新緑のサスペンス-京都寺町三条のホームズ(6) (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575519570

感想・レビュー・書評

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  • 今回はシリーズ初の「1冊まるまる1つの長編」でした。

    いつもは内容の違う4つほどの事件が、章ごとに起こって解決していくオムニバススタイルなので、1冊まるまる1つの事件というのは、このシリーズにおいて珍しいことなのでした。

    読んでいると、心につけこんでくる感じとか、キーワードは出せないけど現代の暮らしにそっと潜む悪意みたいなものが散りばめられていて、「まるで2時間ドラマみたいだな…」と読みなが自然にらおもっていました。
    するとなんとあとがきにて、著者の望月麻衣さんが「いつもの短編連作が連続ドラマなら、今回はスペシャル二時間サスペンスドラマ。」(320ページ)と書かれているではありませんか!
    あとがきを読む前から感じられるくらい、「二時間ドラマ」感が本編中にあふれていました…

    推理物の性というか、つっこんで感想を書くとネタバレになってしまうのがつらいところですが、裏表紙にも明言されている通り、本作から(というか前作ラストからかな、厳密には)ついに主人公・葵と、ホームズこと家頭清貴のお付き合いが始まりました。

    ただ、エピローグと本編の間にスパッと線がひかれたようになっていて、内容は「6巻のエピローグ」というよりも、7巻を読み始みはじめてみるとわかる「7巻のプロローグ」という印象の内容です。
    そしてこのエピローグを見ると、葵よ…元カレと別れることになったのは、本当によかったよ…元カレ、何様よ…?!サイテー!!となりますので、乞うご期待。

  • 初の長編作だったんだ。晴れて恋人同士になった葵と清貴。初々しい感じがいいなぁ。それにしてもオーナーは先読みの眼が鋭すぎる。
    オーナーの知り合いの方の家からお宝が盗まれる。高校生が大麻所持で逮捕された。ものものしい事件にアクションシーンなんかもあって、ちょっとびっくりだったけれど。いつものように面白かった。

  • '22年8月8日、Amazon audibleで聴き終えました。

    また、聴いてしまった…今作は、シリーズ初の長編でした。色々な要素が盛り沢山!面白かったです。

    結局、今日現在、audibleにあるこのシリーズは、全て聴いてしまいました。次作のアップは、少し先…ま、ひと区切りついた、かな┐( ˘_˘)┌

  • 史郎さんが好きだった。
    また出てきて欲しい。

  • 初めての長編で、読み応えがありました。
    まさか小松さんが再登場するとは思いませんでした。
    今回は円生さん、秋人さんやオーナーの出番がなく、いけずなホームズさんがいつもより控えめだった気がします。
    次作も楽しみです。

  • 今回は円生との対決はなし。
    でも大きな事件に発展していき、読んでいて面白かった。
    ホームズさんと葵の関係もなかなかもどかしいけど、その様子も胸キュンベタ甘でした。

  • シリーズ初の長編。
    1冊かけて1つの謎を解決していくスタイル。

    ホームズさんの仕草や言葉に惚れ惚れしている葵ちゃんは、ホームズさんと2人きりで店番できるのか?と不安に思い、読み始めました。それはホームズさんも同じくですが……
    案の定、仕事になるのか……急にイチャ付き始めたり、2人の世界に入ってしまう感じでハラハラしていると、オーナーの恋愛禁止令で笑いました。そりゃそうなるよね…と。

    娘が行方不明と依頼に来た小松さん。離婚した元妻が親権で一緒にいるとは言え、すごく心配している様子。ただの親子喧嘩から家出したと対して心配していない母親との差は……男親には男目線での心配すべき事柄があって、それは女にはあまり気づかない点なのかもしれない。男の目線と女の目線、両方をこうであろうと考察できるホームズさんは一体……(~_~;)

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    ついにお互いの気持ちを伝え、付き合いだした清貴と葵。ある日、京都では名の通った鑑定士や収集家の家から、仏教関係の美術品が盗まれる事件が頻発しているという報せが、二人のもとに入る。さらに、吉田山荘事件で知り合った探偵の小松が、行方不明の娘を捜してほしいと『蔵』にやって来た。二つの事件は巧妙に絡み合い、さらなる謎へと―大ヒット・キャラクター小説第6弾!

