ケモノの城 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
3.29
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本棚登録 : 2907
感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575519952

感想・レビュー・書評

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  • 明るい農村 ( 幸せの条件)を読んだ後に、一転してダークな本書を読んだ。同じ作家でありながら180度違った内容。
    内容はエログロが激しい。暴力と言葉で相手を支配する。相手が親だろうが甥っ子であろうが、殺さざるを得なくなる。死体の処理も、そこまでやるのかと言うほど目を背けたくなるやり方。あり得ない内容と思ったが、解説を読むと北九州市の事件を元にしているとのこと。実際の事件を調べて見ると、主犯は無罪を主張していたとか。あり得ないと思う。
    事件と二人のカップルの話が並行して書かれていて、時系列が同じに見えて混乱する。最後の結末も数名の行方がはっきりせずモヤモヤする。ただ、一番終わりにたった一人の生存確認がホッとする。
    凄惨な場面が多く、人によっては評価が分かれると思う。。

  • H30.2.14 読了。

    ・町田監禁殺人事件という仮想の事件を描いた作品。監禁されていた人たちへの虐待方法が、読んでいて気持ち悪くなるぐらいにグロかった。
    ・「人間の理性と感情とは一体何なのか。どこに根ざしているものなのか。本書は、そんな深遠なる問題を根底から考え直させてくれる一作だと思う。」・・・解説より。
    ・「取り調べで情に訴えるのは常套手段だ。使い古された手法だが、だからこそ効果はあるのだと思う。実際、怒鳴りつけて脅かすより、自供が得られる確率は高い。誰にでも通用する論理、心理、情理。結局はそういうものが人の心を動かすのだ。」
    ・『学習性無力感』・・・長期間監禁され、暴力を振るわれ続けると、人は次第にそこから抜け出す努力をしなくなり、最終的には逃げる気力すら奪われてしまう、という学説。
    ・「確かに人は慣れる。楽しいことにも、苦しいことにも、優しさにも、憎しみにも。人を傷つけることにすら、人間は慣れていくのだ。」

  • あのおぞましい北九州監禁・殺人事件がモデル。途中まではまるでホラーのごとき展開。実際にあったとされる残虐行為のグロい描写は、耐性のない人には辛いかも。長期にわたる虐待によって、いつの間にかそれを受け入れるようになってしまうという人間心理が、一番怖いと感じた。

  • 【残酷すぎて目を背けたいのに、ページをめくる手が止まらない】という煽り文句その通りに、読み始めたら止まりませんでした。

    同時進行で語られる【幸せなカップルの彼氏目線】と、【猟奇的な犯罪を追う警察目線】の温度差が凄い。早くこの2つの視点がリンクして欲しいというミステリスキーとしての高揚感は、読み進むにつれて、早く救済が欲しいという焦燥感に取って代わられました。

    とにかく、犯行シーン、というより××シーンが残虐すぎて読むのが辛いです。

    人間はここまで残虐になれるのか、暴力に対して無抵抗になれるのか。でもまあフィクションだしな、、、と歯を食いしばって読み終わると、最後の解説で、本作が実際の事件に題を取っていると知って、慄然としました。

    読み終わった後、事件の概要をネットで調べました。被害に遭った家族、取り分け子供の顔写真を見ていると、たった今読み終わった小説がにわかに現実に起こったことなんだと思い知らされて、自分が今いる部屋の片隅に、暗い影を見たような気がしました。
    こういう読書体験は、あまりしたいものではないな、、、。

  • 読まなきゃよかった…
    でも止まらなかった

    んーん、でも読み無くなかったなぁ
    心の中がぐずぐず腐りそうで

    でも読み進めちゃった…
    あー、でも読みたくなかったかも

  • 2018年 12冊目。

    読むのが辛い。目をそらしたくなる。
    だけど一気読みしてしまった。
    でも面白かったとは言えない。
    読み終わったあともスッキリしないし、救いようのない気持ちになった。

    この話が実際にあったことだとは信じ難い。
    今ある幸せを大切にしようと思った。

  • 人間としての愛情や理性をもって生まれてこなかった、サイコパス。自分の近くにも生息している可能性があるのかと思うと怖くなった。残虐する場面などは想像すると震えたが、それ以上に伝わるものが多い、考えさせられる作品だった。

  • 死体や、虐待の描写が生々しくて久々に読むのに時間がかかった。初めてのノンフィクションだったから読む怖さと興味もあった。
    話的には、初めは2つの別々の話が続いていくんだけど、最後に一緒に伏線になるようになってて誰がヨシオなのかと、あまりにももう1つの話の方が幸せな、日常にありそうな話だからこそ怖かった。
    何度も何度も、読むのが嫌になって1ヶ月くらいかかって読み切った。どうしても現実にあった事だと認めたくないんだけど、あるかもしれない。と思わせる描写で鳥肌がたった。これは読み切って2日は引きずる。それぐらいやばい本だった。

  • 久々に誉田のグロをこれでもかと味わう。実話ベースと思うと、洗脳は恐ろしい。救ったはずなのに解体はさせるのは解せないね。
    モヤっと感を残すのは良いが、もう少しスカッとしたものが読みたいな。

  • 北九州で起きた監禁事件をモチーフにした話。生々しくて途中読めない箇所もあったり。ほんとにこんなことできる人間いるのかな。もう人間じゃないよね。理性の持たない生き物はまさにケモノ。

著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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