回「駅の中の本屋さんが選んだエキナカ書店大賞」を受賞。スケールの大きなトリックと、どんでん返しを得意とする。趣味はリバーカヤックと散歩。ビールが大好物!主な著書に『怨み籠の密室』(双葉社)、『ブラッド・ブレイン1~3』(講談社)、『モノクローム・レクイエム』(徳間書店)、『愚者の決断——浜中刑事の杞憂』(南雲堂)など。

「2022年 『仮面の復讐者 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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