    令和5年12月26日~29日

  • 読みごたえのある巻!

  • シリーズ初の長編である。行方不明になった1人の女子学生と盗難品事件。この二つを結ぶものとは何か。
    京都案内+サスペンス+謎解き+恋愛模様といったところでてんこ盛りだが程よいバランスで成り立っていて飽きない。最後まで楽しめる一冊だ。

  • タイトルにある通り2時間サスペンスの要素たっぷりです。
    恋愛、鑑定、探偵、政治家、連続事件、アクション…
    あとはなんだ?京都観光?
    全体的にはんなりなシリーズでは珍しくシリアス要素が多い

  • 2022.08.19

  • 五巻までは短編ストーリーの詰め合わせだったのが、ここにきて一冊まるまる使ったお話に。読み応えがすごくありました。あの3人にとって、真実の扉を開くことはせず、真相だけを語られたことが、結果良い方向に導かれる形になれそうでよかったです。

  • 葵と付き合う事になった清貴の壊れっぷりが(笑)
    葵を大事にしているのはわかるけど、大事にしすぎて若干イタイ男になっている。
    普段の切れ味鋭い清貴と比べてギャップがすごいね。
    でも、葵の元カレ・克実への対応とかは頼れるカッコいい彼氏、という感じ。
    克実は本当にどうしようもない男だね。なんだかんだ理由着けていたけど、結局は彼女と遠距離になるから葵をキープにしたい、ってだけでしょ。
    清貴が追っ払っちゃったけど、元親友・早苗と克実には二人のラブラブな様子を見せつけて、ショック受ける場面を読みたかった。

  • 私の地元とご縁のある作家さんの作品。それがきっかけで読み始めたけど、すっかりハマっています。

    今回はシリーズ初の長編。複雑なミステリー、潜入操作、アクションシーンなど、いろいろ満載で面白かったです。仏教の話はちょっと難しかったけど、興味深かったです。

    いつもは葵ちゃんの一人称の語りでストーリーが進むけど、今回は他の人の視点(一人称ではない)の章もあって、最初はちょっと混乱しました。でも、一つのシーンを異なる角度で見られたり、潜入捜査先の建物の中と外の出来事が時間差で書かれていて、面白い構成だと思いました。

    ホームズが潜入捜査中に見張りの気を引くために超ウザい人になったり、いつもクールなのに葵ちゃんようやく付き合うことになって色ボケになってたり、今までと違う一面に笑ってしまいました。

    今回は宿敵円生との対決がなかったので、また続編が楽しみです。

  • 本編はもちろん面白いのだけど、清貴と葵のウブな恋愛が、おばちゃんにはドキドキしてたまりません!

  • 今回はシリーズ初の短編集。仏教関係美術品の連続盗難から女子高生の失踪、薬物怪しい団体への潜入捜査にアクションと盛りだくさん。葵への彼バカぶりを発揮する清貴、でも手繋ぎ止まりなのが彼らしい。エピローグで出てきた葵の元彼ともと親友はなんなのかな。結局葵を下に見て自分たちが上から見下ろして葵を憐んでて性格悪すぎ、清貴に追い返されてよかった。

  • タイトル通り今回は捜査ありアクションありのミステリーでしたが、なかなか面白かった。
    妙にウブさを出している恋愛シーンは自分には余計だけど。。

  • ホームズさんと葵が付き合い始めてからのストーリー。
    私としては、その前の状態の方が良かったなあと思いつつ、これまでの作品通り、楽しく読みました。

  • 長編です
    少し深刻な状況が絡んできていても主人公たちの人間性なのか、無事解決する作者の手腕が拍手もの
    過去のものと思われた元彼が安っぽい想像で、ホームズが頼まれ彼氏役と思い込み「蔵」にきて、今度こそ付き合いだしたホームズとの幸せをかみしめるのだ

  • え、アクション好きなんですか作者さん!

