顔 日本推理作家協会賞受賞作全集 (9)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575658088

感想・レビュー・書評

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  • 「顔」は2024年新春、テレビ朝日開局65周年記念ドラマスペシャルとして大々的に放映される。主人公は男性なのに武井咲が演じるのが見ものだ。松本清張‥今から65年も昔の作品が今もなおドラマ化される。恐るべき推理作家である。
    この本に収められた6篇の短編は、昭和30年代の作品であるが、短いながらも 松本清張の社会派推理作家としての根幹が垣間見えてとても興味をひく。

    人は時々「突然に 水底の沈殿物がぽっかりと水面に浮かび上がったような、そんな思考の湧きかた」で、もやっとしたものが解決する時がある。トリックではなく、犯罪の行為に至るまでの心理に照準を合わせると見えてくる犯人や動機。それが読み手を惹きつけていく。

    高等小学校しか卒業していない松本氏は英会話も流暢でグラフィックデザインもでき、書も達筆である。文学界に、“清張以前” “清張以後”という言葉を生んだ松本氏の初期作品群。堪能できます。

    「顔」「殺意」「なぜ「 星図」が開いていたか」
    「反射」「市長死す」「張込み」

  • 実は松本清張を読んだことがなかったのですが、表題『顔』だけを読んでみました。なるほど「顔」のそこに目をつけるんだなと面白く読みました。漢字の使い方が良いし、展開の仕方も予想を裏切られて印象に残るラストでした。他の作品も読んでみたいです。

  • ふた昔前って感じ。携帯がない時代。

  • お勧めです。

  • 今年の9月から読書を本格的に始めるにあたって最初に読んだ本。父親の書斎に転がっていたので、なんとなく松本清張って有名だから読んでみようと思い手を出したところ、なかなか面白くてすぐに読んでしまった。見事に張り巡らされた伏線に沿って読み進めながら自らも推理して楽しめるが、幾度となく予期せぬ結末に良い意味で期待を裏切られ、臨場感ある内容を堪能できた。また、昔の作家ゆえに言葉が難解で、いちいち調べながら読む必要もあるが、それも含めて学びだと思うと非常に楽しかった記憶がある。#読書倶楽部

  • 面白くないことはないけどやや古い感じ。

  • 松本清張による初めての推理短編集

    ・顔
    舞台役者が映画に出演することによって追い詰められていく。

    ・殺意
    中年の営業部長が青酸カリ入りの薬を飲んで謎の死亡。

    ・なぜ「星図」が開いていたか
    熱心な教師がハンストの後、自宅で心臓発作で死亡するが駆けつけた医師は何かが引っ掛かる。

    ・反射
    ある会社の重役の愛人を殺し金を盗む。アリバイは無いが物的証拠もない男と警察が駆け引きする。

    ・市長死す
    戦争経験者の市長が出張先で突然仕事から離れて出かけていき数日後死体で見つかる。

    ・張込み
    強盗殺人事件の主犯を追って、昔の恋人の嫁ぎ先を張り込む。


    「顔」と「張り込み」はそれぞれに映画化と11回もドラマ化、「殺意」も4回ドラマ化されているのは凄いが、映像化したくなるのもわかる内容だった。

    1957年3月、第10回日本探偵作家クラブ賞受賞

  • やっぱりすごいーね、話がおもしろいし展開がうまい!
    つなげ方も盛り上げ方も。ちがうわやっぱ。

  • (収録作品)顔(日本探偵作家クラブ賞(1957/10回))・殺意・なぜ「星図」が開いていたか・反射・市長死す・張込み

  • 顔読んで松本清張すげぇ、と思った。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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