Nのために (双葉文庫)

著者 : 湊かなえ

• 双葉社 (2014年8月23日発売)

感想・レビュー・書評

[Jnさんの感想 · 2017年6月13日]

大好きなドラマの原作

ドラマの原作としか思えないくらい
セリフや背景が巧妙に映像化されていたと実感する

究極の愛は罪の共有

その強がりのような弱さが邪魔して
素直に人に頼れず不器用に生きていく人間に
どうすれば人は愛を与えてあげられるのか

映像でも活字でも胸に突き刺さるメッセージは同じだった。

[エイジさんの感想 · 2015年2月16日]

一気に読んだ。
ほんと一気に読めた。
イヤミスって感じでは無かったけど
やはりさすがだよな。

話の展開の良し悪しは別として
読んでると、こうなるかな？
こうなってほしいな、とか
若干でも思うもの。

それをことごとく裏切ってくれる。
だからこそ面白いんだろうね～(笑)

いやいや脱帽。

ちなみにドラマは見てない。

[前太ハハさんの感想 · 2015年1月19日]

Ｎのために

ドラマを４話までみたところで職場の同僚からお借りしました。（その後ドラマは録画しておき、先に原作を）

他の方のレビューを拝見するとドラマのほうが評価が高いようですが、私自身はそうとも思わなかったかな。
確かに三浦友和的進行役がいる方がわかりやすいし、ドラマの方が全体的に丁寧に描かれているので登場人物の心理が明確だったと思います。
でも、本を読んだ後にドラマをみた私としては、ドラマの描き方はくどいかなと。
秘めていた思いを最後は伝えあって、母とまで和解して、後味の良い終わり方にしたドラマもよかったけれど、イヤミスの女王としてはそれは意図してない気がしました。

自分に秘めた負い目があり、
それぞれのＮが、それぞれのＮのためにした行動が、最悪な結果に繋がってしまった。
すれ違いだらけの、切ないお話。
でもいいような気がする。
ジャンルとしてイヤミスは好きじゃないけど、この着地点は嫌いじゃなかったです。

[Naoさんの感想 · 2024年3月15日]

読み始めたときは頭の隅にNとは誰のことだろうと思いながら読んでいた。
それぞれのNへの想いが交錯していく。
一つひとつのピースが揃っていき全体像が見える。
読者にしか分からない物語の構成に感動した。

[うみたさんの感想 · 2024年1月5日]

先が気になるのと、登場人物の話が目まぐるしく変わるので、途中から先を読まずにはいられなくなった。
Ｎのために、とあるが、結局、自分のために行動していると思う。特に最後はそれか〜と。
人は少なからず、自分（自分の周囲の人も）にとって有利な行動や言動をとってしまう。また、愛を欲っする人や過去のトラウマがある人は、やむをえずそうなってしまうことがあるのではないか。でも、それはいばらの道なんですね。
成瀬と安藤は普通の人の方で、成瀬がレストランを開いたくだりに、ほっとしました。

[さちさんの感想 · 2023年10月9日]

高層マンションに住む野口夫妻の殺人事件。その背景にあるそれぞれの人たちの想いや生い立ちが、どんどん明かされて一気読み！いろんな視点とたくさんのN。イヤミス度もそこまで高くない作品。

[ごとさんの感想 · 2023年8月29日]

よく考えて書かれているとは思うし、それなりに驚きはあったけど、いまいち登場人物の心情が分かりづらくてのめり込むことはできなかった。

[景子さんの感想 · 2023年8月29日]

望美ちゃんが最後まで強く健気だった。
終わり方が拍子抜けな感じ。
皆んながもう一歩踏み出して自分のＮのために
やった事が伝われば…
一人でない愛を感じてほしいと思った。
終わり方がドラマの方がよかったかも。

[おまるさんの感想 · 2023年8月28日]

Nさんが沢山出てきて、それぞれがNのために…という話し。昔ドラマで観た時も面白いと思っていたけれど、本も良かったです。
恋愛小説は、全く読もうと思いませんが、こちらは全然大丈夫でした。
真相は、あー、そうなんだ。ぐらいな感じだけれど、湊かなえさんらしい、重くて誰も報われない。心にずどーんとくる。そんなお話しです。

私自身も子どもの頃色々あったので、杉下の「本当は、あの人のこと全然好きじゃない。」と俯瞰して人を見ている感じが凄く良く分かって共感出来てしまいました。

[Ｒitaさんの感想 · 2023年8月6日]

ドラマすごく好きで原作も読んでみようと。やっぱり原作もドラマも良かった。タイトル通り皆Ｎのために行動し過ぎてああああってなる。ドラマより感情が伝わって余計にしんどくなる。タイトルが秀逸。

著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』（『望郷』に収録）で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。