  • 著者の本は、面白いんやけどチョイチョイ文章や表現にひっかかるところがある…(なんかスイマセン)。
    じゃあ読むなよっちゅう話やけど、イヤイヤ、ひっかかるねんけど、著者は文章や小説、京都にすごい思い入れがあって丁寧に書かはるよなあ、ちゅうのはめっちゃ伝わるので、つい読んでしまうねんな…。複雑…。笑

    などと、そんな妙なテンションで読み始めたせいか、今回はめっちゃ面白かった!
    長編より短編のほうが好きなはずやのに、今回はあとがきでいうてはったとおり、ラブも鑑定も京都もアクションもすべていい塩梅でつまっていて、最後まで楽しめたよー!

    ほんで、途中でわかった気がした。
    「寺町のホームズ」シリーズは、基本、葵ちゃん主観で話が進んでいくけど、ベースは第三者視点やねんな。
    いわゆる「神の視点」ちゅうやつやから、本来なら葵ちゃんが知らないはずのエピソードや心理描写がチョイチョイ入ってても、
    「ああ、そうなんやねえ」
    ぐらいで読めるんやけど、「祇園の拝み屋」は、小春主観で話が進んでいくのに、小春以外の目線の話もチョイチョイ挟まってくるから
    「いやいやそこは違う形で書いてほしいな」
    って、思ってしまうんやわ。

    例えば、葵ちゃんと清貴がおって、清貴が「〇〇を見て△△と思った」と、いうところは、葵ちゃんには本来わからんわけやん。
    でもそれを読者に伝えたい、と、思ったとき、清貴が「△△と思ったんやなあ、と、葵ちゃんが感じた」と、いうようなエピソードを放り込んできてくれたら、こちらとしても、清貴の心理もそれを察した葵ちゃんの心理もわかるというやつ。

    もちろん、作中で葵ちゃんが清貴の心理に気づかなかったのであれば、(葵ちゃん視点の話なら)読者も気づかなくていいわけやし、葵ちゃんは気づいていないのに読者にだけ気づいてもらいたいとなると、すごい難しいと思う。

    清貴の心理を読者にだけ伝えないとあかんくなって、ほんで、著者は
    「清貴は『△△だなあ』と、思った」
    と、いう文章をポーンと放り込んでくるから、えっなんだその押しつけがましい説明文はと思ってしまうねん。

    よくわからん話やけど(ほんまにな)著者はそういうところが興ざめになりがちやってんけど(そこまで読者に説明しなくても、こっちで想像しながら読むよ…? と、思ってしまうので)、今回はそういうのがほぼなかった。

    ほんで、これはあくまで私の好みであって、著者の文章のうまいへたでは決してないと思う。
    そういう書き方もあるんやろう、私が素人で読解力がうすいため、なかなかついていけないだけで。

    (ほんまスイマセン)


    くどくどと書いてるけど、清貴と葵ちゃんのキャラがええなー。
    清貴、めちゃめちゃ病んでるやん。こんな病んでるヒーローでええん(笑)。ここは敢えての笑かしにかかってはるよね?

    「真面目で面白みにかける僕」っちゅうのは、どこからツッこんでいいものやら。
    これは読者も全力でツッこんでええんよね。この人病んでる。笑

    人前でも堂々とイチャイチャやってるので、ツンデレ系ではまったくないし面倒臭い系でもないけど(ある意味面倒臭いか)、…まあ、よかったな、清貴。葵ちゃんみたいないい子が彼女になって…。笑

    そんな清貴の、それこそホームズを連想させる観察眼はねちっこくて嫌いではないです。
    (ほめてるように聞こえない)
    作中で、「人が無意識に発した言葉尻をいちいちつかむ人」と、言われていて、ああなるほど、そういうことか、と、納得。
    それだけのことといえばそれだけのことやけど、それだけのことが難しい。


    あと、今回は小松さんもよかったよね。清貴のたばこのつけ方はどうかと思ったけど(笑。著者、何狙い?)、小松さんの前職は捜査一課あたりかと思ってた。
    警察関係かもしれへんけど、サイバー系らしい…。また…。すごい設定を持ってきはるな…。


    あと、今回も誤植を見つけた。珍しィ! ( *´艸`)
    「どうなつている」って、中原中也氏みたい。@汚れちまつた悲しみに

    雅美さんが優子ちゃん失踪の件を小松さんほど心配していなかった理由がすごかった…。
    これだけで1冊書けそうやのに、さらっといったよね。
    そんな小松さんが送ってくれていた養育費を使わずに「よけていた」ちゅうのも…。よけるって。確かにそういうけども。

    著者の関西弁(京ことば?)は、地元の方に監修してもうてるらしいのに、これまたチョイチョイ「あれっ」って思ってしまう。笑

    訛りを小説に書くのって、難しいね。


    ■■■■

    ■ブルーカラー

    賃金労働者のうち、主に製造業・建設業・鉱業・農業・林業・漁業などの業種の生産現場で生産工程・現場作業に直接従事する労働者を指す 概念である。

    (2017.07.12)

  • 1冊まるっと同じ話という初めての長編だっただけに読み始めると先が気になってやめられず、ほぼ一気に読んでしまった。その分これまでよりも、読み応えもあったかな。

    ついに付き合い始めたホームズさんと葵ちゃんだけど、付き合い始めてもぐいぐいと仲が深まる事はなく、ほんのり進むふたりが微笑ましい。
    時折暴走するホームズさんが可愛らしく、また彼らしく安定のかわいげのなさや腹黒さを見せる場面もあるものの、葵ちゃんにはぞっこんで必死な姿がたくさん見えてきて満足。
    最近キャラ読み的に楽しんでいるシリーズだけれど、続きも楽しみ。

  • 晴れてカップルとなった葵ちゃんとホームズ清貴の2ショットがまぶしい大人気京都ミステリーの6冊目です。シリーズの初長編は十二神将の仏画盗難事件と女子高生失踪事件と怪しげなセミナーと大麻密売を絡めて殺人事件以外の要素で犯罪事件を巧くまとめられていましたね。今回は私立探偵の小松さんがお笑いの秋人さんの代役を務めた感がありますね。清兄を慕う利休君にはBLの気配が濃厚でちょっとヤバイですね。今回も腹黒さ&あざとさ全開のホームズ清貴でしたがエピローグでやっと邪魔が入らずに葵ちゃんとのキスシーンが実現して良かったですね。

  • 大麻に宗教。なかなか重い内容だったけど、付き合い初めた初々しいホームズさんと葵が可愛い。葵の前では、本性隠せないホームズさん。可愛い(笑)

  • 今回は長編のアクションあり、宗教あり、薬物など
    今までとは違う醍醐味があって面白かった。
    清貴と葵もラブラブ度が増してました。

  • 最後の元カレの話があったせいか、葵が必要以上に守られているイメージが濃く残ってしまった。葵が活躍して清貴がポカーンとなるくらい痛快なエピソードが今後あるといいなと思う。議員の息子の史郎は結構好きなキャラだったんだけど、もう出てこないのかな……

  • 2019.2.21読了

  • ホームズこと清貴の腹黒いキャラを楽しむには良いお話でした。
    このシリーズはキャラを楽しむのがいいと思う。

  • 一冊通しのストーリーでサスペンス調ということもあり、先が気になって一気に読んでしまいました。

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著者プロフィール

北海道出身、現在は京都在住。2013年にエブリスタ主催第二回電子書籍大賞を受賞し、デビュー。2016年「京都寺町三条のホームズ」で第4回京都本大賞を受賞。「京都寺町三条のホームズ」「京洛の森のアリス」「わが家は祇園の拝み屋さん」「満月珈琲店の星詠み」「京都船岡山アストロロジー」シリーズなど著書多数。

「2023年 『京都 梅咲菖蒲の嫁ぎ先』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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